おとめげーむ?知りませんが最愛の姉と弟の為に頑張ります!!
ブックマーク173件!ありがとうございますっ!!
2015/11/25 一部訂正しました。
今日はとってもいい日なのですわ!なんたって大好きな姉様の卒業パーティーで尚且つ学園の平和を乱してたあのバカを失脚させる事が出来るのですから!……事前に情報を仕入れていたとは言え、卒業パーティーの真っ最中に姉様の断罪をしようと聞いた時はまさかと思いましたわ。そこまでアホとは思いませんでしたもの。
「…ア…ルア…聞いてる?」
「は、はいっ!姉様何でしょう?」
「もうっ!ボーとしてて全く聞いて無かったでしょ!」
ぷんぷん!って言いながら頬ふくらまして怒ってる姉様も可愛いー!!……ってそうじゃなくてバカがバカ過ぎて呆れてたら姉様の話を聞きそびれてしまいましたわ!
「そろそろあの方達が来ると思うわよ?」
あー、そうでした。バカが茶番劇をしにそろそろこの卒業パーティーの会場に入場するのでしたね。
……はぁ、1年がかりの茶番劇もようやく終わるのですわね。あの日姉様が「おとめげーむ」と言い出してから忙しかったですわね…
◇◇◇1年前◇◇◇
私ことルクレシア(愛称はシアだけど姉弟だけはルアと呼ぶわね)は双子の弟のルーカス(私と姉様だけルカと呼んでるわ)と学園から(あ、学園というのは貴族が15才になったら通わないといけない学校の事よ)帰ってきてゆっくりお茶を楽しんでいると姉様が急いで私の部屋にやって来たわ……侍女を下がらしといて良かったわ。こんな所見られたら姉様怒られてしまうわね。
「ルア!ルカ!この世界は乙女ゲームよ!」
「「姉様お帰りなさい……どうしたの?」」
姉様が挨拶もそこそこにいきなり「おとめげーむ」と話始めてルカと一緒に挨拶しつつ事情を聞いてみると大変な事になったわ。
姉様が「悪役令嬢」とやらでルカが「攻略対象」なんですって!……え?私?私は何もないみたいよ。
それよりもどうしましょう!このままだと姉様が国外追放やら処刑やらお家断絶やらされてしまうみたい!………最後のは別に良いわね。お父様が不正してるのは事実だしお母様は愛人の所にいるし、今姉様とルカと一緒に不正の証拠集めしている所ですし。
「何で僕がヒロインって人の事好きにならなくちゃいけないの?」
あら?ルカってば大事なのはそこなの?
「ヒロインってあいつでしょ?入学式の時に倒れた奴。……ルアに言ってなかったけどそいつルアが偶々居ない時に必ず現れて話かけてきて嫌だったんだよ。」
あー。確かマリア・ヴェスト男爵令嬢でしたっけ?ちょうど姉様の婚約者である第二王子殿下の挨拶の時に倒れてそのまま殿下が救護室に運ばれて騒ぎになったのを覚えてますわ。……男爵家の者が公爵家の者に話かけるなんて出来るはずがないのに何をしているのでしょう?そういえば噂で最近まで平民として暮らしてたから貴族としての教養がない、とか聞いたわね。
「必ずって事は彼女も乙女ゲームの知識があるのかしら?…最近殿下も彼女と良く一緒におられると聞くし…」
はぁ!?あの人王族でしょう!?王族としての教養どうしたのですか?……まぁ、元からあの人の事は嫌いでしたから別に良いですけど。それよりーー
「姉様その、おとめげーむとやら何ですが姉様とルカの所は名前以外合ってませんよね?」
そう、姉様は高飛車で我が儘ではなくて少し天然のしっかり者でルカは姉様に虐められていないし心閉ざしてもいない…あ、一部の人以外は無表情で必要最低限しか接してなかった様な気もしますね。私の前だと素直で優しくて大好きな弟なのですけどね!
