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もう一つのファイト!

ファイト!の別視点です。

 ”誰にも負けない”と、毎日躍起になり、がむしゃらに仕事をした。程々に仕事に打ち込む同僚を横目に、私は働いた。そのおかげで、会社では、三十路を迎える前に、出世。同世代からは、羨望の眼差しを向けられる。


 でも、気が付けば、三十路を越えた。20代後半までは、言い寄ってくる男も多かったが、三十路を迎えるころには、腫物に触るような扱いだった。


「あー、恋人欲しい。」


 金曜日の夜、私は、友達の久美くみを捕まえて、居酒屋で管を巻く。


「洋子、飲みすぎだって。」


「なんで~?久美はいいよね~。大学から付き合ってた彼が、プロポーズしてくれてさ~。私なんて、気が付いたら、三十路よ!み・そ・じ!どっかにいい男いないかなぁ~。」


「そんな事言ってるから、恋人ができないんだよ。」


 久美は、「もう帰ろうよ。」と、肩を抱き、私を店の外まで連れていく。


「久美~、男紹介しろ~。」


「ダメだ、こりゃ。」


 久美の言葉を最後に、私の記憶はない。


 そして、土曜日の朝、目を覚ますと、知っている天井だった。時間は8時を過ぎたところだ。


「あー、飲み過ぎたー。久々に取引先からお誘い(しごと)がなかったから、調子に乗ったなぁ。いい歳して、何してんだろ。」


 私は、ベッドから上半身を起こした。


「!?」


 私はベッドから飛び起きた。


「だ、誰?」


 私のベッドにもたれ掛かっている男性がいた。


「あっ、課長。おはようございます。」


 聞き覚えのある声だった。


「おっ、おはよう。」


 寝ぼけ眼で、よく見ると、商品開発部の佐々木くんだった。


「佐々木くん?」


「佐々木です。」


 彼は、顔をぽりぽり掻きながら、赤面している。


「あ、あの、、、」


「どうしたの?」


「服、、、」


 私は、自分の格好を見る。


「きゃっ。」


 キャミソールとショーツだった。もっと可愛いの着てるんだった!、、、違う!!


「ご、、、ごめん。ちょっと向こう見てて。すぐ着替えるから。」


 別に、男性とこういう関係になった事は、初めてではないけれど、交際もしていない、ましてや同じ会社の男性とこうなるとは思わず、恥ずかしさがこみ上げてくる。


 慌てて、服装を整え、彼をリビングに案内する。


「佐々木くん、なぜあなたが、私の家にいるのかしら?」


「昨日、居酒屋の前で、お友達と飲んで、潰れていた課長をたまたま通りかかった僕が、ここまで運んだんです。」


「で、朝までここにいたのね?」


「ご友人も、途中まで一緒にいたんですけど、旦那さんが心配とかで帰ったんですよ。」


 久美、なぜ帰った。私は、不意にスマホを見ると、メッセージの着信があった。


 -洋子~、私は先に帰るから、チャンスよ~-


 やかましいわ。そう心の中でツッコみを入れ、スマホを閉じる。


「課長?」


「えっ!?あっ、事情は分かったわ。」


 私は、焦って、頭が真っ白になってしまった。


「佐々木くん、私たちは大人よね?」


 彼は、「はい、、、?」と、とぼけた顔をする。


「昨日の事は、お互い忘れましょ。部署は違うけど、フロアは一緒なんだし、お互いに気まずいでしょ?」


 彼は少し考えたあと、


「課長。僕たち、何もありませんでしたよ。」


「はっ?」


 今、私は相当間抜けな顔をしているかもしれない。


「昨晩、課長をベッドに移動させたあと、帰ろうとしたら、”久美~”って、抱き着かれて、離してくれなくて。しょうがなく、課長のベッドの横で、座って寝てるしかなかったんですよ。」


 私の勘違い??


