備えたもので暴れましょう その2
探索も兼ねて動いてるから、そこまで効率は良くない。あと弾丸費用を稼がないと不味いから、無理しない範囲でスライムは仕留めてるけど……一つ問題があった。それがこちら。
「キシャァ……」
「やだやだやだ!」
少し奥に行くと、スライム程度の大きさの黒色の蜘蛛が複数匹で襲いかかってきたのだ。攻撃方法は噛みつき、蜘蛛糸の投擲、足による串刺しだけど問題は別。
「蜘蛛は滅んで!!! 《貫通》!!」
「ギシャッ?!」
とても蜘蛛が嫌いなのだ。というのも、昔に祈祷中の際、頭に3匹ほど蜘蛛がボトボトと運悪く落ちてきた。そのせいで本気でトラウマになってしまった。
それからは、熱心に掃除に取り組んで害虫対策もありとあらゆるのを取ったのは忘れない。それくらい嫌いなのだ。
だけど今はゲームの中、私の手には防虫スプレーよりも有効的な手段がある。
「これで終わり……」
三方向から来る蜘蛛から距離を取り、脆そうな足の付け根などを優先的に狙って機動力を落としてから、ヘッドショットを決めて倒した。
素材は拾いたくなかったけどこんな感じ。
名称:ミドルスパイダーの糸屑
ミドルスパイダーの体内で生成された粘着性がある糸屑。そこまで粘着性は強くないが一部の消耗品の素材になる。
所有者:カグミ
名称:ミドルスパイダーの脚
ミドルスパイダーの未発達な脚。強度はなく装備品などに使用するのは難しいが、一部の薬品の材料になる。
所有者:カグミ
「はぁ……ここまで再現しなくても……」
少し運営に文句が出るも、気を取り直して拳銃を強く握る。このモルマリアと言う武器は、とにかく私の感覚にフィットするから使いやすい。
気づけば最初は遠くに見えていた森もすぐそこまでまで来ており、いざ踏み入れようと思った途端……。
「っ!」
「ピガァ……!」
上から何か巨大な鳥が羽ばたく音が聞こえ、咄嗟の判断でその場から退避すると、さっきまで居た場所には岩が落とされたのだ。
「ピィガァア!!」
「もう少し私に冒険を楽しませて欲しかったんだけどっ……!」
10mほど上には、一度殺されたカラスとヒヨコを足して割ったような小鳥をウン十倍大きくした怪鳥が悠々と飛んでいたのだ。
『Warning! バッドエンカウントモンスター、草原の巨大怪鳥に遭遇しました! 遭遇者には一定時間草原の巨大怪鳥が襲いかかります!』
キャラ作成の時と同じ機械音声が声が聞こえる。あの岩に押しつぶされても死、突進でも何でもあの巨体なら死しかない。
「でも……ここで逃げ回るのは悔しいから暴れてやる! 人間の意地の汚さを舐めないで!」
現実じゃここまで声を荒げることもなかった、なら負けが濃厚な戦いでも最後まで抗おう。そう決心した矢先、怪鳥がその鳴き声で空間を震わせる。
「ぅ〜〜〜!」
「ピガァアァ!」
体を動かそうにも上手く動かず口もうめき声が精一杯。広範囲のスタン技と言うやつだろうか。少なくとも序盤で出てくる敵が使って良いものじゃない。
怪鳥はそうしている合間にも一直線に私に突進してくる。このままじゃオヤツになって終わりだ。寸前まで来た時にようやくスタンが解ける。
「《跳躍》!」
速が3になっているおかげか、はたまた私の反射神経が功を奏したのか足元ギリギリを怪鳥が通過する。すれ違いざまに打つ余裕はなく、着地に失敗してゴロゴロと転がる。
「3ダメージだけくらった……別にいーもん、攻撃はくらってないからノーダメ」
一人で言い訳しつつ、飛び回る怪鳥をどう相手取るか考えた。
読んで頂きありがとうございます。作者が過去書いた描写を忘れると言うポカをしたため、その1で矛盾していた場面を修整しました。