「そうなのよね~。でも、一応他の人は合ってるのよ。殿下のトラウマも知ってたみたいだし」
あぁ、姉様が頑張って治そうとして逆効果だったアレですか。えーと、嫉妬だか劣等感だかでしたよね。姉様が何でも出来ると思い込んで姉様に嫌悪感抱いてる人なんて知りません!それよりも大事なのはーー
「「それで姉様どうするの?」」
◇◇◇回想終了◇◇◇
あぁ。あの人達が来たみたいね。ルカもちゃんと後方だけど混じっているし。殿下を先頭に騎士科の方と魔術科の方が真っ直ぐ此方に来るわ…顔も見たくないのに。
「アンジェリーナ・クロスフィード公爵令嬢。貴様との婚約を今をもって破棄し、新たにここに居るマリア・ヴェスト男爵令嬢と婚約を結ぶ事を宣言する!」
…殿下バカですか?いえ、バカでしたね。ーーてか、姉様を貴様呼びするなんて地獄に堕ちれば良いのにーーとはいえ…
「殿下、私との婚約を勝手に破棄した上に王族である貴方が男爵令嬢の彼女と婚約出来るとお思いですか?」
そう。そこです。婚約破棄も普通出来る事ではないのですが王族が男爵家の者と婚約するなんて不可能も良いところです!
「マリアをバカにするのか!?」
口を挟まないで頂けますかね?私も姉様の隣に控えてるだけなのですし。えーと、手加減したルカにようやく勝てる騎士の方?でしたよね、名前覚えてないので分かりませんが。ルカに聞いても必要ないと言われてしまいましたし。
「…そういうことではなくて貴族としての常識ですよ?」
そうそう。常識大事です…まぁ、そんな事もわからない人はバカで良いと思いますけどね。
「…貴様がそれを言うのか?マリアを虐めていると聞いているぞ」
…は?誰がどうやってですか?そんな噂学園に在籍して全く聞いて居ないですよ?あぁ、マリアの私物が壊されたり等は知ってますけど、姉様がそれを出来る訳がないのですよ?………本当に姉様の事知ろうとしなかったのですね。
「どういう事でしょう?全く身に覚えがありませんが」
殿下が言うにはマリアに暴言を吐いたり私物を盗んだり制服を切り裂いたり……昨日階段から突き落とした、らしいですが……どこをどうみても怪我一つなくないですか?
「わたくしがやったと言う証拠は?それに…昨日階段から落ちたのであればどうしてここに?怪我は?普通医務室等にいくのではないのですか?」
「はっ!運良く怪我一つ無かっただけだ。それに言い逃れしようとしても無駄だ!マリアが見たと言っている!それが何よりの証拠だ!!」
「……男爵令嬢の妄言だけですか?それだけで公爵令嬢であるわたくしを断罪しようと…?」
姉様…苛立ってますね?今ゲスト呼ぶので待ってください!!姉様が本気で怒るのはダメです!
卒業パーティーには保護者も来ているので役者は揃ってますから後は『スー様』を見つけて…
「姉様、後は私達がかわりますからどうか抑えて下さい!」
「ルクレシア嬢?今大事な所なんだ、邪魔しないでくれるかな?」
殿下煩い!大事?ーー姉様を怒らせない方が大事に決まってます!
「邪魔なのは貴方です!少しはそのはた迷惑な口を閉じれないのですか!?えーと、居た!……スー様、姉様が限界なので予定が少し早いですけどお願いします!!」
「ルクレシア嬢!殿下にその言い草は何だ!それにスー様と言うのは「スー様ってのは私の事だよ」っ!?」
「あ、兄上!?何故ここに?」
あー、もう。騎士の人煩いです!スー様に言葉被せられて黙ってくれて嬉しいです。スー様が周りにいた野次馬達の中から出てきて騎士の人と殿下が面白い位狼狽えてますね…ルカはともかく魔術士の方の表情があんまり変わってない気がしますね?そういえばさっきからルカ同様全く喋ってないですし。
あ、スー様は殿下の兄であるスフェライト王太子殿下の事なのですよね。私達姉弟は『スー様』と呼ばせて貰ってますがそれを知るのは当人達以外は陛下と今スー様の隣に居るお師匠様だけですからね!
「何でって、自分達のしている事がわからないのかい?」
「何って、そこに居るアンジェリーナ嬢がマリアを虐めた事に対し謝罪を申し入れているだけです。それと婚約破棄」
だからそれがバカなのです。高位貴族が下級貴族に謝罪なんて出来るわけが無いじゃないですか!そもそも虐めて無いのに。
あ、殿下は私達で説き伏せるとして姉様にはスー様に付いてきたお師匠様の所に居て貰いましょうか。……お師匠様、姉様の怒りをなんとなーく宥めておいて下さいね!じゃ!
