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はじめましては拘束から
つかまえた。
不意に背に感じる体温。
背後から腹を通り男にしては華奢な白い腕に閉じ込められた。
背後をとられたのは仲間の中でも、自分と同じく武に秀
でた者しかいなかった。それを何の気配もなく後ろからー!!
ねぇ、ボクのこと覚えていないの? こんなにあな
たに恋い焦がれていたのに。
そう呟きながら背後からの拘束がいっそう強まる。
耳に寄せられる唇。
甘い砂糖菓子よりさらに甘い、一種毒のような声だと
意識が遠のく世界と精神の狭間でどこか無感動に感じたのだったー