故郷(ふるさと)
いろんなやつ書いてるけど、すぐ別のネタうかんでほっぽりだす現代っ子の鏡(殴
まず、話をするならそこからだろう。
俺の人生での最大な、おおまかな出来事は三つだ。
1つ、俺の弟の死
そこから始まったのかもしれない… … …
ん?ああ、確かに死んだ。俺がこの手で確認した。この世は嘘だらけだという事も知った。
赤信号は車が飛ばしてくる。交通ルールを守ると死ぬ。親切な人はいない。有象無象のゴキブリだらけ。救急車はこない。
――――――血は、冷たい――――――
この世で一つ、死体は蘇らない事だけが、真実だった。今更サイレン鳴らしたって遅い。いちいち呼吸の確認してんじゃねえ。とっくに知ってるんだよ。なに知ったかぶってんだよ。なに正義気取ってんだよ。
2つ、母の死
別に、超弩級の母ではなかった。普通の母だ。だが、最高に立派で真面目な人だった。
俺と親父で泣き崩れたよ。親父が涙したのはあれで最初で最後だろう。
だけど、家は裕福じゃなかったんだ。俺と親父、あと少しの親戚の稼ぎでは立派な式が挙げられない。母は常日頃から、死んだら海に流してなんて言ってたが、そうにはいかない。だが、急に望んでいた式が挙げられるようになった。摩訶不思議な事だった。支援者が一人現れたはなしだった。何の関係もない支援者が。
3つ、これはまぁ、支援者の事だ。
困ってた時に急に現れて、急に葬式の準備をした。なんて暇なお嬢様だろうと思った。だが、そのお嬢様はこの世のモノではなかった。いや、この世のモノとは思えなかった。
美しいのだ。ミロの「ヴィーナス」?はっ、あんな腕のないやつの何処に欲情しろと。ムンクの「叫び」?叫びたいならカラオケいっとけ。
アニメの世界から飛び出してきたと言われても、疑う気持ちを持つことはないだろう。
んん゛ッ、すまない、取り乱した。その支援者は執事一人を連れてやってきたんだ。俺たちはその支援者の支援の代償に、魂でもとられるのかと。だがそのお嬢様、こういったんだ、
「葬式を挙げろ。いくらでも出そう。ただし、生半可なものじゃ招致せんぞ」と。
これで、俺の話すことはおしまいだ。この世は嘘ばかり。
悪魔だっている。翼だって生える。死者の魂は蘇る。それに―――異世界に転生だってする。
そんな話だ。ごく普通に、ありふれた話だろう。
どこまで続けれるか、それが問題だ。