「あ、おい!俺一人でやれと!?」
あーあー!聞こえません!
「コホン。シアーールクレシア、サイファはあぁ言っているけど証拠とかはある?」
スー様…ルカに睨まれたからって愛称止めるのは……もう少し頑張りましょうよ、年下ですよ?
ルカもスー様になついてるはずなのに…愛称位で敵意振り撒かないの!
「姉様がやってない証拠でしたらいくらでも」
「は?そんなはずない!マリアが嘘を吐いたと言うのかっ!!」
「そうですけど?」
えー、殿下怒鳴らないで下さいよ。盲信的で怖いですね。騎士の方も愛しのマリア嬢が嘘つき呼ばわりされて顔真っ赤ですけど落ち着いた方が宜しいですよ?後ろに黒いの撒き散らしている方ーーまぁ、云わずもがなルカさんですがーーの殺気位気付きましょうよ。良く今まで暗殺者とか平気でしたね、仮にも王族なのに。
あれ?魔術師の方消えた?スー様の方見てみるとウインクされたから大丈夫何だろうけど……
「スフェライト様」
「ふえっ!?」
あ、変な声出た。恥ずかしい!ーーそこ!身悶えするんじゃありません!ルカ!!
てか、今の声は…
「うん。お疲れ様。どうかな?収穫の方は?」
「バッチシ。任せろ」
スー様とお話されているのは魔術師の方!?どうして!?
「あー。ルーカスももういいぞ……ルクレシア」
あ、はい。ルカがスー様無視するので私が呼べと。仮にも王族を無視するなんて…
「ルカ」
「なぁに?ルア」
あれ?いつの間に私ルカの腕の中に居るのですか?早すぎますよ、全く。声も甘々でマリア嬢達が驚いていらっしゃいますよ?
「暫くこのまま。ルアが目の前に居るのに抱き締められないなんて地獄みたいだった。ーーしかも…ビッチが毎日の様に話しかけてきて笑って答えなくちゃいけないなんて死にたくなったーールアがいるから死なないけど」
「もうっ!スー様無視したり殺気放ったりしてたから怒ろうかな?って思ってたのにそんな事言われたら無理じゃないっ。途中聞こえなかったけどルカが死ぬ?ルカがいなくなったら私も死んじゃうわよ?何より私がルカを死なせない!!」
「ルア!大好きっ!手放す気がないからずっと一緒に居ようね?」
「うんっ!私もルカ大好きだよ!」
「あー、その、それは此方が終わってたからにしてくれないかな?」
あれ?スー様が何か言ってる?ルカに抱き締められて周りの声が聞こえないのですが。
「チッ…えーと、虐め?全部そこのビッチの自作自演だぞ。証拠は学園の魔力使用履歴と監視カメラな。後、姉様はこの1年隣国に成績優秀者だからとかなんだとかで留学してたから……出来るわけがない。冤罪とかで姉様を侮辱するんじゃねーよ」
「ルクレシアに聞こえないようにしてるからって舌打ちしないの。だ、そうだけど何か弁解ある?」
「わっ私嘘付いてません!本当なんです!!スフェライト様なら信じてくれますよね?」
スー様がルカとマリア嬢に何か言ったと思ったらマリア嬢がスー様にすがりつこうとしていますね。あ、間に入ったのは魔術師様?
「スフェライト様に近付くな、犯罪者。あ、これさっきルーカスが言ってた履歴を纏めたものと監視カメラの映像等の証拠品です。」
「うん。ありがとう…全部本物だね。申し開きはあるかな?」
「そんなっ!」
魔術師様がスー様に何か渡してスー様が確認したら殿下と騎士の方がショック受けてマリア嬢が膝から崩れましたね。
あ、スー様に聞きたい事があるのでした。お師匠様がいるって事は多分全部終わったのかしら?
「ルカ、ルカ。アレ聞かなくちゃ。放して?」
放してくれたので家に付いて聞かないとですね。実は断罪イベントの前にお父様の不正の証拠は提出済みなのです!
