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秘密の花園(蒼)

 今回は早夜の親友、蒼とのお話。

 蒼×早夜でとリクエスト頂いたものです。


「早夜、大好きよ」

「うん。蒼ちゃん、私も」


 そう言って二人はムキューっと抱き締め合う。おまけに蒼はムチューっと、早夜の柔らかい頬っぺたにキスをした。

 早夜は別段嫌がる素振りも無く、そのキスを当たり前のように受け入れていた。


「んー、やっぱ早夜の頬っぺたは柔らかいわぁ。マシュマロみたいー。はむっ」

「ひゃあ、やーん蒼ちゃん。頬っぺた食べないでー」


 キャッキャッとじゃれ合う二人。

 そして、それを羨ましげに眺める視線も存在した。リュウキと亮太である。

 二人は少しは慣れた場所で、仲の良い早夜と蒼を羨望の眼差しで眺めていた。

 できる事なら仲間に入りたい。そんな事を思っているらしかった。



「……蒼、ちょっとその触れ合いは親密すぎやしないだろうか……」


 と、見兼ねたリュウキはとうとう二人に声をかける。

 すると早夜と蒼が、抱き合ったまま同時に此方を振り向いたので、少しばかりたじろいでしまった。


「えー、リュウキさーん。今日日の女の子はこれ位のスキンシップは当たり前ですよー」


 「ねー」と蒼が首を傾けて早夜に同意を求めると、早夜も同じように「ねー」と首を傾ける。

 そして、また蒼が頬っぺたにムチューとキスをして、キャッキャッとはしゃぎ始めた。


「早夜もチューしてー」

「うん、いーよ」


 ウチューっと今度は蒼の頬っぺたにキスをする早夜。


 繰り広げられる光景は秘密の花園。

 通りすがったイーシェに「生百合ミョ」と言わしめた。



「蒼ちゃんの頬っぺたも柔らかいよ」

「え? そう? じゃあ食べちゃって」

「あははー、うん。はむっ」


「……っ、早夜さんっ!? いや、ちょっと明らかにそのスキンシップは行き過ぎてやしないか!?」


 いつも二人のやり取りを見ていた亮太にとっても、そう思ったほどであった。

 確かに、いつもそれなりにスキンシップはあった。

 けれどそれは、いつも蒼の一方的なものであったのだ。早夜はそれを困った顔で、しょうがないなぁと言う感じで受け入れていたのだが、今の早夜は積極的にそれを受け入れている。

(ま、まさか本当に……!?)

