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何でこんな格好を……

「僕に任せたまえよ!」


「いや、何か任せられねえわ。」


確かにそうだなー


「……まあいいけどさ。えーと、楓……ちゃんでいいかな?」


澄也が聞いてくる。


「よくない! ちゃんなんてつけるな! てかなんで名前知ってるんだよ!?」


「何でもできるんだよ、だから誰かの名前を調べることくらい簡単なんだ。」


「何か怖いな……」


「大丈夫、悪用はしないから。」


「いや、俺を女にした時点で俺の中で悪用したことになってるんだけど!」


「それにしても、よくそんな服着たねー、すごく似合ってるよ! とりあえず写真撮るね!」


「似合ってるとか言うな! 姉貴と幸に無理やり着せられたんだよ! 写真撮るな!」


「うん、怒ってる姿も可愛い。」


にっこりと微笑む澄也。表情は優しげだけどもうやだこいつ。


「話を聞けい! 直矢ぁー! こいつ何とかしてー!」


「了解、でもその前にこの子を何とかしてくれねえか?」


幸は絶賛質問攻め中だからな……

ああなると止めるのは難しいんだよな…… まず、質問対象が止めるのは無理だ。


「幸ー、とりあえず落ち着け、そしてそこの綺麗なおねーさんに質問しなさい。」


エディを指差す。


「僕ですか!?」


「質問させたら駄目?」


「いや、駄目じゃないですけど、ちゃんと答えられるか……」


「そうそう、こいつかなりドジでアホなんだよ。」


「確かにそうですけどそんな風に言わなくても……」


「え? おい! ヘコむなよ! お前だっていいとこは沢山あるんだから!」


「ねえねえ! 天国ってあるの!?」


「やっぱり可愛いなあ……」


うーむ……カオス。


「よし! とりあえず幸! 一回質問やめ! 後で聞いていいから! そして直矢はとりあえず澄也を何とかして! エディ?ちゃんは廊下を鎮めてきて!」


こき使うって言ったもんねー。止めてもらうもんねー。


「はーい!」


今度はなぜか俺にぺたーっと張り付いてくる幸、鬱陶しい……

え? うらやましい? そんな事言ってる奴は病院へGO!


「よし、澄也、何かしたのか?」


直矢が聞く。


「え? 僕は何も? ただ褒めただけさ。いやー、可愛い!」


言いながら写真を撮る澄也。


「お前さっきからそれしか言ってねえじゃん! それと写真撮るなよ! どっから出したその一眼レフ!」


「何やっても可愛いね!」


「直矢、こんな感じなんでよろしく!」


「分かった、お前鬱陶しいわ!」


「エブゥ?!」


直矢の回し蹴り炸裂、次は、壊れた扉の隙間から向こうの戦いを見ているエディだ。


「僕にはこれを収めるのは無理ですよぉ……」


「大丈夫! 姿を見せるだけで収まるから!」


あいつらはこんな可愛い子を見れば一瞬で止まる!


「……本当ですか?」


「もちろん!」


「なら行って来ますね! おーい! 戦いやめてくださーい!」


壊れた扉から顔だけ出してエディが言う。


「「!?」」


「増えてる……?」


「今度は金髪……?」


どっちがどっちだか分からないと思うけど、この場合分からなくていいでしょ。二人とも同じような変態思考回路なわけだし。


「止まったでしょ?」


「そうですねー、あんなにピタッと止まるとは思いませんでしたよー。」


「俺もそう思う。」


あそこまでピタッと止まるとは……


「楓? 入っていい?」


「中に楓もいるのか?!」


「さっき下着だった子が楓よ!」


「マジか?!」


「マジよ!」


うーん……正直あの二人が入って来たら色々面倒臭そうだな……

まあいいや、こっちには直矢がいるし。

てか幸はいつまでくっついてるんだ……?