「スー様、沙汰について決まりましたか?」
「ん?あぁ。こんな騒ぎを起こしたから二人は再教育は免れないね。後は家の方で何とかなるんじゃない?サイファは辺境の建て直しもかな?そこの女の子は牢屋行きだけど」
へー、そうなるのですか。どうでも良いですけど。
「いえ、そんなことでは無くて我が家の事です。」
「あぁ。えーと、今頃当主並び関わった人は捕まってると思うよ。後で説明の為に王宮に来てね?ついでに婚約破棄も認められてた。『ここまで愚か者だとは思わなかった。すまない』ってのが陛下からの伝言かな?後は……三人ともブラットリー家に養子になって…いや、なった。かな?」
殿下について陛下まで謝られるなんて…後で会ったときに又言われそうですね。えーと、ブラットリー家って公爵家でしたよね?
「あ、お前ら俺の子になるから。まぁ、俺の立場は当主の弟だから好きにして良いぞ」
お師匠様の子供ですか。お師匠様じゃなくてお父様と呼ばなくてはですかね?というかお師匠様、籍だけ置いてる状態で騎士団で結構自由にさせて貰ってると聞きましたが宜しいのでしょうか?
「じゃあ、冒険者になってくる。ルアと」
あら?冒険者ってルカの小さい頃からの夢じゃないですか。え……私も?
「私もなるの?」
「うん。ダメ?一緒が良い」
もう。そんな目でみられたら断れないじゃない!断る気は元から無いですけどね!
「ダメじゃない。私も一緒が良い!」
と、言いながらルカに抱きつきますっ!ルカ大好き!!
「あー、コホン。終わったけど帰ってからにしてくれ」
叱られました…あれ?離れない。ルカ?
「ルカ?離れよ?」
「ヤダ。」
「もう。……あ、スー様自分から行動しないとあげませんよ?何をとは言いませんが」
「え、いや。その……わかった」
スー様が覚悟を決めた様に返事をして私も一安心ですわ。ついでにルカと抱き合ってる事についての話も逸らせられましたわ。
あら?姉様は……
「ルア!ルカ!わたくしもまぜてー」
「きゃ」
「わっ」
どうやら私とルカが抱き合ってるのが羨ましくて自分もしたくなったそうです。
……好きな人とやれば良いのに。例えば小さい頃に一目惚れした憧れの王子様とか
「「姉様終わったよ。後は自分でどうにかしなくちゃ、だよ?」」
「うっ……はい。でも、もう少しこのままで。二人とも冒険者になっちゃうのでしょ?離れてしまうのなら…」
あー、寂しいのですね。姉様可愛いっ!!大好きですわ!
「アンジェリーナ、少し良いか?」
「え?は、はい!何でしょう?」
あら、スー様に姉様が連れていかれてしまわれましたわ。隠れながら付いていきましょう!ルカの方見ると頷いてくれましたから同じ事考えていたみたいですわ。
あ、そういえば殿下一行は?マリア嬢が何かブツブツ言って怖いのですが。
「…なんで…私ヒロインなのに……選択肢も完璧だったし…隠れキャラのスフェライト 様も…どうして?……」
あら?所々の単語に聞き覚えが、姉様と同じ『転生者』だったのね。
「おーい、こいつ連れてけ」
「「あ、(お)師匠…(お)父様?」」
お師匠様?お父様?ーーどちらで呼んだ方が面白いですかね?ーーが兵の方を連れて戻って来ましたわ。静かだな、と思ってたらちゃんと仕事なさってたのね。
「よう、双子。相変わらず仲良いな。師匠で良いよ。……それよりお前らずっとそのままだと結婚出来ないぞ?まぁ、貴族の政略結婚とかはさせないけどさ」
「ルアは俺の。誰にも渡さない」
「あー、血の繋がった姉弟は結婚出来ないぞ?」
「良い。側に居られれば」
うん。ルカの側に居られるならなんでも良いですね。
これからもずっと一緒ですわ!
3姉弟のその後とか思い出話などそのうち短編で掲載したいなー、って思ってますので。
感想や評価などはいい方でも悪い方でも言ってくれると嬉しいです!あ、あれですよ?悪い所があったら直すって意味ですからね!変な事じゃ無いですよ!!