「そ、そうなの。それは迷惑を掛けたわね。」


「いえ、全然迷惑とか思ってないです。じゃぁ、僕、帰りますね。」


 そういうと彼は、玄関に向かっていく。


「あ、」


 彼を引き止めようとしたが、言葉が出なかった。


 そう。私は彼が少し気になっている。フロアが一緒なので、毎日残業している彼の姿を見ていた。ある時、給湯室で井戸端会議してる女子社員の話が聞こえる。


「佐々木さんって、本当に優しいよね。今日、用事あるって言ったら、”代わりにやるよ”って。ラッキーって思っちゃった。今日、合コンだったから、佐々木さんいて、ほんとにラッキーだよ。」


 私は、それを聞いて、給湯室に入りそうになった。


 部署が違うので、毎日、ヤキモキしてしまう。商品開発部の課長に、やんわりと伝えたが、どうやら課全体が、彼を都合のいい社員として、扱ってる節があった。


 それからというもの、私は毎日、彼の事を気にするようになり、今は異性を感じてしまっている。


 昨晩、何もなかった事にがっかりした半面、彼の誠実さに、惹かれている私がいる。


「課長?どうされましたか?」


 私は、ハッとした。妄想にふけってる場合じゃなかった。


「ううん。何でもないわ。昨日は、ありがとね。あっ、そうだ。今度、お礼にご飯奢るわね。連絡先教えてちょうだい。」


「いや、いいですよ。それに、いつもは凛々しい課長の、可愛いところも見れましたし、それがお礼って事で。」


「ばか。早く教えなさい。」


 彼と連絡先を交換した。高鳴る鼓動を何とか誤魔化すように、「じゃぁ、また来週ね」と彼を送り出した。

 私は、彼の番号が表示されているスマホを見て、だらしなく顔が緩んでいる。


「今からすぐに連絡したら、変に思われるかな?なんか焦ってるとか思われるかな。」


 まるで初恋かのような胸の高鳴りが、体を熱くしたが、すぐに我に返った。それで浮かれ続けるほど、若くなかった。


「何してるんだろ、、、」


 そんな私を客観的に見ている自分が、少し嫌になった。


 翌週、、、


 今日も、営業に向かい、いくつかものになりそうな案件をまとめた。


 いつものように部長からは、おべんちゃらをもらい、食事のお誘い。既婚者がいい気なもんだ。


 取引先のお偉いさんは、下心を隠そうともしない連絡。

 すべてを断るほど、馬鹿でもないし、それに応えるほど、軽率でもない。


 金曜日、取引先の役員の接待を終え、家路につくと、部長からの連絡が入る。

 来週の月曜日に、商品開発部と合同で、プレゼンをするため、資料を用意してほしいとの事だった。

 資料は、商品開発部が仕上げているので、その添削をしろというのだ。


 時計は夜の11時を指していた。


 私を食事に誘う時は気にしないくせに、仕事になると家庭を理由に、独身者わたしを都合よく使う。


 愚痴っても、仕事が減るわけじゃない。


 せっかくアルコールのおかげで、気分がいいところに冷や水を掛けられたが、会社に向かう。

 私のフロアの灯りがまだ消えていなかった。


 大体察しはつく。たぶん、佐々木くんだろう。


 商品開発部が資料を作っていると聞いた時に、そういう予感はしていた。

 大体、あの部署はそうだ。調子よく案件を取ってくるが、その内容はいつも急だ。

 そして、彼にすべてを押しつけ、手柄だけをかすめ取っていく。


 先日、部長に佐々木くんの事で、相談したとき、部長も怪訝な顔をしていた。

 今回、プレゼンに私が駆り出されたのは、部長が手をまわしてくれたのだろう。

 食事の誘いはしつこいが、”仕事”に関しては、さすがだと思う。伊達に部長ではない。


 エレベーターが昇っていくと同時に、私の鼓動も早くなっていく。


「これはお酒のせい、、、そうお酒のせい。」


 そんなわけなかった。夜の会社に”佐々木くんと二人きりだ”と、想像してしまった途端、心臓が踊り始めた。

 私だって、まだ恋愛を諦めるほど、腐ってない。ドラマのような妄想の一つや二つすることだってある。


 フロアの前につくと、IDカードを通す前に、服装を正し、いつもの私を演じる用意をする。


-ピッ-


