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美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜  作者: 大木げん
第三部 美少女モンクと四天王

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第81話 聖剣とたこ

『勇者カエル』ケオルグを仲間に加えた俺達は、水の巫女の祠の最奥の間に向かってダンジョンを攻略していく。


 そんな中、道中で次々と現れるモンスターを相手にケオルグがイーリアスにパーティー連携での剣技についてアドバイスをしている場面が何度かあった。


 イーリアスはこの世界でもトップクラスの剣の使い手だと思うのだが、どうやらケオルグの剣の腕はそのイーリアスに匹敵するらしく、過去にパーティーを率いた経験から連携技も得意らしい。なんとも頼もしい存在だ。


 勇者はこうでなくっちゃね!



 


 全ての宝箱も回収し終え、いよいよ目の前の扉を開くと最奥の間だ。扉を前にケオルグが檄を飛ばす。


「聖剣の気配はこの中で間違いない。本来関係者しか入れなかった水の巫女の祠に、これ程モンスターがはびこっていたのだ。最奥の間にも強力なのがいるかもしれん、気を引き締めて行くぞ!」


「「おおっ!」」

「「ぷえっ!」」


 扉を開くと、でかいタコが聖剣に絡み付いて遊んでいた。


「あれ? こんなところにかわいこちゃんがやってきた」


「お前はオクトロス! なぜここにいるのだ!?」


 目の前のでかいタコ、オクトロスと水の勇者ケオルグは顔見知りらしい。


「なにって、あそぶひとがだれもいなくなったから、あるばいとしている」


「おっきなタコさんこんにちは! わたしとお友だちになってください!」


 あっ!

 シーラまずいぞ! オクトロスにそんな事を言ってしまったら執着されてしまうぞ!


「わーい! いちばんかわいいこ! ずっとここであそぼう!」


 オクトロスがシーラに触手を一本伸ばしてきた!


 ザン! 

 イーリアスの剣が触手を斬る!


『わしのハーレムに手を出すなや! せっかくお口にチャックして、この水着パラダイスを楽しんどったんやぞ!』


 俺に念入りに(おど)されてここまで無言を貫き通していた破邪の剣(はっつぁん)が吠える!


 誰がお前のハーレムだ!

 俺のだ!

 なんつって。


「いった〜い!」


 そう言いつつも切断面からグニグニと触手が再生されていく。本体にはダメージが通っていないようだ。


「おまえのかおこわ〜い!」

 

 ドドドドドドドド!!!!

 

 うお! 怒ったオクトロスによる、いきなりオクトロス最強の防御無視の八連続攻撃だ! 剣に顔があるのか!?


 だがオクトロスの八連撃は俺、イーリアス、ケオルグ、ザックによって全てカットされている。八回攻撃がウリのオクトロスだが、こちらはチョコザを入れて七対一だ。数の暴力が物を言うのだ。


「だいかいしょう!」


 ゴォォォ!

 

 オクトロスが大波による全体攻撃をしてきた!

 だが水吸収装備のある俺達には効かん!


 チョコとザックはダメージを負ったが、直ちに自分達でチョコヒールをかけ回復している。


 そして、今のオクトロスの攻撃でシーラが『大海嘯(だいかいしょう)』をラーニングした!


「こうかな?? だいかいしょう!」


 覚えたての青魔法をすぐさま試してみるシーラ!


 ゴォォォ!

 

 オクトロスに大波が迫る! だがオクトロスも水属性は吸収する為ノーダメージだ。


「シーラ、水属性はオクトロスも吸収するから効かないぞ! 火だ!」


「はーい!」


 俺の指示を聞き、すぐさま火魔法に切り替えて攻撃するシーラ。そして俺達前衛陣もオクトロスに突貫して攻撃を繰り返す。


 オクトロスは、マヒ攻撃の『巻き付き』、くらやみ攻撃の『すみ』に加え、一撃の威力が通常攻撃の二倍のダメージを与える『たこ足』、更には『火・氷・雷の極大黒魔法』までも放つ多彩な攻撃を繰り返す。


 まさに八面六臂(はちめんろっぴ)ならぬ一面八臂(いちめんはっぴ)の暴れっぷりだ。ひょっとして一対一で戦った場合は負けていたかもしれないが、今は状況が違う。


 文字通りタコ殴りだ!


 オラオラオラオラ!!

 


「もう! おこったもんね!」


 オクトロスが怒りで真っ赤に染まる!

 通称茹でダコモードだ!


 茹でダコモードになると、全属性に耐性をもち、更に筋肉が引き締まるのか防御力も攻撃力も二倍になる。素早さは変わらないのがせめてもの救いか。一段と手強くなってしまうが、逆に言うとオクトロスを追い詰めている証拠でもある。


 俺達も陣形を組み直し一段と連携を強化する。オクトロスにはまだ『即死攻撃』という奥の手が残っている。皆の即死を避ける為に、ここからは即死無効の俺がワントップで防御に全振りだ!


 一段と凶悪に暴れ回るオクトロス。


「たこで すみません。」


 きた!

 即死攻撃『たこですみません。』だ!


 触手を捌く!


 捌く!


 捌く!


 絶対に後ろには攻撃を通さん!


 ドドドド・ドドドド

 よし防ぎきった!


「シーラ! ファーヴニルだ!」


「はーい! お父さんおねがい! ファーヴニル召喚!」

 

 キュウゥン!


 光のエフェクトと共に聖竜王ファーヴニルが現れる!


「ひ!? せいりゅうこわ〜い! た、たすけて」


 光がファーヴニルの口元に収束し、最強のブレスが放たれる!


 ゴォォォ!!


 ブレスが止むと、瀕死でふらふらになったオクトロスがのびていた。


『我が愛し子シーラが友達にと言ったタコだ、このまま消すのは偲びない。我と共に星霊(アストラル)界に来る気はあるか?』


「かわいいことあそべる?」


()ばれればな』


「それならいきます」


「オクちゃん、お友だちになってくれてありがとう!」


 シーラの言葉にオクトロスがにこりと笑うと、オクトロスの体は光に包まれ、聖竜王ファーヴニルと共に消えていった。星霊(アストラル)界に行ったのだろう。


 召喚獣『オクトロス』を手に入れた!




 闘いが終わって静けさを取り戻した最奥の間で、水の勇者ケオルグが、聖剣『コンフロント』を台座から引き抜いた。


 シャキーン!


 ケオルグ専用装備の聖剣コンフロントを無事に取り戻せて、水の勇者ケオルグは安堵しているようだ。カエルの顔だから実際は知らんけど!


 聖剣の台座の後ろに有る宝箱も忘れずに回収した。中に入っていたのは、これもネタ装備の水属性吸収効果のある『さらし&ふんどし』だ。


 例によってこれも何故か防御力はまあまあ高い。つまり……わかるな?


 (制作スタッフ)よ! ありがとう!


「よし、これで装備は整った! 水の大輝石へ征くぞ!」


 気合十分のケオルグが海底神殿に直ぐさま乗り込もうとするが、俺が待ったをかける。


「待った! 俺達の準備があと一つ足りない。海底神殿に行く前に、暗黒騎士の隠れ里へ行こう」


 

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思っていただけましたら


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