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女子力とは

「ホントに消え去るようにいなくなるんだもんな……」


最高神がいた場所をしばらく眺めてから、ため息をついてベッドに座った。


「神様のメアドねえ……」


見た感じ普通のアドレスだ。ていうか、変なところといえば、アドレスの一番後ろ(ドメインとかいうらしい)が見たことない形って程度だ。


……あんなのに頼る日なんて来てほしくないけどなぁ。


なんだかやる気がなくなったので、ゲームを落とす。


うーん、やめたはいいけど何をしよう……


手持ち無沙汰になって、部屋を眺める。


中学の教科書がまだ散乱している勉強机、衣装棚、漫画やゲームのカセットの置いてある棚……


「あ」


今日、好きな漫画の発売日じゃん。どうせ暇だし買いに行こう。ついでに何か読んだことない漫画でも買ってみるかな。


「あーどっこいせ。」


掛け声とをかけてベッドから立ち上がって財布と鞄を探す。


あれ、鞄が見当たらない……まあ袋もらえるし結構ポケット大きいしポケットに財布突っ込んでけばいいか。


さて出かけよう、とドアノブに手をかけた瞬間、


「待ちなさい!」


部屋のどこかから姉貴の声が……


「楓、その格好で出かけるつもり!?」


ベッドの下から出てきながら聞いてくる姉貴。


いつからいたんだよ……ていうかなんでいるんだよ……生徒会はどうしたよ……


「……あのー」


色々聞きたいことはあるけどひとまずなんでこんなところに潜んでいたのか小一時間程問い詰めたい。


「足りないわ……」


手をわなわなと震わせながら言う姉貴。人の話を全く聞いていない。


「姉貴?」


「圧倒的に……」


「あのさ……」


「女子力が圧倒的に足りないわ!」


ビシッ!と効果音が付きそうな勢いで俺を指さす姉貴。


女子力って……


「いやまず女子力の前にさ……」


「何そのジャージ!? 部屋の中はまだいいとしてそれで出かけるなんて論外よ論外! それに鞄も持たずにポケットに財布だけなんて……」


「なんでベッドの下にいたんだっていうのを……」


「女子力0どころか振り切ってるわよ! マイナスよ! お姉ちゃんが楓の女子力を鍛えなおしてあげるわ!」


「人のベッドの下で隠れてたやつに女子力の話されたくねえよ!」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「……いつからいたのさ。」


「楓が帰ってくるちょっと前くらいから……」


「てことは俺が着替えてんのもバッチリ……」


「いやもう鼻血出ないようにするのに必死だったわ。」


「……」


正座して俺の質問に答える姉貴。あの後、色々あった結果、こうなった。初めて姉貴に勝った気がする。


「生徒会じゃなかったの? お袋言ってたけど。」


確か生徒会だかなんだかって言ってた。


「朝は生徒会で遅くなるって言ったけど意外と仕事がなくて早く帰ったのよ。母さんは買い物か何かで家にいないタイミングだったから私が帰った事に気付かなかったのかもしれないけど。」


「……んで、なんであんなとこで隠れてたわけ?」


「それは勿論可愛い可愛い妹が部屋でどんなことをしてるのか調べるために……」


素でこういうこと言ってくるからホントこの人怖い。


「そんなの聞かれれば答えるのに……」


まあ何から何まで、とは言わないけどさっきなんかはゲームしてたら最高神が来たってだけなわけだし。


そんなことを言うと姉貴は


「生着替えって、素晴らしいと思わない?」


真剣な顔で言ってきた。


「……死んでくれ。」


この一言に尽きる。


どうしてこうもうちの姉は変態なのか。


「で、なんだっけ? 女子力?」


そんなのいらないんだけどなぁ……


「そう女子力よ! 女子たるもの日々是精進! そんな恰好許されないわ!」


「いや、俺女子じゃないですし。」


中身は男ですし。


「いいえあなたは女子よ! 少なくとも他人から見れば百人が百人そう言うわ!」


「まあ確かにそうだけどさぁ……」


別に知らない奴にズボラな女だなんて思われてもなんともないしなぁ……


「それに、楓。」


姉貴が指をピンと立てて言う。


「何?」


「貴方、学校では普通の女の子ってことになってるわよね?」


「そうだけど?」


当たり前だ。神様が来てこんな体に変えられた、なんて言って信じる奴なんてそうそういるもんじゃない。


「学校の知り合い、例えばクラスメイトにそんな姿見られてごらんなさい、大変なことになるわよ。」


「それは……」


ちょっと困る……自分でもクラスの女子がこんな恰好で歩いてたらちょっと引くしなぁ……


「でしょう? 因みに、貴方のクラス、この辺に結構住んでいるわよ。買い物に行って合いそうなくらい近いのは三人。あと、この辺、先生も一人住んでいるわ。」


「マジかよ……ていうかなんでそんなことを……」


割と会いそうじゃん……


「生徒会長ともなれば、生徒の住所調べることくらい、朝飯前よ。先生に関しては実際会ってるし。」


「なるほど……」


確かにこの格好で出るのはまずいかもなぁ……うぅ、メンドくさい……

どうも、遅くなりました。いや、意外と僕にしては早い方? まあ、どっちにしろ約二ヶ月空いたのは明らかに遅いですね……頑張ります。

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