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 祐二はひものついた卵のような物を動かし、時折大きなそろばんをぱちぱちと弾く。

 少なくとも黄泉にはそうみえた。

 祐二から教えてもらったパソコンという物であったが、黄泉にはいまいち理解ができていない。

「できた」

 そういいながら祐二は椅子をくるりと回し、黄泉に向き直った。

「いいか、探偵ホームページを作った。ここから仕事の依頼が入ってくる」

「?」

 黄泉はわけがわからないながらも、四角い箱のような物をのぞき込んだ。

「こすぷれ探偵事務所――」

 そう書かれた下には、着物姿の黄泉の写真があった。

 下から撮影したのか、下着が見えそうなほど際どいアングルである。

「祐二! お主いつの間にわしの写真を!?」

 しまった!? と、隠し撮りがばれたことに、祐二の顔が血の気を失った。

 黄泉は祐二を睨みつけていた。

 そして手を腰に当て、ずいと、祐二に詰め寄る。

 黄泉は怒りのままに言葉を叩きつけた。

「写真を撮られると魂を吸い取られるのだぞ!」

「は?」

 わしの寿命を返せと、黄泉は頭を抱えながらうずくまった。

 黄泉が阿呆で良かったと、祐二は胸をなで下ろす。

 黄泉の相手はそこそこに、祐二は出来上がったホームページを確認していると、どうやら書き込みがあったようだ。

「お! 早速か?」

 マウスを動かし、掲示板を開く。

「なになに――とてもかわいいです。つきあってください。スリーサイズは? って、なんだこれ!?」

 中には明らかにエッチ目的な書き込みも見受けられる。

 やらせばかりかよと、祐二はマウスを放り投げた。

「なんと書いてあるのだ?」

 のぞき込もうとする黄泉を阻むごとくに、祐二は体を張って画面を隠す。

「いいの! よい子は見なくて! だめだめだめ!」

「むぅ、うぅ――」

 早速削除せねばと、祐二は下らぬ書き込みを削除していくと、一件の書き込みに目が止まった。

「是非仕事をお願いします。詳細はメールで――黄泉! 仕事だ!」

「まことか!?」

 と、身を乗り出し、黄泉は書き込んである文字を読み上げた。

「ぜひ、僕と熱い夜を過ごしましょう。コスプレ姿のあなたを――」

「馬鹿! それ、違う!? その下だ!」

 祐二は慌てながら、いかがわしい書き込みを削除した。 


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