暗殺者 Ⅰ
ヒ「くとぅるふ・・・たのしい・・・いあいあ・・・」
キ「ばかじゃねーの?」
ヒ「はい!申し訳ございませんでした!!」
暗闇に光る赤、それは速度を上げ追ってくる。どのくらい走っただろうか。足が痛い。頭も痛い。そんな状態で走れるはずもなく無様に転んでしまった。
「貴様に恨みはない、だが主人の命だ。ここで死ね。」
ノンノ・チェリーランド、私はここで死ぬのだろうか。地球でも死に、この世界でも死ぬのか。だけど、不思議と怖くはなかった。
―――あるのは憎悪だけだった。
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「おい、ガキ。あー、なんつったか?ノンノだっけか?テメェ―はなんでこんなところにいんだよ?見るからに育ちがよさそうだが?」
西の街長、ウェルソン・モンローがいぶかしげに聞いてくる。正直私も分からないのでこの質問は困る。そうこう悩んでいると、ミシおじさまが
「そりゃ、天からの授かりものじゃろうがたわけ。」
的外れとも言いにくいことを言ってきた。え?車に轢かれはしたものの、神や女神とは会ってないんですが。…まあ、こんな可愛い姿なんだし、あながち間違いじゃないでしょ。
「ジジイ、頭わいてんのか?」
「だまれ小童が、ノンノはこんなにかわ――」
「おじさま!!やめてくださいよ!はずかしい!」
勉強もできなかった私は褒められ慣れてなかったらしい。こんなに恥ずかしいのか。まって、本当に、え、待って、やばい。顔が熱い。もうお湯が沸かせそうなくらいだよ!
ミシおじさまも何で真顔で言うんだろう。ほらウェルソンが呆れ果ててるよ。ナーミルは――正直怖い。激しくうなずいてるよ。怖い。
「あ゛あ!はやく本題はいれよ!こちとら暇じゃねーんだぞ!」
「それもそうじゃ。単刀直入に言おうかの、反逆を起こそうと思っているのじゃ。」
いきなりそれはぶっこみ過ぎじゃない?大丈夫?もうちょっと前ふりとかあってもいいじゃないの、ねぇ?
「あー、まぁ、だろうと思ったよ。最近スラムが広がってきてるからな。民に金は流さずに私服肥やしてばっかのボンボンは自分の腹事情しか見えないらしい。だから足元をすくわれるってことをおしえてやらねぇとな。」
「そうですわね。膿ははやく切除しなくては。私の民も困ってしまいますわ。」
…決断速いなぁ、この人たちは。いや、私が遅いのかな。私は、反逆だって悩んで悩んだ末に決断したのに。ここの人たちはそういった心構えがもうできているのかな。ナーミルでさえその心構えができている。異世界なんだな、ここは。しばらく暮らしていて向こうと変わらないと思い込んでいた。
「後は北のやつだけかの?」
「あいつはほっておいていいんじゃないか?どうせ気づいたら混ざってるぞ。」
「確かにそうですわね。あの人ならポッと出て、荒らすだけ荒らして帰っていきますよ。」
「北のひとがどんなのかきになる…」
北の街長ってどんな人なんだろうか。この会議の席にも姿を現さない、西の街長よりも情報が少ない。すると、ナーミルが「コホッ」と咳払いをしてから言った。
「一言で言えばろくでなしですわね。私もあまりお会いしたことがございませんが、なにかとだらしない人ですね。金や女や酒、いろんなものに節操がないですし、かといって不真面目ではないところがますますろくでもないですわ。遊ぶのにも仕事にも本気をだす、そんなろくでなしですわ。」
「がはは!確かにそうじゃの!あやつは全てに全力を出すやつじゃ。目障りじゃがどこか憎めんやつじゃの。」
「はぁ…あいつの事を考えると頭が痛くなる。」
と、様々な印象が。どれも悪口だね。もしかして、街長でまともなのはウェルソンだけなんじゃ?ミシおじさまは私に対してまともではなくなるし、ナーミルは論外。不安になってきた。
「と、伝えたいことはこれだけじゃ。」
「でもよ、俺はこのガキが信用なんねぇ。ジジイ、このガキに誑しこめられたり絆させられたりしてねぇよな?」
「…あ゛?…じゃが、おぬしの言い分も理解できんでもない。それに、わしやナーミルがどれほど言ってもおぬしは納得せんであろう?じゃから、おぬしにはノンノの行動の結果を伝えようかの。」
やはり、こんな剣も持てなさそうな少女の言動を街長が支持するのは普通に可笑しいと私でも思う。しかし、私はナーミルとのギャンブルに勝ったのだ。この結果があれば多少は信用してくれるのではないかな?
「ノンノはのぉ~…あのナーミルとのギャンブルにさしで勝ったのじゃよ。」
「そうですわよ?ノンノさんに私は負けてしまいましたの。」
「…そうか――は?」
と、ウェルソンが椅子から転げ落ちた。どこの出川○朗だい?明らかにオーバーすぎるリアクションだよ。
「…そうか…すまねぇ、さっきのは聞かなかった事にしてくれ。」
「???え?」
なんか・・・可笑しい。ギャンブルに勝っただけだよ?地球の頃だったらダメ人間だよ?
「そうですよ!!ノンノはすごいんですよ!!あの時は―――」
会議の間に喋らなかった少女が饒舌に私の事を話し出した。誇張せれすぎてるし、気づいたら私と同じくウェルソンの膝の上に座っている。こんな極悪顔のやつの膝に座るとか胆も据わっているな。
そう思っている間にも少女が尾ひれどころではなく、ジェットタービンのごとく私の事を大げさに言っている。
「あー、わかったわかった。俺も手伝わせていただきますよ。だから嬢ちゃんその辺にしてくれ。ガキ――ノンノが困った顔をしてんぞ。」
「む~、まだまだ言い足りない。」
「今日はここまでにしようぜ。そろそろ暗くなってきてる。」
「そうじゃの。夜道はノンノに危ないからの。」
「あら、もう終わってしまうの?折角ノンノさんと会えたのに…」
街長が今日はこの位にしようと話をまとめた。私と少女はミシおじさまと、ナーミルは迎えにきたABCトリオと、ウェルソンは一人で帰路についた。
だけど、ふと目につくものがあった。私は理由をつけて少女とミシおじさまを帰らせた。
――これが間違いだった――・・・
いやー・・・申し訳ない。何か月更新してないんだよ?
い・・・言い訳よろしいですか・・・?
テストで惨敗して一か月落ち込んで、クトゥルフにハマって、FGO、アズレン、コンパス、ブロスタのヘビロテを繰り返してました!
歳開ける前に更新できてよかったです。
みなさん良いお年を! by、ヒゲメガネ
よんでくださっているみなさん、本当にありがとう、そしてごめんね!よいおとしを! byキリン




