死の恐怖
私は死ぬのが怖い。
私は「死」そのものに対する恐怖症なのだろう。
だれしも生きとし生けるものすべてにおいて、「死」に恐怖を感じていると思う。
それは、おそらく正しいことなのだろう。
しかし、常にそれを意識していれば、心はたえきれなくなってしまう。
だから普段意識することなどない。
私たちは、常に死神に鎌を突き付けられているようなものだ。
大半の人は、その事実から目をそらしている。
しかし、ある時、うっかり目をそらせなくなってしまうことがある。
そうすれば、そのことから目を離せなくなってしまう。
そうなってしまえば常々それに囚われて生きているということさえ
怖くなってしまうのだ。
「死」が怖いがゆえに死にたくなるという本末転倒なことさえ思うことがある。
私は、私が死ぬことが怖いし、生きていることが怖い、
いつか死ぬなら今が無意味で空虚なものだと思ってしまう。
それに気が付かないことが一番の幸せなのだろうとわたしは思う。
常に恐怖にさらされて幸せな人間などいないのだから。
ああだれか、私をこのことに気づく前に戻してください。