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余ったら兄貴、コレジョーシキ。

家で勉強したくない……

「んん……」


体を揺さぶられて起きる。あれ、背中に変な感じが……


「幸!? え、なんで!? え!? え!?」


幸が俺に抱きついて寝てた。びっくりした……そういえば、幸がいたけど、眠くてそのまま寝たんだっけか。


「慌てる楓もいいわねぇ……」


ニコニコと言う姉貴。手にはカメラが。


「……そのカメラは?」


「え、これ? 学校の備品。ちょっと生徒会の仕事でね。」


そういや姉貴は生徒会なんだっけか。


「へぇ……中、ちょっと見せて?」


今生徒会のカメラを持ってるのはおかしい。なんか撮ったんじゃねえか……?


「えー、駄目よー。入学式の時に新入生に学校のこと色々教えるための写真だし。」


「じゃあ、何で今持ってるの?」


「それは勇牙と制服を撮ってたからよ。学校で撮ったのは写りが悪くて。ね、勇牙。」


「え? お、おう……」


兄貴がいかにも驚いた顔をしてから、目を逸らしながら言う


兄貴……嘘ついてるのがバレバレだぞ……姉貴の話はいかにもホントっぽかったけど、兄貴のせいで台無しだぞ……ま、追求するのも面倒臭いし、もういっか。


「はぁ……で、飯?」


「そうそう。幸起こして下来て。私達は色々下で用事があるから。」


言ってから兄貴と一緒に部屋を出て行く姉貴。


「ん。幸ー、起きろー。」


「うん……? あ、お姉ちゃん、おはよ。どしたの?」


目をこしこし擦りながら幸が起きる。


……可愛ええ。いや、別にあれだよ? シスコンとかじゃねえよ? でもさ、やっぱなんかさ、なんつーの? 保護欲的な。そんなのがそそられるわけよ。


「飯だって。」


「あ、そなんだ。そういえば風邪、大丈夫?」


「まー、なんとかなる。これからなんか神来るらしいし。」


「え、すごくない?」


「そりゃすごいでしょ。でもまー、会ってきたけど、基本的にふざけてた。まあ、それはいいから下行こ?」


「いいよー。行こ。」


二人で部屋を出る。


「今日の飯何?」


「えっとねー……なんだっけな? 手伝ったんだけど……」


「覚えてないのかよ……」


「あ、そだ、あれだよ、ハンバーグ。」


「お、いいじゃん。」


ハンバーグは好きだ。あ、でもあんま食えねえかな……ま、余ったら兄貴。これはうちの常識。


「うん! 幸も焼くの手伝ったんだ!」


「上手く焼けた?」


「うん!」


ニコニコとして頷く幸。何かいいことあったのかな。


「そりゃよかった。」


そんな事を話していたらリビングに着いた。


「おはよー。」


言いながらリビングに入る。


「おう、おはよう。」


「おはよー!」


「よく眠れましたー?」


机に座って何か話していた直矢と澄也とエディが返事をする。


「よく寝たー。どしたの?」


「えっとですね、最高神様、どこから来るかなー、みたいな。」


「とりあえずあいつはドアから来たためしがない。最初は窓だった。」


「その次は画面から出て来たんだよ。」


「マジか……」


何かこだわりでもあるのかよ……


「あ、でもここであえてドアから来るんじゃないですか?」


「そうかぁ? うーん、それは無きにしもあらず、ってとこだと思うぞ……」


「どうだろうね。あのヒトの動きは誰にも予想できないから。もしかしたらこの前みたいに気体になって入ってくるかも。」


「あー、あれ、結構味占めてたみたいですもんねー。」


「でも、あいつの性格的に同じのを二回、ってのはない気がするな」


「んー、そうですねー……」


とりあえずあいつはまともな登場はしないみたいだ。


と、考えていたところにピンポーン、とインターフォンの音が。


「あ、俺行くね。」


「ちょっと待て、このタイミングは確実にあいつだ。何が起きるか分からん、俺も行く。」


「じゃ、俺らは窓にでも張りこんどくよ。あれは陽動の可能性もあるし。」


「だな。……頼むぜ。」


「ああ、任せろ。」


なんだこの無駄な緊張感。


「……よし、行くぞ。」


真剣な声音で直矢が言う。


「う、うん……」


こっちまで無駄に緊張してきた……


直矢が玄関を開けると……


「宅配でーす。ハンコ、お願いしまーす。」


なんだ……普通に宅配か……


「なんか、拍子抜けだね。じゃ、ちょっとハンコとってくる。」


「いや、待て。俺はこんな宅配便の制服は見た事がない。」


「え?」


……確かに、こんなのはみた事がない。緑の服を着ているから宅配便だと思ったけど、よく見ると肩に白い線が入ってるし、帽子についてるマークも見たことがない。


「あらら、バレちゃったかぁ……」


「お前も玄関から来ることあるんだな。相変わらず普通には入れないみたいだが。」


「まーね。一応お詫びに来たわけだしさ。ほい、お見舞い品。これ飲んだら風邪治るから。」


そう言って取り出したのはラベルに「寝苦樽ネクタル」と書かれた日本酒の瓶。


「……これ?」


「大丈夫大丈夫、効能は僕が保障しよう! なんと、今のニホンの技術じゃ治せないような骨折だろうが、腫瘍だろうが、果てには細胞の一片さえ残っていればそれにかけて復活しちゃうようなレベル!」


「なんか効きすぎて怖いんだけど。」


「まー、僕発祥の飲み物だから。そりゃすごいさ。あ、ご飯ハンバーグ? いいね、ちょっと頂戴よ。」


神が飯を乞うな……

最高神のよく分からない入り方シリーズ


・天井を破って入る

・知り合いの振りをして入る

・透明になって入り、脅かしてから姿を現す

・ポケットから出てくる。

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