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シスコンは鼻血が出るものなのだろうか

「てかさー、前も思ったんだけど、3人だと……狭くね?」


湯船に浸かって言う。鏡と二人の方は極力見ない。これ大事。


「まあ、それは仕方ないわよ。」


「姉貴、ジロジロ見んな。出てくぞ。」


「悪かったわ楓。嫌わないで。」


「……嫌われたくなければ見るのをやめろ。」


「……分かったわ。」


「それにしてもさー、お姉ちゃんのお肌すべすべすぎだよー。ズルいー。」


幸が後ろから抱きついてくる。


「ちょっ!? やめろよ幸!」


「えー、なんでー?」


「そりゃ、そのー……」


察してくれよ……


「美少女姉妹のイチャイチャすごく美味しいわ。」


姉貴が鼻血を流しながら言う。大丈夫かこいつ。


「姉貴、一回死んでくれ。」


「楓と一緒なら。」


「断る。てか鼻血拭け。」


ボタボタ垂れてるぞ。


「そうね……ちょっとティッシュとって止めて来るわ。今抜けるのは惜しいけど、まぁカメラ回してあるし……」


風呂場を出て行く姉貴。


……何か怖い言葉が聞こえた気がするけどきっと気のせいだ。きっと。


「……さっさと体洗って出ようか。」


「え、いいけど……なんで?」


「……まあ、気にすんな。」


「うーん……まあいいや! あのさ……今日も、一緒に寝ていい?」


「今日も? まあ、別にいいけどよ……」


別に嫌じゃないしな。幸の寝顔可愛いし。


「やった! お姉ちゃん大好き~。」


……あっ、ヤバい鼻血が。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「ふぅ、疲れた。」


ベッドで一息つく。


あの後、風呂から出てすぐに鼻血を止めた。幸が心配してくれたけど、そのおかげで更に鼻血の勢いが強まって困った。止めた後に体を洗うためにもう一回風呂に入った。スッキリした。


「大丈夫ー?」


幸が顔を覗き込んでくる。


「もう大丈夫。ありがとな。」


「それにしても、何でいきなり鼻血出たんだろうね? 光花お姉ちゃんもお姉ちゃんも。」


「えー、まあ、それは……」


妹が可愛すぎて、とか言えない。絶対。


「まあいいやー。」


「そういえば、幸、宿題は終わったのか? 今更だけど。」


始業式の前日の夜に聞いても仕方ないな。


「とっくに終わってるよー。勇牙お兄ちゃんじゃないんだからさー。」


ちなみに兄貴は姉貴に見張られながら全力で宿題に取り組んでいる。


「おお、偉いな。」


頭を撫でてやる。ああ、ホント癒しだわ……


「えへへー。」


ちょっとだらけた感じの笑顔を向けてくる幸。


あ、もうこれ俺死んでもいいわ。悔いないくらいだわ。


「あ、そうだ、からかいがてら兄貴の様子見に行く?」


「そうするー!」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「兄貴ー、頑張ってるー?」


「ん? おお楓! ヤベえよこれ、滅茶苦茶ムズいんだけど! 意味分かんねえ!」


そういってプリントを見せてくる兄貴。


……え、これ、中一レベルじゃね? 幸でも余裕で解けるレベルだぞ?


あ、よく見ると新条専用プリントって端に書いてある。


「これって……高校生の勉強じゃないよな……?」


「うん……幸でも解けるよ?」


「そうね……勇牙の学力は本当に壊滅的だから……」


姉貴も頭が痛い、とでも言わんばかりに頭を押さえる。これは大変だ……兄貴、前からアホだとは思ってたが、ここまでとは……


「勇牙、いい? ここは(エックス)はひとまず放っておいて……」


「待て姉貴! この問題には重大な欠陥があるぞ!」


「……おそらく欠陥なんて無いと思うけど……どこ?」


「姉貴、xは数字じゃねぇ! 式に入ってるのはおかしい!」


駄目だこりゃ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「いやー、兄貴がここまでアホだとは思わなかったな……」


部屋に戻って幸と話す。


「そうだねー……あれで、大丈夫なのかな……?」


「まあ兄貴スポーツ推薦だし、そこまで勉強は重要じゃないんだとは思うけど……」


「あれは重傷だよねー……お兄ちゃんのやってる問題私でも解けるのばっかりだし。授業中何してるんだろうね?」


「きっと兄貴のことだから一番前の席で堂々と爆睡してるんだろ。」


もしくはグラウンドでやってる体育でもぼーっと眺めてるか。どちらにせよ簡単に想像がつく。


「……うん、そんな感じする。すぐに想像できたもん。」


「だろ?」


「うん。本当にチョーク投げられてそう。」


「だな。」


なおも寝続けてそうだけど。


「うーぬぬ……全く分からんぞ。姉ちゃん、これをやると俺にはどんな得があるんだ? 俺は今すぐ寝たい!」


兄貴が姉貴に聞く。


「いいことはないけどやらないと悪いことが盛りだくさん、って感じかしらね。私も付き合うからさっさと終わらせなさい。新学期早々補習は嫌でしょ?」


「うー、そうだな……補修で部活休むわけにはいかないしな……」


渋々といった感じで作業を再開する兄貴。


「俺らはもう寝ようか? 二人ともおやすみー。」


「おやすみー。お兄ちゃん、勉強頑張ってねー。」


「おう任しとけ! おやすみ! ……うーん分からん。」


「ふたりともおやすみ。……幸にも言われたし、頑張ってね?」


「おう……」



幸と一緒に二人に挨拶をして部屋を後にした。

次回、やっと入学!


長い道のりでした……←


次の更新は29日です。

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