化け物のバスケ……滅茶苦茶だ……
すいません! なんかミスッて他の小説の更新のつもりが間違えて神パシリに投稿してました! 本当にスイマセン!
「え、俺、彼女とかいないですけど……」
何でもないように言う直矢。そりゃ、作ろうと思えばすぐ作れるくらいモテていたらしいし、今まで神やってたからいないのも当たり前、って感じなんだろうから、なんでもないだろう、だけど……
「えー! 何で!? 女の子二人を両腕にぶらげて登場して、イケメンでリア充な匂いをプンプンさせてたのに何で彼女いないの!?」
「え、何でっつわれてもな……作ってないから、かな?」
「えー、何で?」
「えーと……えー…………こっちに引っ越して来たばかりなんで。」
おお、ナイス言い訳!
「あ、そなんだ。ふーん……」
今度は目を細めて直矢を見定め始める。忙しい人だ……
「まあいいや、行こうぜ。」
「そうしよか。」
「だな。」
「あ、そうだ、ボール。……どうします?」
「大丈夫、俺が持ってきた。」
熊さんが片手で持ったバスケボールを見せてくれる。……普通に片手で持ってるんですけどこの人。結構な面積覆ってるから目立たなくて今まで気付かなかったし。
「じゃ、行くか。」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ、使われてる。」
ゴールが使われていた。……って、
「剛じゃん!」
剛がいた。
「知り合いか?」
直矢が聞いてくる。
「小学校から一緒で、なんか知らないけど高校も一緒になった奴。」
「なるほど。」
「知り合いだし、一緒に使えないか聞いてみよ。」
「いや、ちょっと待て、あいつ、女のお前は知らねえだろ。」
「あ、そうだった。どうしよ……」
「え、あいつ、楓の友達じゃん。言って一緒にやろうぜ。」
「えと……ちょっと来て。」
兄貴を少しはなれたところまで連れてってから、
「あのさ、あいつ、女の俺、知らないんだよ?」
「あ、そっか。でも、普通に女の子として頼めば使わせてくれるだろ。楓可愛いし。」
殴ったけどやはり効かなかった。
「でも……あいつ、基本的に女子なら反応してたしな……いけるか。」
事情説明すんのもメンドくさい。
「いけるいける! 楓可愛いし!」
また殴ったけど、やはり効かなかった。なんなんだよ……
「まあいいや、頼んでくるー。」
コートの近くでプレイが途切れるのを待つ。
「あのー、ちょっといいですか?」
「え、何……ってうお! はいはい、なんですか?」
うわーすげえ。一瞬で汗ぬぐった。
「あの、一緒に使わせてもらえます? 人数いるし、一緒にゲームでもしましょうよ。」
後ろにいる直矢たちを指して言う。
「いいですよ! 全然いいですよ! 全く持って問題ないですよ!?」
いや、お前、一緒にやってた奴と話せよ。勝手に即答してんじゃねえよ。
「え、剛どした……って、美人! どうしたこの子!?」
一緒にやってた奴が気付いて来る。
「え、なんか一緒にゲームやりたいんだってよ。いいだろ?」
「いいだろ、なあ?」
どうやら了承は取れたようだ。
「いいらしいですよー!」
向こうは5人いるし、こっちも俺とエディを抜いたら5人だ。ちょうどいい。
「おし、やるかー!」
「あんま本気出してやんなよー。」
「ほな、いっちょやりますか。」
「頑張るぞー!」
「うっし、球技は苦手だけど、やってみるか!」
上から、兄貴、熊さん、成之助さん、風柚さん、直矢。
よく考えると、滅茶苦茶だよな、このチーム。2メートル越えの大男に、(見た目が)女子小学生、とか、背がおかしい。
「こっちはこの人たちで、そっちはそっちで、5対5でいいですよね?」
「いい……けど、そっち、そのメンバーでいいの? 小学生混ざってるけど。」
「小学生じゃない! 私は女子高校生です!」
結構離れてたのにちゃんと聞こえていたらしく、風柚さんが怒る。
「え……」
「らしいんですよ。あ、別に手加減とかいらないですから。」
「ま、まあいいや、でも俺達、結構強いけど? 向こうは背が高いのはいるけど、こっちはバスケ部だし。あいつなんかは中学時代バスケ部でエースやってたんだよ? しかも都大会ベスト4の。」
知ってる。あいつの隣で俺はプレイしてたし。確かに剛は強いけど、こっちもすごいのがいるし大丈夫でしょ。
「大丈夫です、化け物がいるので。」
「そう? まあいいや、とりあえず、始めよう!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「強!」
「あいよ、っと。」
忘れてた……『同じ部活』ってことは、全員化け物なんだった……
「……反則級だね。」
「ですね……」
エディと話す。やっぱり、そう思うよな……
「なんだよあの滅茶苦茶なプレイ……」
「普通、あんなのできねえだろ……」
そんな声が聞こえる。まあ、化け物ですから……
「とうっ! 成之助!」
「ほい、なっと。」
風柚さんがパスカットをして、(手足が短い癖に、気配を殺して後ろから足の間をくぐってパスを捕る、っていう滅茶苦茶なプレイ)成之助さんにパス。そこから、絶妙な力加減で成之助さんがスリーポイント。
正直、中学だったら全国レベルで勝てるの?って感じ。ドリブルとか、パス精度とかは荒削りだけど、とにかく身体能力がすごい。ドリブルは、普通追いつけない距離とスピードだけの下手なパスでなんとかして、パス精度も、とんでもない瞬発力で補う。
「クソッ、速すぎる!」
「パスより速いってどういうことだよ……」
「あのスリーの奴、プロかよ……」
「あいつ、デカすぎる……」
「ロリも、いいなぁ……」
皆大変そうだ。
この化け物たちの中でも、直矢と兄貴は別格だった。
「直矢!」
「おう、らっ!」
二人で超高速でパスをまわして、(お前らはドッジボールでもやってるのか、と突っ込みたくなるレベル)最終的にアリウープ(空中でパスをキャッチして、そのまま着地せずにダンク)で決める。
「よし、勇牙行けっ!」
「よ、っとぉ!」
直矢はドリブルも結構巧い。直矢がドリブルして、兄貴にパス、でシュート、っていうのもよくあるパターン。
「マジでなんなんだよ……」
「化け物って言葉は嘘じゃなかったのか……」
「アリウープとか、普通できねえよな……」
「ダンク自体初めて見たぜ……」
「ロリ……」
こんな感じで、兄貴チームの圧勝だった。