 覚悟を決め、ドアを開ける。案の定、佐々木くんがPCと向き合っていた。


「あら、佐々木くん、まだ残っていたの?」


 あー、白々しい。知ってただろうが。


「あっ、課長。お疲れ様です。今日も、接待ですか?」


 彼は当たり前のように応えてくれた。


「えぇ、四葉商事の部長さんに気に入られちゃってね。佐々木くんは、プレゼンの資料?」


「はい。月曜日に使う資料ですね。」


「どれどれ?」


 私は、モニターに目を向けた。


「田島工業さんか。あそこの課長、毎日、飲みに誘ってくるのよねぇ。」


 違う。そんな事を言いたいんじゃない。どっかの本で読んだ”男性は褒めろ”。いざ、その時を迎えると、これが中々難しい。全部褒めたくなる。


 そして、不意に気が付く佐々木くんとの距離。近い!!私、お酒臭くない?大丈夫?


「それは大変ですね。でも、三島課長みたいな女性だったら、僕も毎日、誘いますよ。」


 だったら、誘いなさい!言えた義理じゃない。


「あら、それは飲みのお誘いかしら?」


「えっ、いや、そういうわけじゃ。」


「何、違うの?」


「違うというか、違わないというか。」


 あと少し押せば、いけるか?いや、もう私から言っちゃうか?


「ごめんね。佐々木くんの反応が面白くって、少しからかいたくなっただけよ。」


 私のばかぁぁぁ。


「そ、そうですよね。」


 彼は、モニターを見る私の横顔をじっとみている。待って、私、赤くなってない?変な顔してない?さらに赤くなっているように感じる。


「あんまり女性を見つめるものじゃないわよ。」


「す、すみません。あまりに綺麗でつい。」


 君は、私をどうしたいんだ!!


「あー、佐々木くん、セクハラよ。」


 恥ずかしさのあまり、そうふざけるのが精一杯だった。


「あっ、す、すみません。そんなつもりは、、、」


 と、彼はモジモジしていた。可愛い。可愛いぞ、佐々木!!


「じゃぁ、私は帰るわね。佐々木くんも、あんまり無理しちゃダメよ。もし、上長に言いにくかったら、私に言いなさい。代わりに、開発部の課長に言ってあげるから。他部署の事だから、本当はダメだけど、頑張ってる佐々木くんを見てるとね、、、」


 私は、言葉を途中で飲み込んだ。このまま話していると、彼をどうにかしてしまいそうで、怖くなったのだ。へたれな私。笑え、笑うがいい。


 そのまま、ゆっくりとした足取りで、出口に向かう。佐々木くん、今だよ。チャンスだよ。


「それじゃ、本当に行くわね。」


 わざと、もう一度、声を掛けたが、彼は一礼するだけだった。ちくせう、、、くぅぅぅ、、、もう!!私は、ドアがロックされる前に、部屋に戻る。


「佐々木くん、来週の水曜日、私、早上がりだから、時間あるわよ。」


 彼は、コーヒーを噴出した。


「ぶっ、は、はい。」


「待ってるわね。」


 と、不自然なほど自然を心がけて、ウィンクした。

 私はスマホで水曜日の予定をチェックした。


 よし!その日は、定時で上がれるぞ。


 そして、木曜日が祝日だと気付く。


 ナイス、私!!絶対に死守することを胸に誓う。

 エレベーターの中で、水曜日はどういう服を着ていこうか、新調すべきかなどと妄想を膨らませていた。


-ピロン-


 手に持っていたスマホが、突然震え、画面を見ると佐々木くんだった。


-課長、お疲れ様です。水曜日、飲みに行きませんか?あっ、忙しければ、結構です。-


 最後に弱気。佐々木くんらしい。そのメッセージで私は興奮する。


-遅い(絵文字)-


 違う!なんだ、そのメッセージは。威圧してどうする私。でも、送ってしまったものは仕方ない。本音と建前は、紙一重である。


-すみません。-


 あー、可愛い。可愛いぞ、佐々木。こんな平文、取引先の50過ぎの部長でも、送ってこないぞ。だが、それがいい。


-じゃぁ、水曜日。期待してるわね-


 投げキッスは、やり過ぎか?私のイメージじゃなかったか?私は、小躍りしながら、会社を出た。


 そして、月曜日。


「では、三島課長。お願いします。」


 きゃー、佐々木くん!


