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 土曜の夕方だけはあり、転送されたメールは多かった。

 黄泉は携帯メールの使い方がよくわからない為、祐二の携帯にメールの内容が転送される。

 片っ端から当たるしかないということで、現場に向かい、二件が空振りに終わった。

 そして今回三件目の現場に向かう。

 待ち合わせ場所は渋谷、ハチ公前だった。

 数分前に到着した二人は、周囲を伺った。

 待ち合わせをしている風の男性は数人。

 そのうち一人の男性がやってきて、携帯を開き、操作を始めた。

 すると、祐二の携帯が鳴る。

「来た」

「ふむ」

 黄泉が携帯をのぞき込む。

 内容は今ついたという内容だった。

 携帯を閉じたのは、現れたばかりの、スーツを着たサラリーマン風の男。

「いくぞ」

 黄泉は小さく頷くと、祐二と腕を組んだ。

 仕事でなければという妄想を必死に振り払い、祐二は男に接近する。

 アベックを装い、二人は男性の横を横切った。

「!?」

 黄泉はただならぬ気配に、一瞬身を振るわせた。

 間違いない――黄泉は確信した。

 この男こそ、悪鬼であると。

 祐二も異変に気づいていたのか、緊張した表情を崩さない。

 男から十分距離を取ったところで、祐二が囁いた。

「黄泉――」

「うむ、間違いない」

 雑踏に紛れるようにして、路地裏に入る。

 祐二が携帯を取り出した。

 そしてメール機能を開き、すばやく操作を始める。

 滝田に犯人を報告しているようだった。

「相手を断定できた。これからどうする?」

「奴が動くとすれば人目のつかぬ時間、場所であろう。そこに奴をおびき出す」

 わかったと頷き、祐二は再び携帯を操作する。

 そして、黄泉の指定する時間と場所を明記し、再度待ち合わせの連絡を取って欲しいと、滝田にメッセージを送った。

「お前のいう通り、指示を送った」

「あいわかった。ここからはわしがなんとかしよう」

 祐二は自分が足手まといだということに歯噛みした。

 自分の身の安全を思って言った言葉だとはわかっていたが、祐二にとって黄泉の言葉は痛く胸に突き刺さっていた。


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