祝!初!ビバ異世界!
私は死んだ。私こと桜島六美は死んだのだ。
それは揺るぎない事だ。いつの世もルールを守らないやつはいる。それなのに、注意を怠った私の責任だろう。私の責任だ。
・・・だが諦めん!私はまだ死ねない。異世界に転生するまでは!女神様ぁ、どうか私にお声を。「あなたは本来死ぬべき人ではありません」的なフレーバーを!
なんで引いてったのがトラックじゃないんだよ!あの○○ナンバー!許すマジ。やば、許すまじ。
「おいガキっ!うせーぞっ」
うっさいのはおめーの腰巻だろうが!じゃらじゃらじゃらじゃらなんじゃそりゃ。最新鋭のファッションでぇすぅゾ☆ぷっ。
「おうてめ、ガキが。女だからって容赦せんぞ!おらぁあ゛あ゛」
「何言ってんだじじい。とうとうイかれたか?ヤっちぁったかぁ・・・あ?」
キリッと響くこの声は。ん?
「まてじいさんよ」
「ん?どうした。お手洗いか?がはっはっはは!すぐ近くだぞゴラ゛ァ」
「じいさんが見かけによらずに親切なのはもう分かったから。それより、なんて言った?」
「ん?厠はすぐちかくだぞ。安心しろ、すぐ近くにいてy
「もっと前だよ。おじいちゃん。私が…女…?この声は…私?」
「だ、だいじょううぶbbかぁぁ?頭を打ったのか!?お医者呼んでくっか!金の事なんざ安心しろ!わしが何とかしてやる!」
「OK.OK.分かった分かった」
おじちゃんがすごく優しい人だってことが。そして、知りたいことがいくつかある。
「さて、問題です。この世界の名は?」
「よっしゃ!『ウィーヴィバリュードネセスカリア』長いから皆『ウィーバ』とよんどるぞ。ちなみに、この国は『シューラ』ここは『バル』通称『奈落街』じゃ。じょーちゃんみたいなやつはすぐに犯される荒くれ共のたまり場じゃ」
ノリいいぞ。よし。このまま。
「花丸満点大正解!続いて、私の容姿は?」
「ん?そりゃぁ、べっぴんさんよ!んぅ?よく見たら悪魔か?ちっけぇなぁ。歳は100才くらいか?髪は銀髪。肌は健康な白肌。目の色は金。どこぞの貴族かい?まったく、こんな嬢ちゃんおいて親はどこいったんd… … …あくまぁぁあ?」
「恐れるでない。我は寛大だ。」
それっぽく言っておこうかな?なんか雲行きが・・・
「なぜ悪魔が?ここは腐っても国だぞ!嬢ちゃん!ケガはないか?兵士に見つからなかったか?わしの隠れ家にしばらく泊まるか?」
その心配だったか!
「え?やだ?やさしい。じゃなくて、実はかくかくしかじかで」
だいたい、記憶がない。気づいたらここに。などの軽い状況を話した。かくしかって便利だね!
「そんな事情が・・・」
そしてこのおじいさま、すごく優しい。顔がギャングで腰にじゃらじゃらしたやつ巻いてるのに。
「ふぅむ。分かった。わしの名はミシ、この奈落街の頭をやっちょる。種族はパルヴェーダじゃ。で嬢ちゃんの種族はメルバットじゃ。それの貴族級の容姿じゃぞ。ところでそういえば嬢ちゃん。名前も分からんか?」
「うむ。ちっとも思い出せん」
名前考えてなかったな。てか、よくここまでアドリブでスムーズにいけたな。なにこれ。主人公補正?にしても名前、そのままでいいか?いや、せっかくの異世界だ。新しく始めたいな。
「それじゃぁ、わしがつけてやろう!・・・ポッポなんかどうじゃ?」
「え~・・・」
それなんてポケ○ン?確かに愛らしいけど。ありがたいけど、なんか、ちょっと・・・
「いやか?それなら…そうじゃ!好きなものをいくつか言えるか?覚えているか?」
ナイスアイディア!ナイス村人A!いや、村人M!ミシのつづり知らんけど。
「ん~と、桜、島・・・むいみ・・・」
やだ、恥ずかしい。むいみなんてこじらせちゃってる子みたいじゃん。いや、断じて違うから。たまに、漆黒の熾翼が誘う的な事言いたいけど、違うから。違うから!
「うぅむ、どうせなら苗字も欲しいよな。よし!」
「おお!おじいさまのセンスに期待してるよ!」
うん。マジで。ホント。
「うむ。では。【ノンノ・チェリーランド】・・・どうじゃ?」
おお。案外まともなの来たね。・・・あれ?あんまり元の世界と変わらないのか?英語っぽいな。そういえば、人間をパルヴェーダと発音してたな。聞いたことないな。相手の言葉の意味が分かるのはよくある転生もので想像してたが、ところどころ地球と変わらないね。
「ちなみに、どういう風に決めたの?」
「おっ、ああ。チェリーブロッサムとアイランドから少しずつ取っての、ナンセンスはそのままだと失礼じゃろ?だから少し変えてノンノにしたのじゃが、どうじゃ?気に入らんか?」
「とんでもない!すごくうれしいよ。ついでにつづりも教えてくれる?」
なるほど、元の世界の文字や言葉が通じるのか。それに、言語は一つだけ。地球でいう英語。私はそれを読めるし聞こえて、理解ができる。なんというご都合展開!それに、剣も魔法もある。種族だって色々いる。知らない、聞いたことのない種族もいる。勇者も魔王もいる。素晴らしきかな、この世界!英語万年赤点だった私が、英語を使いこなしているだと!はぁ、本当に異世界に来たんだな。
ああ、今はミシおじさまに案内されているところだ。ミシおじさまは本当に奈落街では顔が広い。そして、みんな一様に反応が同じだ。私を恐れる。理由は、魔王の中に悪魔が二人いるらしい。それで、だいたいの悪魔と人間は戦争中の様だ。戦争のきっかけはない。ただ人間が魔王を毛嫌いしているだけであった。迷惑な。魔王の中には人間と交流と親睦がある者もいるそうだ。だが悪魔は種族がら、人間から煙たがられている。ん、そうだ!悪魔の魔王の説明をしよう。
まず一人目。【万能の魔王】
能力は万能。火も水も闇も光も使うし、回復だって使える。並大抵の魔法じゃ太刀打ちできないとのこと。
世界の恩恵持ちらしい。
そして、もう一人の悪魔の魔王と仲が悪い。
二人目。【略奪の魔王】
能力は能力を奪う。なにこのチート!私が持つべき能力じゃないの?まぁ、最初は人間に飼われていた悪魔らしい。やはりおかしいぞ… … …
そして、世界の恩恵持ち。
【万能の魔王】とは戦争中。
・・・えぇ~・・・おかしい、私も何かチート持ってないの?てか、私の能力は?
「ノンノよ。見たところ魔法特化の悪魔の様じゃが、能力も分からんか?」
神よ。このおじさまこそ私のチートですか?それはそれでなんかやだな・・・
「よし!わしの知り合いに『カテゴリ持ち』がおるのじゃ。そいつに見てもらうか」
『カテゴリ持ち』?なんだろう?鑑定系の能力かな?
でもまあいい、私はどんなチートを持っているだろう。一騎当千?未来改変?楽しみだ!
念願の異世界は面白いことだらけだ!
悪魔がメルバットで、天使がメルジャス。
なんか忘れそうだな・・・
忘れてもいいか!