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信じきれなくて
「願い事は…」
私はそこで止まってしまった。
本当に言ってみてもいいのだろうか。
まだ、少女を信じ切れていない私は、本当に願いたいことよりも先に、本当に願いがかなうのかを証明してもらう必要があった。
だから、私はもっと簡単に実現できることを願った。
「願い事は今すぐに飲み物が欲しい。」
「…」
少女は黙ってしまった。
なんで黙ってしまったのかはわからない。
やっぱり願い事が叶うなんて馬鹿みたいなことを信じた自分がいけなかったのだろうか。
そんなことを思っていると、
「はははははっ‼︎」
と大きな笑い声が発せられた。
戸惑いと驚きが隠せないでいると、その大きな笑い声を発した少女は大きな目を開いて笑いながら、
「私のこと本当に信用してないんですね。」
と言い、
「いいですよ?そんな簡単な願い事なら、すぐに叶えて見せましょう。」
そう言った。