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神の威厳とは

「お、良かった着れる着れる。」


少し昔に着てたジャージを引っ張り出して着てみた。若干サイズが大きいけどまあ許容範囲。家の中ならこんな恰好でもいいよね。


さてと、さっき澄也に負けたから練習しないと。


出しっぱなしになってるゲーム機の中身を確認する。よし、入ってるね。起動っと。


オープニングが流れ始めるが速攻で飛ばす。


やるのはトレーニングモード。コンボのつなぎを練習しないとね。


プレイキャラはハートを選択っと……相手キャラはデフォルトのダイヤでOK。


まずは基本コンボ。


久しぶりでも基本の動きは体が覚えてる。何回繰り返したか分からないからね。


お次は必殺技からのコンボ。「必殺技」っていう言葉を使うゲームを見るたび思うけど「必」ず「殺」す「技」なのに何故確殺できないのか。まあゲージなしの必殺技が即死持ちとかバランス崩壊どころじゃない感じもするし仕方ないっちゃ仕方無いんだけどそれならそれで別の言葉は無かったのかななんて。


次はゲージありのワイルドカード技込みでのコンボを―――


「やっほー楓ちゃん。元気かい?」


「うわっ、びっくりした! ……何しに来たんだよ。」


どこから入ったのやら、最高神が後ろにいた。相変わらずのちっこい子供の姿である。


「おお、驚く顔も可愛いねえ。眼福眼福。」


こっちの話に全く耳を貸さない最高神。全く……


「な・ん・の・よ・う・だ、って聞いてんの。」


両手で最高神のほっぺたを掴んでむにむにと横に引き延ばす。子供のほっぺたは柔らかくてよく伸びるなぁ。


「いひゃいいひゃい! わひゃっは! わひゃっははら!」


涙目で言う最高神。


……なんだかかわいそうになってきた。本当に偉いのか? こいつ……


「ああ、痛かった。全く、酷いなぁ楓ちゃんは。」


いきなり人の部屋に上がり込んでおいて何を言うんだか。


「んで、何の用さ。」


「あ、そうそうそれなんだけど。電話番号、交換しようよ!」


ポケットから出した携帯を突き出して言ってくる最高神。


「……はい?」


いきなり過ぎやしませんかね……大体、神様が携帯持ってんのかよ……道具使わずに連絡するくらいできそうだけど……


「あ、携帯電話の番号ね。家の方はもう持ってるからいいよ。あ、あとメアドもお願い。」


「いや、それは分かるけど。てかなんで家の番号知ってんの。」


「そりゃまあ……神様だし?」


両の手の平を返して首をかしげる最高神。


イラッとくるポーズだ。


「じゃあ俺の番号も分かるでしょ……」


わざわざ俺が番号渡す必要性がない。


「いやまあそうなんだけどさ、どっちかっていうと楓ちゃんが僕の番号を登録することの方に意義があるんだよねこれが。」


というわけで、なんて言いながら俺の携帯と最高神の携帯を交換する最高神。


「いやちょっと待ってじゃあ何、俺がお前に電話かける用事ができるってこと?」


俺が登録することに意義があるってことは俺からかけるような出来事が起きるってことになる。なんでだ?


「うん。いや、これから先色々大変でしょ。まだその体にも慣れてないと思うし。」


大変になるおおもとの原因はお前だけどな。


「……でも、そのために直矢達もいるわけだし。」


もう既に色々助けられたりしてるし。


「でも直矢君達がいくら優秀とはいえ、彼らの『権限』は今は『ヒト』なわけだし、いつ何時でも助けに来れるとは限らないじゃん?」


ぽちぽちと俺の携帯に色々入力しながら言う最高神。


「それはまあ、そうだけど……でも俺もいくら慣れてないとはいえ常に助けてもらわなきゃ困る、って程でもないと思うけど?」


流石に常に誰かに助けてもらう、なんて情けなさ過ぎるでしょ。


「楓ちゃん自身はそうでも、面倒ごとなんて向こうからやって来るわけで。」


「……つまりどういうこと?」


そりゃあ、場合によっちゃ自分じゃどうしようもないことは起こるけど、大抵の困りごとは自分で解決できるでしょ。


「そもそもこれは僕が見たくて始めた。見る側としては何も起きないより何かイベントがあった方が面白い。後はもう、分かるでしょ?」


「てことはまさかお前が意図的に……」


勘弁して欲しい……


「さあねー、どうだろう。でもそのための救済策じゃん? これは。」


まあいいから入れてよ、と最高神が。


「……分かったよ。」


電話番号等を最高神の携帯に入力しながら、自分がなんて面倒な状況に置かれてるのか再認識してため息をつく。


全く、気が重い。同意するんじゃなかったよ……


「はい、入力したよ。ついでだからメアドも入れといた。」


携帯を差し出しながら言う。


「えっ、はや。待ってよ僕まだ入力し終えてないんだけど。」


渡された携帯をポケットに入れつつあせあせ、といった感じで俺の携帯に入力する最高神。


お前本当に神様なのか……? なんて疑問が浮かぶ程度には威厳がない。


「え、遅くない? 結構前から入力してたよね?」


少なくとも俺の倍の時間は入力してるはず。


「いやぁ、フリックできないんだよね、僕。ガラケーの方の打ち方しかできなくて。難しくない? フリック。」


「……」


いや本当に威厳も何もない。ていうか、別にわざわざ入力しなくても登録位できるんじゃないのかよ……


「はい、終わり。いやー、疲れた。また夜連絡するよ。それじゃあね、バイバーイ。」


終わった途端携帯を渡していなくなる最高神。


……本当に勝手な奴だ。話してるだけで疲れた。

ごめんなさい例の如く遅くなりました。なんて打ちながらこれの前の更新日時を確認したら意外とマシなほうかな?みたいに思ったり。


沢山感想もらって、ちょっと焦りました。やっぱ人間期待されると裏切れませんよ。


とはいえ丁度一ヶ月。全然亀さん更新です、はい。このまま最低一ヶ月ペースであわよくばちょっとずつスパンを短くしていきたいななんて思ったり。


まあ結局いつもの更新早くします詐欺で終わる気もするんですけどね……


まあ、なるべく早く、頑張ります!

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