「行きましょうか。」


 なぜ、こうなったか?うちの部長が取引先の田島工業は、私が担当しているので、共同でプレゼンをしたほうが、いいのではないかと持ちかけた。

 おかげで商品開発部は私にビビッて、佐々木くんを生贄のつもりで差し出してきたのだ。


 自分のイメージに少し凹んだだが、今回ばかりは、ナイスだと褒めたい。


 社用車に乗り、佐々木くんと二人きりでドラ、、、取引先に向かう。

 タクシーでも良かったが、運転手に邪魔をされたくなかった私は、社用車申請にした。


「田島工業の松島課長が今回のプレゼン相手だけど、それほどやっかいな相手ではないから、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。」


「はい。課長が一緒で心強いです。」


「佐々木くん、プレゼンの経験は?」


「あ、あります。新人の頃に少しだけ。」


 大丈夫だよ。私が手取り足取り、あなたをバックアップするから!


「分かったわ。資料に目を通したけど、いい内容だったわ。これなら、余計な説明とかしなくても、十分に伝わると思うわ。」


 何を偉そうに言ってるんだ。もっと優しく褒めてあげて!


「あああ、ありがとうございます。」


 こうして、私たちは、短いドライブデートを終え、取引先に到着した。

 プレゼンは、終盤まで順調に進み、あとは最後の詰めをするだけだ。


 このままでも、相手に十分メリットもあるし、サインまでは堅いわね。などと、タカを括っていた。


「三島課長、少しいいかな?」


 松島課長が嫌な顔をして、私を見る。


「どうされましたか?」


「ちょっと気になる部分があってね。商品に文句はない。材料の仕入れや生産も十分、弊社にメリットがある。だが、販売がねぇ。私は少し不安を持っているんだよ。」


 はぁ?販売についてはわが社の販路も全て、そっちに情報を提供して、共同で営業を掛けるってところでいいはずでしょ?


「それは、弊社の販売力に問題がある、という事でしょうか?」


「いやいや、そうは言ってない。御社の営業力は、十分に信頼しているよ。だがね、、、」


 だったら、何が問題なのよ。いやな予感がする。


「では、それを踏まえて、弊社の部長と検討ののち、再度、ご提案させていただきます。」


「そこまではしなくていい。ほんの老婆心みたいなものだ。私と君とで、解決できると思っている。」


 あー、最悪だ。そういう事か。多分、今回のプレゼンに私の同行が許されたのも、部長とこいつとの裏取引があったという事か。


「しかし、御社が不安に感じている事を、私一人の判断で、、、」


 なぜか涙が出てきた。


 佐々木くんの前でかっこよく商談を成立させて、いいとこ見せようと頑張ったのに、私のせいでややこしくなっている。


「おいおい、泣くことはないじゃないか。そんなに大事にしたくないだけだ。」


「も、申し訳ございません。」


 私は、言葉を失っていた。プレゼンの内容もトンだ。佐々木くん、ごめん。


-ガタン-


 会議室に、静寂が走る。


「申し訳ありません!少し弊社の三島が取り乱しており、ここからは、私が担当いたします。」


 全員が注目する中、佐々木くんが、前に出た。


「課長、すみません。僕の案件なのに、頼りっきりで。」


 彼は、小さく囁いた。違うのよ。これは私のせいなの。

 彼の手は、力強く頼もしく、私を椅子まで誘導してくれた。


「それでは、松島課長。さきほどの販売の件ですが、私が松島課長と相談するということで、よろしいですか?」


「何を言っている。君は、彼女の同行者だろう。」


「いえ、本件は私が担当しており、三島にはバックアップをお願いしていましたが、今回の”プレゼン”は、三島がメインでやりたいとのことだったので、このような形となりました。」


