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突然の偶然
私達は
同じ午後に
同じ東京の
同じお店に入り
そして同じ本を
同じ瞬間に
手にとろうとした。
昔と同じ指先と
変わってしまったわたしの指先が触れ合い
私達はお互い躊躇った。
そして驚いた。
私は自分の中から時間がきえてしまったのかと思った。
瞬間のタイムスリップ
「すっごい偶然。」
先に言葉をとりもどしたのはあなただった。
そして昔と同じ笑顔で笑った。
「どうしてここにいるの?」
驚きと少しだけの非難。
あなたにはあの町にいてほしかった。
「どうしてって・・・なんだか怒ってるみたいに言うね。」
「別に怒ってないけど・・・こんなとこで会うと思ってなかったから。」
「今時間ある?せっかくだから少しお茶でもしようよ。」
それはカフェでミルクティーを飲みながら
あなたを思い出していた午後から
ちょうど一週間後のこと
この突然起こった偶然に
必然的な運命を
私は今でもときどき感じるの。
読んでくださってありがとうございます。
久しぶりに書きました。
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