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出会い

こんな思いをするのなら、出会わなければ良かったのかもしれない。


ーでも後悔はしていない。


病院の夜勤の仕事があって私は大分疲れていた。

「日坂さんお疲れ様ー」

「お疲れ様ですー♡」

今から帰って健人君に会って、充電しよう。

とワクワクしながら、帰ろうと病院を出ると病院の前に1人の女の子が立っていた。

不安そうな顔をしていたから声をかけてみた。

「どうしたのー?もしかして迷子?」

「分からないのじゃ…」

そう答えた女の子は俯いている

「んん?どういうことかなぁ?」

「何も思い出せないのじゃ…」

「困ったなぁ…」


とりあえず病院内を探してみることにした。

「あれ?日坂さん?帰ったんじゃ?忘れ物ですか?」

「帰ろうとしてたんだけどね、さっき病院の前で女の子がいたから迷子かなーって」

「迷子?」

「でも記憶がないみたいで困ってるんだー」

「記憶がないの?」

「そうなの何を聞いても思い出せないの」

「からかってるようにも見えないし…病院内の放送で親を呼び出してみよっか」

「そうしてくれると嬉しい」

「日坂さんはもうちょっと待っててね」

少しの間女の子と話してみることにした。

「お名前はなんて言うのかなー?」

(まり)じゃ」

「まりちゃん?」

「そうじゃ」

おじいさんみたいな話し方をする子だとその時は思った。

「何歳?」

「分からないのじゃ…」

「今日はお父さんときたの?お母さんときたの?」

「分からないのじゃ…気づいたら病院の前にいたのじゃ…」


その時放送を入れていた、理沙ちゃんが帰ってきた。

「どうだった?見つかった?」

「放送かけてみたので、親はもうすぐ来るかと…あっ、日坂さんはもう帰っていいですよ」

「いやいや、この子の親子さんを一緒に待つよ!」

「ありがとうございます助かります」

2時間しても3時間しても、親は来なかった。

「親、来ないですね…警察に行ってみたらどうですか?」

「うーん…そうしようかな、行こっか毬ちゃん」

「…うん」


交番の近くまでやってきた。

「私は親がいないのじゃ」

女の子は語り出した。

「えっ…?」

捨て子だろうか…もし私が今、警察に渡してしまったらまた捨てられてしまうんじゃないのか、そんな不安があった。

「やっぱり…今日はお姉さんのお家に来る?」

咄嗟に言葉が出た。

「いいのか?」

女の子が初めて明るい表情を見せた。

「もちろんだよ!」


そして、住んでるマンションの近くまで来た。

そこで健人くんと会った。

健人は毬ちゃんを見ると何かを思い出したみたいだった。

「お前は…まさか毬…?」

健人くんはこの女の子を知っているようだった。

「ん?健人くんはこの女の子を知ってるの?」

「説明が難しいですね……毬は俺を死から救ってくれたんです」

その後の話を聞いて、信じられない自分もいた。

「その話は嘘じゃないだよね?」

「はい、本当です」

「でも…なんでこんな所にいるの?」

「分からないです」

「じゃあこの子は、この世界の子じゃないの?」

「そうですね…」

「毬ちゃんはどこからきたの?」

「それだけは覚えてるのじゃ。私はあなた達とは全く違う、遠いところからきたのじゃ。」

そして女の子はまるでおとぎ話のような話をし始めた。

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