「入っていいよー、着替えたから。」


「おお! 着替えたのね!」


「着替えたって何に?」


言いながら壊れているドアをさらに破壊しながら入ってくる姉貴と兄貴


「あれ? 着替えたんじゃないの?」


そこか? まず人数が増えてるところに突っ込めよ!


「……本当に楓?」


兄貴は後で!


「その後すぐ脱いだからね。着たことは着たから!」


「あれ? 俺無視されてる?」


「……もう一回着てくれない?」


「嫌だよ!」


「幸は見たの?」


「うん! すごく可愛かったよ!」


「なんでそんなにすぐ脱いじゃったの?」


「だってあんなのずっと着てるの嫌だし。」


「じゃあもう一回……」


「却下!」


「……ずるいなー……よし! 男子はここから出て行く! 今から楓を着せ替えるので男子は出て!」


「てか増えてるのはスルーなの?!」


「あれでしょ? 天使でしょ?」


「そうだけど……」


なんでこんなにナチュラルに天使が溶け込めるんだろう……? 俺が間違ってるの? 天使が来ても驚かないのが普通なの?


「で、あのかわいい金髪の子も天使でしょ?」


「そうだけど、そんな簡単に納得するの?」


「うん、こんなに楓をかわいくしてくれたなら、天使だろうが、マッドサイエンティストだろうが、黒魔術師だろうが歓迎するわ!」


いや、マッドサイエンティストや黒魔術師は歓迎しちゃ駄目でしょ。


「とにかく男は出る! そこに隠れてるひょろ眼鏡! 分かってるからね! さあ、さっさと出る!」


「すいませんねー、うちの天使が……」


直矢が澄也をゲシゲシ蹴って扉に向かわせながらにこやかに言う。


「いてっ、いてえって! 覗きと言うのは男子は皆考えることだろ、いてっ! 蹴るなって!」


澄也たちが出て行って、部屋には俺、姉貴、幸、エディが残った。(兄貴はすぐに退散した。)


「さて、着ましょうね?」


「なんでさ?! 約束は守ったよ?!」


「何か誤解があるみたいだけど、着替えて私に見せるって言うのが条件よ!」


勝ち誇ったように言う姉貴


「じゃあ一瞬だけ……」


反論しても勝てそうに無いし……


「今日一日あれにしましょう!」


「絶対嫌だ! なんでそうなる?!」


「だって、そのほうがかわいいじゃない。」


「それなら絶対俺は着ない!」


「じゃあ、とりあえず着て、皆に見せるって言うのは?」


「嫌だ!」


「一日中とどっちがいい?」


「それは……見せる方だけど、どっちも嫌だから!」


「じゃあとりあえず着替えて見せて?」


「……いいけど、変なことすんなよな……」


「しないしない!」


「変なことしたらもう姉貴の言うこと聞かないかんな。」


「……いいわよ、だから早く!」


「じゃあ向こう向いてて、見られながら着替えると落ち着かねえから。」


「うーん……着替えてるところをビデオに録っちゃ……」


「やめて!?」


変態め!


「なんでよー? いいじゃない、別に。減るものじゃないし。」


「見られるのが嫌なのに録画されるなんて嫌に決まってんだろうが! 精神が磨り減るんだよ!」


「……まあいいけど、これから毎日見られるし。」


「見せねえよ!?」


「だって毎日ここに着替えに来るんでしょ?」


「向こう向いてもらうから!」


「もう……でも怒る楓も可愛いわ~」


「さっさと向こう向けよ!」


「はーい。」


「幸は見ていい?」


幸が言ってくるけど……


「嫌だよ! 逆になんでいいと思った!?」


「何でー? さっき覗かれても平気だったじゃん。」


「それとこれとは別だろ!? 男に見られるのは平気だけど、女に見られるとなんか嫌なんだよ! 特にジッと見られると!」


「さっき幸見てたよー」


「そうだった……けど人数が違う! いいから向こう向いて!」


「あのー、楓……さん?」


「あ、楓でいいよ。なんて呼べばいい?」


「エディで大丈夫です。それで、あのー、扉が壊れてる隙間から澄也さんが……」


ジーっと見てるなー、これは覗きというやつか? 全く、直矢は何をしてるんだか……


「直矢ぁー! 澄也が覗きしてるー!」


「ん? あ、了解ー!」


ゴス!


