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緋の一片  作者: 黒糸
1/1

はじめましては拘束から


つかまえた。




不意に背に感じる体温。


背後から腹を通り男にしては華奢な白い腕に閉じ込められた。


背後をとられたのは仲間の中でも、自分と同じく武に秀

でた者しかいなかった。それを何の気配もなく後ろからー!!



ねぇ、ボクのこと覚えていないの? こんなにあな

たに恋い焦がれていたのに。



そう呟きながら背後からの拘束がいっそう強まる。


耳に寄せられる唇。


甘い砂糖菓子よりさらに甘い、一種毒のような声だと

意識が遠のく世界と精神の狭間でどこか無感動に感じたのだったー




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