 どうしたの佐々木くん。なんかカッコいいんだけど。今すぐ抱き着きたいよぉ。


「だがね、、、」


「では、私と検討するか、この話はなかった事にするか、どちらかをお選びください。私は、今回の案件で、十分に御社にメリットを示したと考えております。これ以上のメリットをお求めならば、それは私のプレゼン不足です。もう一度、持ち帰り、再度、ご提案させていただきます。」


 あー、もうダメ。なんか輝いて見える。


「、、、今回は、これで進めていい。」


 松島が折れたぁぁぁ!佐々木くん、かっこいい!まぁ、この案件をパーにするほど、松島もバカじゃないってだけなんだけど。


「ありがとうございます。」


 彼は松島に近づいて、耳打ちする。


「それと課長、三島洋子さんは、私の大切な方ですので、何卒、ご容赦ください。会議の議事録は、録音してありますが、私の鍵付きディスクで保管しておきます。」


 聞こえているよ佐々木くん。声がでかくなってるよ。田島の女子社員の目がハートになってるよ。寄るな!佐々木くんは、私のだぞ!!


「それでは、失礼します。三島課長、行きましょう。」


 私は、ウキウキで彼のあとを追うように、部屋を出た。


 車に乗り込んだ私たちに、会話はない。エンジン音だけが聞こえている。少し走ると、車が止まる。


「はい、佐々木です。お疲れ様です。、、、はい、、、はい。」


 どうやら、電話のようだ。


「えぇ、うまく行きました。、、、いえいえ、、、三島課長に頼りっぱなしでした。はい、、、ありがとうございます。、、、それでは、失礼します。」


 車は発進しない。


「課長?大丈夫ですか?」


「う、うん。」


「体調が悪いなら、今日は帰りますか?家まで送っていきますよ?」


「大丈夫よ。」


 ん~、優しい。優しいけど、そんなことされたら、涙が、、、


「課長!?どうされました?えっえっ、、、」


 あんなにかっこよかった佐々木浩平はどこ行ったんだよ。


「君らしいか。」


「えっ、なんですか突然。えっ、えっ?」


「大切な女性ひとって。」(そこまでは言ってない)


「えっ、聞こえてたんですか?」


 私は頷いた。


「あれは、言葉の綾といいますか、なんと言いますか、、、嘘ではないです。」


「嬉しかった。」


 声が出ない。心臓が飛び出しそう。


「なんです?」


「嬉しかったったって言ってんの!」


「あっ、あー、はい。」


「それだけ?」


 私は、まだプライドを捨てきれてない。こういう時の自分が嫌になる。


「、、、ぼ、、、俺、三島課長の事が好きです。」


「課長って、、、」


「あっ」


 彼は、再び、姿勢を正し、私の目を見つめてきた。やばい、、、かっこいい。


「三島洋子さん。俺はあなたが好きです。」


 私は、嬉しさのあまり、鼻息が荒くなっている。


「私も、、、佐々木くんの事、、、好きよ。」


 これが精一杯だった。


「あのですね、課長」


 突然、ヨワヨワ佐々木くんが顔を出す。


「さっき部長からの電話で、今日は、このまま帰っていいらしいです。課長を会社に降ろしてから、帰ろうと思ってたんですけど、どうします?」


「もう、そこは男らしく佐々木くんが決めてよね。」


 私たちは笑い合った。


「じゃぁ、少しドライブしますか?」


 彼は、私の手を優しく握りしめ、車を発進させた。


 このあと、私たちがどうなったかは、次のプレゼンまで秘密だ。

ご覧いただき、ありがとうございます。


いかがだったでしょうか?

少しでも皆様の心を温かくできれば、幸いです。


それでは、次回作でお会いしましょう。

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