ずっと一緒に
「クソガキ後ろに気をつけな」
ヤバい…殺される、後ろではチェーンソーがうねっている
「じゃあな…クソガキィ!」
そして切りかかろうとした時、何かで殴るような鈍い音がなった。
そして男はその場に倒れた。
「はぁはぁ……健人…カナ…大丈夫?」
「遥香?」
「心配になって…」
「ありがとう…遥香のおかげで助かった…」
遥香の右手には1mほどの鉄の棒があった。
「私…まさか、人を殺した……」
「いや、大丈夫だ、気を失っているだけだ。今のうちに警察に連絡してくれ。」
「分かった」
その時、気を失っていたはずの翔太が立ち上がった。
「遥香ちゃん?…なんでこんなところにいるんだ…」
「起きたのか…危ない!遥香!」
翔太は落ちているナイフを拾い俺たちに襲いかかった。
「…2人に手を出さないでください…」
この声は…キレたカナだ…どうやら目が覚めたらしい、その声を聞いた時、翔太が動きを止めた。
「起きたのかカナ…まさかお前唯一の兄を…」
と何か言おうとした時、カナの懇親の一撃が入っていた。
そして胸ぐらを掴んだ。
「兄さんが健人くんを刺したんですね?」
「あぁ…そうだ…指す相手を間違えたんだがな…お陰で恐ろしくて外にも出れず父さんに匿ってもらっていた…」
翔太はこんな状況でもケラケラと笑っている。
「ふざけないでください」
カナは胸ぐらから手を外し、凄い速さで蹴りを入れた。
翔太は吹っ飛び部屋のガラスを破り、外に倒れた。
「おい、やめろもう十分だ!カナ!」
カナは我に返った。
「そうですね…やりすぎました…」
するとカナは悲しそうな表情をした。
「あんな人達でも、親も死んでしまい親戚が彼ら達だけの私にとって、一応私の親の代わりのようなものでした…だから今までも逆らわず、過ごしてきました」
そしてカナは堪えていた涙を流しながら
「私は、私はどこに帰ればいいでしょう…?」
もうそんな答えは決まっている。
「ならずっと俺の所にいればいい、俺の家…俺たちの家に帰ろう」
そして俺は、カナをしっかり抱きしめた。
もうカナが独りにならないように。
「本当に…本当にいいんですか…?」
「もちろんだよ」
そして、カナは俺の胸の中で声を出して泣いた
その後警察が来て、取り調べなどがあり帰されたのは次の日の昼間だった。
「あぁぁ疲れたァァ…」
「疲れましたね…」
「取り調べ長かったねー」
俺たちは寝る暇もなくずっと話をさせられた。
「お腹が空きましたねぇ…」
「よし!今日はバイトの給料が入るし!メシ食いに行こう!」
「おっ!健人太っ腹ー!」
そして俺たちは日常に戻っていく…