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 まず、黄泉が絵里子に連絡を取り、田辺の連絡先を聞こうと試みた。しかし、絵里子は田辺の連絡先を知らないとのことだった。

「あいわかった」

 携帯を耳から離し、終話ボタンを押した黄泉は、祐二に向かって顔を振った。

 空しく時間だけが流れていく。さて、どうしたものかと考えていたところに、黄泉の携帯が再び振動した。

 黄泉は誰かと携帯の通話ボタンを押す。

 電話をしてきたのは絵里子だった。

「なに? まことか!」

 携帯を耳に当てながら、黄泉は周囲を見渡した。

「どうした?」

「田辺の連絡先がわかった」

 祐二はちゃぶ台の上に紙と鉛筆を置いた。

 黄泉はすかさず数字を紙に書き始める。

 達筆の漢数字で書かれてはいるが、番号はしっかりとわかる。

 絵里子も田辺のことを気にかけていたらしく、黄泉からの電話を切った後、色々と心当たりに連絡先を聞いていてくれたらしい。

「絵里子、忝ない! しからば御免」

 丁寧にお礼を述べ、黄泉は通話を切った。

 よくやったと、黄泉を褒めながら祐二はすかさず番号にかけてみた。

 電話にでたのは、田辺の母親だった。

「明は具合が悪いって部屋に隠りっきりです」

 祐二は心配で見舞いに行きたい旨を伝えたが、誰も会いたくない、家に上がらせないでほしいとのことだった。

「わかりました。先輩によろしく伝えてください」

 祐二は失礼しますといい終えると、終話ボタンを押した。

「どうする、黄泉。無理矢理押し掛けるか?」

 黄泉は首を横に振る。

「時間を置いたほうがよかろう」

 田辺に会う手だてはこれ以上思いつかない。

 八方手詰まりかよ――壁を殴りつけたい衝動を必死に抑え、大きく深呼吸をする。

「祐二、どうした」

「ちょっとコーヒーでも買ってくる」

 今の祐二は、なにかしないと気分が落ち着かない。それほどムシャクシャしていた。

 コーヒーごときで気が紛れるとは思えないが、無いよりはマシだろうと、玄関に向かう。

「しからばわしも参る」

 いうと、黄泉は玄関に向かった。


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