 先程イーシェが言っていた「生百合」と言う言葉が頭の中にこだまする。



『ねぇ、蒼ちゃん……』

「ん? なーに?」

『やっぱりこれ、ちょっと恥ずかしいよ……』


 こそっと耳打ちする早夜。その顔はほんのりと赤い。


『あ、やっぱり? でも、交換条件でしょ?』

『うっ、そ、そうなんだけど……』


 チラリと目線をリュウキと亮太の方に移す。


『まぁ、リュウキさんまで引っかかってるのは予定外だったけど、結果的によしっ』

『よしって蒼ちゃぁん……』


 じっとりと蒼を見つめてしまう。


『まぁまぁ、私の気が済むまで、亮太で遊ばせてくれたら、早夜のお願いもちゃあんときいてあげるから、ね?』

『ううっ、亮太君()って……』

「ウフフ……あーん、もう! 早夜の唇ぷにぷにー! グミみたーい! おいしそー!」

「ふむっ」


 潜めていた声を元に戻しながら、蒼は早夜の唇をふにふにと指で押し始める。

 そして、亮太の方を見て、


「亮太、ちょっと早夜の唇すっごく柔らかい! これはもーキスしてって言わんばかりの柔らかさよ!」

「なっ!? う!」


 勿論の事ながら、真っ赤になってわたわたとする亮太。その目は早夜の唇に釘付けであった。

 そして、それを恐ろしい顔で睨みつけるリュウキ。ガシッと亮太の頭を鷲づかみ、「見るな」と一言。

 亮太は青い顔をしながら「すみません……」と謝る。

 暫しぎりぎりと手に力を入れていたリュウキだったが、許す気になったのか、それとも本来の注意すべき人物を思い出したのか、亮太の頭から手を離した。


「蒼……あまり早夜で遊んでくれるな……」


 蒼は早夜の恩人でもある。だからあまり強く出る事の出来ないリュウキ。

 困った顔でそう言うと、蒼は心外だという顔で、


「えー、私は早夜で遊んでなんか居ませんよー。早夜を使って(ヽヽヽ)、亮太()遊んでるんです! あ!」


 ついうっかりと本音を言ってしまって、蒼は少々わざとらしく口を手で覆った。

 蒼の言葉に、リュウキは呆気に取られ、亮太は呆れた顔をして溜息をついた。


「蒼、お前なぁ……」

「だってしょうがないじゃない! 面白いんだもの!」

「面白いって……ハァ」


 ガックリと肩を落とし溜息をつく亮太。

 蒼の傍らで、わたわたとする早夜は、


「ご、ごめんね、亮太君」

「え! いえ! 早夜さんが謝る事なんてありませんって! 悪いのは全部蒼なんですから!」


 シュンと身体を縮込める早夜に、亮太はおろおろとして近づこうとする。

 しかし、リュウキに首根っこを掴まれ引き戻された。


「どさくさ紛れて近付くな」

「え…うぅ…すみません……」

「えと、あの、違うんです! 元はと言えば、私があるお願いをしたからで……」


 早夜の言葉に、リュウキと亮太は何のお願いなのかと顔を見合わせ、蒼の方を見た。

 蒼はニマニマと笑いながら頷く。


「そうそう、お願い。早夜の可愛いお願いよ」


 ホホホーと笑いながら、蒼は「花ちゃーん」と声を張り上げた。

 すると、それほど時間をかけず、花ちゃんが何処からとも無く円盤に乗ってやってくる。


「何デツカ? 蒼」

「花ちゃん、この前のアレお願いできる?」

「アレ? アア、アレデツネ?」


 ニヤリと可愛い顔に不吉な笑みを浮かべる花ちゃん。


『アレって?』


 リュウキと亮太は同時に首を傾げる。

 早夜はと言うと、目をキラキラさせながら期待に胸を躍らせているようだった。嫌にソワソワとしながら花ちゃんの事を眺めている。


 花ちゃんはキリッと顔を引き締めたかと思うと、円盤をごそごそとしてある物を取り出す。

 そしてそれをちっちゃな口に当てると、思いっきり息を吹き込んだ。


 ピィー!!


