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プレゼント・ディザイア ~無欲の魔王~  作者: 相川キリンwithヒゲメガネ
Ⅰ 人であろうとする者、この広大な大地に足をつけた
7/16

南への道 ~南の地区での掟~

わーい!三連休だ!

・・・おかしいなぁ、連休三日目だぞ・・・

・・・おかしぃなぁ・・・

「そこッ!はやくココアを持ってきなさい!」


 私がそう催促すると、奥からいかにもガラの悪い男があせあせとココアを持ってきた。


「へ、へい!ココアでごぜーます!」

そうガラの悪いチンピラAがなれない敬語を使い、湯気が出ているココアを丁寧に持ってきた。

そのココアからはほんのりと甘い、鼻腔(びくう)を刺激する香りが漂ってくる。

いいココアだ。だが、私はそんなに甘くない。

そのココアを一口すすり、

「ぬるい!こんなぬるいココアを飲んだらますます体がひえるでしょうが!」

・・・ダメ出しである。

ココアがぬるかったか?そんなことはない。ちょうどよく温かくて、冷えた体にしみる美味さだった。

なんでそんなことするのか?それは―――私がここでは偉いからである。

QED!


「へ、へい!すいやせん!今すぐに淹れ直してきます!」


 嗚呼、可愛そうに、ココアを淹れ直しても、今度は熱いと言われてしまうのに。嗚呼、哀れ。いと哀れ。


「お嬢ちゃん・・・すいやせん・・・体が・・・もう、限・・・界・・・」

今にもつぶれてしまいそうなチンピラBの声が下から聞こえてきた。何で下から?それは勿論

 私の椅子になっている(,,,,,,,,,,)から(,,)

どういう事か?文字通りである。椅子になっている。私の。四つん這いで。


まぁ、理由はのちのち―――


「へ、へへへ・・・ガキもこれで終わりだぁぁ!!」


 なにやらトランプをテーブルに叩き付けてチンピラCがほざいている。次から次へとなんだい、もぉ。

なになに、ハートのK、クラブのK、スペードのK、ダイヤのKにハートの10

つまるところフォーカードだ。圧倒的に圧巻な役。同じフォーカードでも負ける事はないだろう。

困った、嗚呼困った。なんせ、私の手元には


「こちらは、ハートの1、ハートの2、ハートの3、ハートの4―――」


 対戦相手のチンピラCの顔が青ざめていく。だって、この役の確率は・・・0.0013%

なんの確率より低いかは分からないけど!


「ハートの5。あらら~ストレートフラッシュですね~。ええと・・・あなたはフォーカード、私の勝ちです」

かっこにっこり。


「あ、ありえん・・・ありえない!イカサマだ!このガキをたたっ斬れ!」

それは、鬼を見たような形相で怒鳴り散らす。テーブルに乗っているもの全てをなぎ倒し、押し倒す。

まったくもって失礼な!イカサマとはなんだ!イカサマとは!まったく・・・イカサマを仕掛けたのはそっちでしょうに。

私はそ知らぬ顔でチンピラCの怒声を聞き流す。どんなに怒鳴っても周りのチンピラは動く気配がない。

だって、私に何億もの借金があるんだもの。

 ここ、南の地区は金と力と権力が全て。私はその金で上位に立っている。そんなお金はどこで手に入れたって事は聞かないでくれよ?

ここで、チンピラ百何人と賭けをしただけだから。そして全勝しただけだから。


「あ、あの、これはちょっと、あの、やりすぎでは・・・」

と心優しき少女は心配している。きみぃ、忘れたのかい?数時間前にされたこと。


 縛って、吊るされ、連行されて、無理やり賭け事だよ。

許してたまるかってんだい。まったく、君はそのうち詐欺とかに会いそうで怖いよ・・・


「へ、へい!ココアを持ってまいりましたぁぁ!!!」

とチンピラAがココアを零さない様に焦って持ってきた。・・・器用だな。

ちょうどいい、思い出してたらイラついてきたから発散しよう。

今度はなんて文句を言ってやろうか … … …


「あ、美味しい」


… … … しまっt


「よっしゃぁぁぁぁぁ!!」

チンピラAは両手を振り上げて雄叫びをあげた。その表情はエベレストに登頂した登山家の様な達成感で満ちていた。

ちくせう、もう少しいじりたかったのに。周りの連中がスタンディングオベーションを起こしてやがる。目の前のCと椅子のBを除いて。

 しかし、本当に美味しいな、このココア。甘さも温かさもちょうど良い。ココアを淹れる技術が目に見える程上がってるぞ。


「はぁ・・・Aの借金はなかったことに、そしてBも同じく。お疲れ様。ん、そうだな」

さて、本来の目的を忘れるところだった。ココア美味しいじゃなくて、ええと、そうだ!

「ねぇ、C。あなたの借金もチャラにするからね、あんないしてね」

かっこに゛っごり。うわ、今のはどす黒い。ちょっとやりすぎたかも・・・


「本当に・・・街長(アネさん)の所に案内すれば、3億、チャラにしてくれんのか・・・?」

チンピラCは一か月ぶりの光をみた様な顔をして、問いかけてきた。

はぁ、そんな顔されたら、

「もっちろん。あんぜんにあんないすればいいだけのカンタンな仕事だよ。できるよね?」

かっこに゛っごりキャンセル!危ない危ない。さすがに、これ以上追い打ちをかけるのはさすがに。私の少ない良心が痛むよ。


 さてと、チップと足は手に入れた。それに、数も力もある。だが、ここから先は・・・油断できない。


 さぁ、南の地区の街長(まちおさ)。名家の娘でありチンピラどもを金、力、権力で従えて、チンピラどもに有無を言わさぬ勝負師(,,,)としてのカリスマの持ち主とご対面といきますか。

どうしよう、書けることがない・・・

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