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直矢サイド~悪党成敗。

更新、大分空けてしまってすいません。応募作の執筆で中々書けなかったもので……まだまだ不定期になります、すいません。


目標としては、夏休みの終わり、9月までには出したいです。

「ったく、最高神の野郎……」


まだ顔が熱い……あいつ、人の体乗っ取ってあんなこと言いやがって……くっそ、後で絶対ぶっ飛ばす……


え? 何が起こったかって? ……お前らも見てたろ? 俺の腕が痙攣したのを。最高神が俺の体を勝手に操ろうとしやがったんで、抵抗としようと思ったら、あっけなくやられてな、こっちは全力で体を動かそうとしてあれだけだ。さすがに神にゃ抗えねえか。


まあ、そんなこったで、最高神が俺の体の主導権を乗っ取ってあんなことを言いやがったんだ。か、可愛いとか何とか……本当にあの野郎、天界から地面に叩き落してやろうか……


「まあ、とりあえず飲み物買うか……」


一応言い訳として飲み物買って来るって言ったしな、さて、どれがいいか……お、『天界特製 天国の果実ジュース』だと。……まあこれでいいか。名前はなんだか大仰だけど、見た目普通のマンゴージュースだし。


「それ、三人分くれます?」


「3人分ですね、300ドグです。」


ちなみにドグってのは天界の金の単位だ。


「ありがとうございましたー!」


「……さて、戻るかな……と、おいお前、なにやってんだよ。」


路上で怒鳴ってる馬鹿がいたんで、声をかける。治安のいいこの世界にしちゃ珍しいな……


「あぁ!? お前みたいな平民には関係ない!」


あぁ、こいつはそういう(・・・・)身分なのか。なら尚更放っておけねえな。ほかに迷惑がかかる。


「……ここは公衆の市だぞ? 店の人間や通っている人間に迷惑だ、帰れ。」


「ふん、それがなんだ、平民は私達神にしたがっていればいいのだ。」


どうやらムシャクシャして、店の人間に絡んでいたようだが、その怒りの矛先が俺に向かってきたようだ。


「……カミサマだからって思い上がってんじゃねえぞ。ここは公衆の市だつってんだろ、帰れ。」


「……ッ! 君はそんなに僕を怒らせたいのか! そうか、ならば受けて立とう、僕の部下に返り討ちにされるがいい!」


「だから、そこで部下に喧嘩させるところがおかしいんだろうが。……まあいい、じゃあ、その部下に勝ったらお前は下界したで普通の人間として生きていけ。いいな?」


「……どうせ平民なんぞが僕の自慢の部下に勝てるわけが無いだろう、いいぞ。だが、お前が負けたら、お前は死ね、いいな?」


「じゃあ、契約成立だな、これにサインしろ。どうせ、平民との口約束なんて、簡単にうやむやにできる、と思ったんだろうが、生憎俺は平民じゃあない。カミサマと平民の中間、ってとこだな。まあ、おかげで、最高神の契約書を持ってるんだ、これにサインすると、条件が満たされた場合、その瞬間、無条件で契約が実行される、ってのはお前みたいなのでも分かってるよな? それとも何か? サインはできないか?」


「……何故そんなものを……上級の神しか手に入らないはずなのに……」


「で、どうするんだ? サインするのかしないのか。ちなみに拒否するってんなら、俺はここでお前を殴る。事情を話せば警備兵だって納得するだろうしな。ただ、それだと時間がかかる。俺にも連れがいるんだ、あまり待たせるわけにゃいかねえ。だからさっさとサインしやがれくず野郎。」


言いすぎ? こんなこと言うやつは、自分が贅沢しているのは当たり前、と言う考えだ。平民の奴らが一生懸命働いたものを搾り取って贅沢してる癖して、何のありがたみも感じないどころか、蔑むなんざ、屑のやることだ。


「いいだろう、サインしようじゃないか。」


「じゃ、俺もサインしようか。」


サラサラと書いて渡す。


渡された紙にサインをする豚野郎。さて、こうなったらこっちのもんだ。俺はたいていの奴にゃ負けねえ。神と言っても、人を強制的に働かせる権利はない。俺に勝つような骨のある奴がこんなのに仕えてるとは思えないし、負けたらのなら仕方ない。そうなったら潔く死ぬだけ。


「よし、サインしたな? じゃあ、ご自慢の部下とやらを出してもらおうか?」


「いいだろう。マルト、出て来い。」


「なんでしょう?」


小さい女が出てきた。……小人族かなんかだろうか。


「言っとくが、俺は女だからってそっちから同意の上で戦うのなら手加減しないぞ?」


「別にお前なんぞに手加減してもらう必要はない。マルト、あやつをボロボロにしてやれ。」


「ちょっと待った、勝ちの条件は相手の意識を奪う、でいいか?」


「いいだろう。マルト、やってしまえ。」


「分かりました。」


言いながらこっちに踏み込んでくる。中々の踏み込みだが……


「遅い。っと、はい、俺の勝ち。お前は下界したで生きろ。」


首筋に手刀を叩き込んで、意識を奪う。多少できるようだが、まだまだ甘い。


「……お前、何者だ……?」


「ただの通りすがりの人間だよ。」



「はぁー、何であんな気障なことしちまったんだろう……」


どっかの建物の裏に連れてって壁を殴っといたほうがよっぽど楽に終わった。あんな目立つことしたおかげで、かなりじろじろ見られて、店の親父さんには礼を言われて困った。そりゃ、感謝してくれるのはいいんだけど、ちょっと面倒だったな……


「まあいいや、戻ろう。」


……ジュースがぬるくなっちまったな。ま、いいか。


「えーと、どこ行ったあいつら……あ、あそこか。」


気配を調べて場所を見つける。


昔、ジジイに鍛えられた気配探知能力は意外なところで役に立つ。ある程度一緒に過ごしていれば人ごみの中から探し出すのだって簡単だ。……しかし、あのジジイは俺をどうしたかったんだろうか……?


