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~龍と刀~  作者: 吹雪龍
第3章
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「妖刀、跋扈」08


*****



睨み合いが続いていた。先程から二人の衝突は少なくなり、間合いとタイミングを計っている。


「ふぅ……(そろそろ決めるか?)」


「……(トドメ、行ける!)」


一瞬の迷い。それを見逃さなかった十六夜は、陽の懐に突撃。


「はいはい!そこまで!」


木刀を突き刺そうとした時だった。

パチパチと手を叩く音と、若干怒気の含まれた声により、十六夜の攻撃は止まる。喉元ギリギリの寸止め。


「もう七時よ?早く帰って来なさい」


汗だくの顔で外を見てみれば、夜が近くまで迫っていた。

ここに来たのが三時前後、約四時間も十六夜とやり合っていたみたいだ。


「なんだ琉奈?今日もこのガキの家か?」


「ええ。今日は十六夜さんも一緒よ?」


「……俺様もか?」


口にくわえたタバコを危うく落としそうになる。


「色々あるの。色々、ね?」


「仕方ないか……勝負はまた今度だ」


「そういう事だから、陽君も早く戻るのよ?」

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