「あでっ! 何をするぶべっ!」


蹴られてますなー。


「じゃあ着替えるから向こう向いてて!」


「しょうがないわね……」


「分かったよー!」


「分かりましたー!」


よし、それでは着替えますか。

……やっぱり気は進まないけどね! くどいけど、これを言わないと俺が女装を認めたみたいになるから!


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「で? 着替えたけど?」


「あ! これこれ!」


ネコミミを押し付けてくる姉貴、これも付けるんだったか……


「はいはい、付けますよ。」


もうそんなに気にしないことにしたよ、気にしてたらこっちが疲れる……


「これでいい?」


「いいわ! 可愛いわよ!」と姉貴


「うん! 可愛い!」と幸


「可愛いですー!」とエディ


うーん……すごく褒められてるのは分かるけど、全く嬉しくない! 当たり前だね!

ここまでべた褒めされて嬉しくないって不思議だ……


「じゃあ着替える。」


「「「なんでよ?!

      ですか?!」」」


「こんな格好したくない。」


「可愛いからいいの!」


「そうそう」


「そうですよー! 見せたら皆喜ぶと思いますよー!」


「嫌だよ! 見せるとか嫌過ぎる!」


「なんでー?」


「何されるか分からん!」


切実です! 特に兄貴&澄也が!


「確かに……」


「そうだねー」


「ですね……」


「ということで着替える!」


「それとこれとは違うわよ!」


「そうそう!」


「そうです!」


このままじゃ埒があかない……よし!


「一気に見せるんじゃなくて、一人ずつ見せよう!」


これが安牌あんぱい


「そうね、それがいいわ! 誰から入れる?」


そうだな……やはり安全な直矢からにしようか。


「直矢にする。」


「分かったわ、そういえば直矢君って誰?」


「がたいのいい奴」


「ああ、あのイケメン君ね。直矢君だけ入ってー!」


扉の向こうから「な!? 直矢だけ!?」とか、「俺の妹に手を出したらただじゃ済まんぞ?」とか聞こえるけど気にしない! 兄貴に妹は一人しかいないはずだけど気にしない!


「……どうも、何の用ですか?」


直矢が頭をポリポリ掻きながら入ってきた。(もちろん扉を壊しながら。最早壊さないとは入れない。)


「あ、そうだ、この扉直しましょうか?」


おお、今はテンションが普通なだけで神に見える! あ、神か。


「あ、お願い。」


ピカーっと光が出たと思ったらドアが完璧に直っていた。


「すごいのねー、それが天使の力?」


「あ、俺神です。」


敬語で自分のこと神って言うって、なんかシュール。


「そうなの! 道理でうちの天使とか言ってたのね?」


「そうですね、本当にあいつには困りますよ。で? 何の用です?」


「楓を可愛くしたからお披露目するのよ!」


「へー……お前楓って言うのか……」


そこか!?


「感想は?」


「俺はさっきの……ワンピース?の方が好きですね。」


おお! よくぞ言ってくれた! そのまま俺が着替える方向まで持って行ってくれ!


「そう? まあいいわ、次は誰にする?」


「うーん……澄也にする。」


「あのひょろ眼鏡?」


「そうそう」


「ふーん……まあいいけど、呼ぼうか、澄也くん?」


今度は「俺が最後か……」とか聞こえるけどこれも気にしない!


「はいはーい! 何でしょーか?」

次は30日です!


挿絵とか描いてくれる絵師さん募集です! 

連絡方法は感想でもメッセージでも何でもOKです!

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