「おーい、買って来たぞー。」


エディと楓が着替えていた。……えーと、エディがタンクトップ的な何かで、楓がセーター的な何かだった。


何か何かって、ちゃんと言えよって? ……俺はファッションとか分からねえんだよ!


「あれ、遅かったですね。」


「まあ、色々あってな。ほれ、ジュースだ。多分、マンゴージュースだ。マンゴー、大丈夫だろ?」


「ありがと。……うま。」


「ホントだ、美味しいですね。どこのですか?」


「えーと……『天界特製 天国の果実ジュース』って書いてあったな。」


「聞いたことないですねー……新しくできたのかな?」


「さあなー。まあ、店は新しかったし、そうなんじゃねえの?」


「ですかねー。今度友達に聞いてみます。あ、そうだ直矢さん、これ着てくださいよ、これ!」


「ん? ……やだよ。」


首の周りが大きく出るTシャツみたいなのに、大き目のGパン。洒落た服は苦手だ。


「えー、そんな事言わずに着てくださいよー」


「そうだよ直矢、俺は色々着せられてるわけだし。」


楓も加勢しやがった。


「……洒落た服は苦手なんだよ。」


「えー、絶対似合いますよー。ねえ楓さん。」


「うん、似合うと思うぜ。別に、俺みたいに女物着るわけじゃないんだからいいじゃん。」


「……じゃあいいよ。でも、これだけだかんな? 他のは着ねえ。」


「えー。他にもカッコいいのいっぱいあるのに……」


「……仕方無えな、全部買ってけ。代金は最高神にでもツケときゃいいから。」


ホント、押しに弱いな、俺は。


「おおー! てことは着るんですね!?」


「……そのうちな。とりあえずこれ着てくるわ。」


えーと、試着室は、と……あそこか。着ていたTシャツを脱いで、着る。……うん。なんだかこっ恥ずかしいな。


「……着て出なきゃ駄目かー?」


「もちろん! 着て出てくださいねー?」


「……はぁ、これでどうだ?」


「…………」


「…………」


二人とも黙り込む。……やっぱり変だったか?


「カッコいいじゃないですか! やっぱり似合いますよー! 直矢さん、背も高いし、体が締まってるから、ちょっとピッタリした感じの方がいいんですよ!」


「……そうなのか?」


「……うん、カッケえ。正直男として羨ましいわー。」


「……今お前、女だけどな。」


「言うなよ!」


照れ隠しに言ってみた。反省しよう。


「まあいいや、じゃあエディ、会計済ませてくれ。」


「もう済ませときましたー。」


「いつの間に……まあいいや、じゃあ帰るぞ。」


たまにエディは俺も驚くくらいのスピードで何かを済ませるからなぁ……


「はい!」


俺の腕に抱きついてくるエディ。今日はやけにくっつきたがるな……朝修行してる時も、なにかとくっついて来たし……


「……こいつどうしたらいいと思う?」


楓に小声で聞いてみる。


「さあ? ……うん、頑張れ。」


「……何をだ?」


「……鈍感過ぎんだろ……」


鈍感? どういうことだ?


「……まあいいか。それより、なんだか身体動かしたい気分だな。この後、どこかで何かしないか?」


「え、いいけど……俺、運動全然できなくなってるんだけど……てか風邪だし……」


「僕もあまり運動は得意じゃないです……」


「んー、まあ他にも何人か誘ってなんかしようぜ。風邪ひいてても、なんとかなるって。最悪、見てるだけでも面白いんじゃねえか? 俺と勇牙とかだったら相当激しいことになるし。」


「んー、まあそだね。いいや、行こ。」


「確かに面白そうですし、いいですね、行きましょう!」


「おっし、じゃあ楓、何かいい場所知ってるか?」


「んー……近所にバスケのゴールならあったかな?」


「それでいいじゃねえか。球技は苦手でな、そのうち克服しなきゃとは思ってたんだよ。」


昔、体育でサッカー部の3人がかり程度で止められちゃったからな……もっと巧くボールを操れるようにならねば。


「直矢の『苦手』かぁ……どんなレベルなのやら。」


「そういえば確かに直矢さんの球技してるところは見たことないですね。」


「まあ、ヘタクソだし、見せるようなもんじゃねえさ。おし、じゃあ戻ろうか。いよっと。」


天界から帰る方法は一つ、道の端から見える空の下に、飛び降りるだけだ。楓を抱いて飛び降りる。


「ふぇ? ひやぁぁぁ!」


楓が悲鳴を上げた。……説明してから飛び降りるんだったな……

ちょっと解説、


出て来たカミサマという単語。前の話でもたまに出てきましたね。

立場上神ではあるものの、天界ではただの高い身分。最高神が作った呼び名です。要するにあいつは悪徳貴族、ってワケです。

権力を使った町の人へのいちゃもん付け。それをよく思わなかった直矢がけんかを売ったワケです。そして、下界したに落とした。


下界っていうのは、要するに神が支配している世界で、何十個とあります。僕らが今いるこの世界もその一つ、ってことです。


その他、分からない部分があったら感想やメッセージで伝えてくれると嬉しいです。頑張って分かりやすく解説します。

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