 それは笛であった。

 その音は高く響き、遠く何処までも響くようだった。

 すると、


「何々~?」

「花チャン隊長ナニカ用?」

「呼バレタカラ来タヨー」


 わらわらと集ってくる円盤に乗った魔道生物たち。

 色とりどりの花たちが花ちゃんを囲む。

 花ちゃんはその花たちを前に、きりっと顔を引き締めると、声を高らかに宣言した。


「皆デ蒼ト早夜ヲ、押シテ押シテ押シマクルノデツ!!」


「は?」

「お、押す?」


 リュウキと亮太が首を傾げる中、周りからは魔道生物達の「オー!」という掛け声が響く。

 早夜はというと、何故か頬を染め、プルプルと震えていた。


「早夜、なに震えてるの?」

「む、武者震い……」

「やーん、かわいいー!」


 ムギュッと抱き締め頬擦りすると、蒼は花ちゃんに目配せをした。

 花ちゃんは了解したと言うように頷くと、キリッとした顔のまま、「ピィー!」と笛を吹いた。


『ワー!』


 魔道生物たちが一斉に円盤から降り立ち、蒼と早夜に向かってゆく。

 そしてムギュッと早夜たちの体を埋め尽くすと、花ちゃんの笛の合図と共に一斉に蠢き出す。


「いやーん! 何これ! 何これー!」

「でしょー! やっぱ何度やっても堪んないわーこれ!」


 その感覚は今までに感じた事の無いものだった。

 ちっちゃい、もちっとした体が無数に自分の身体を絶妙な力加減で、ポヨテンポヨテンと押してくるのだ。

 それはポコンとしたお腹だったりプルッとしたお尻だったり……。


 数時間前、偶々覗いた部屋で、蒼と魔道生物達の怪しげなその遊びを目撃してしまった早夜。

 その中央にいた蒼のあまりの至福の表情に、自分もまた体験してみたいと思ってしまった。

 早速、恥ずかしがりながらも蒼にお願いをしてみた所、それには条件があると言われての先程の行為だった。


「はぅぅっ、肉球! 猫の肉球だよこれ!」


 いや、それ以上の感触かもしれない。

 その時、花ちゃんが笛を吹いて次なる合図をした。


「うきゃぁぁぁん!」

「ひゅぁぁぁ~!」


 これまた絶妙な力加減だった。

 魔道生物達は一斉にグリグリグリ~と身体を押し付けてくるのだ。いや、正確にはグリグリより、プルプルと言った方がいいかもしれない。

 しかも、魔道生物のお尻には、根っことかちっちゃな葉っぱとかの尻尾が付いていて、それがまた好い具合にアクセントとなって言い知れない感触を生み出している。



「こ、これは……」

「す、凄そうだな……」


 呆気に取られた様にそれらを見ていたリュウキと亮太。

 彼女達の表情は至福と言うより、もはや恍惚と言っていいもの。

 何だかその表情を見て如何わしい思いを抱いてしまうのは何故だろうか。

 リュウキはハッとして亮太を見やり、その顔が赤く染まっているのを見ると、一気に纏う温度を低くさせ、これまた低い声で訊ねる。


「変な想像をしていないだろうな?」

「え、えぇ!?」


 思いっきり動揺する亮太に、無言で頭を鷲掴んでぎりぎりと力を入れた。


「ぎゃー!! すみません! すみません! もう変ね目で早夜さんを見ません!!」

「………」


「ミョ~!? 何ミョ!? 何プレイミョ、これは!?」


 そこにまたまた通りすがったイーシェ。

 繰り広げられている異様な光景に目を丸くしている。

 そして徐に彼女らに近付くと、魔道生物諸共ギュッと抱きついた。


「ヘイ! もう一名追加ミョ!」


 片手を上げ花ちゃんに声をかける。

 ちょっと困った顔で蒼に目を向ける花ちゃんだったが、埋め尽くされた花たちの間から、親指を突き出した蒼の手を見てOKサインと受け取った花ちゃんは笛で合図を送った。

 一旦離れる魔道生物たち。そして花ちゃんの合図と共にイーシェも巻き込んでの押しくら饅頭を行う。


「ひゃぁぁ~」

「にゃぁぁぁ~」

「みょみょぉぉ~」


 何とも言えない悲鳴を上げる少女達。

 美少女三人のその光景に目を奪われるリュウキと亮太。

 今だ亮太の頭からは手を離さないリュウキだったが、亮太も痛みを忘れて魅入っている様だった。


 色とりどりの花を咲かせた魔道生物達に囲まれた様はまさに秘密の花園。

 後にその花園は更にミリアも巻き込み男性陣を大いに悩ませるものとなるのだった。





 と言うわけで、今回は夢オチではありませんでした。

 花ちゃん達にぎゅうぎゅうに囲まれて、押しくら饅頭されてみたいなぁと思ってできたお話。

 途中イーシェも混じりましたが、この後こっそりリュウキが花ちゃんに頼んで断られる裏エピソードがあったり無かったり……?


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