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美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜  作者: 大木げん
第四部 美少女モンクと大魔王

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第148話 歌神

 マーダ神殿の山頂にある祭壇で、俺とエリーが祭壇にひざまずき一心に祈りを捧げると、天から二筋の光が降りてきた。


 あたたかい光のシャワーにつつまれてとても心地よい。

 


 気が付くと光はおさまっていた。長い間光をあびていたように感じたが、他の仲間やテンチョク大神官の様子をみるに、一瞬の事だったのだろうか。


 なんとなく励まされたような気もするが、神様からはなんの言葉もかけられていないし、何か変化があったようにも思えない。


 のじゃロリが出てきたら、勇者アイスをそそのかしてきた事について文句を言ってやろうと思っていたのに、それもなかった。


 エリーはと横をみると、何やら感動した様子で顔が赤くなっている。


「エリー? エリーはなにかあった?」


「歌の神様から祝福してもらえました」


「おー! それは凄いね! どんな感じだったのかな? 俺のほうはなんとなく励まされたような感じしかしなかったんだけど」


「私もはっきりとお言葉をいただいたわけではないんだけど、感覚的に歌神様から祝福していただいたのがわかったよ。うれしくて私泣いちゃいそう」


 そう言ってとても喜んでいるエリーの目の端からは、涙がにじんでいる。

 

 そうなのか、俺の場合はあれがそうだったのかな。俺の信心が足りないから、エリー程には俺は感じる事が出来なかったのだろうか?


 なにか変化はないかとステータス画面を開いて確認してみると称号欄に『拳神』『脳筋道を極めし者』というのが追加されていた。


 でたよ、ゲーム『ファンサ5』には無かった、謎の称号欄。


『拳神』の方は武神様に授かったのだろうか?


『脳筋道を極めし者』の方は、のじゃロリっぽい匂いがするな。最初のやつと並べて、ふざけて付けていそうだ。

 

 よくあるラノベとかだと、称号が付くと何かのバフがかかったりするものだけど……


 エリーと大神官に見てもらったが、称号欄はやはり他人には見えないらしい。


 エリーの称号欄も俺には読めなかったが、エリーの説明によると『歌神』と書いてあるそうだ。


 不思議な体験だったが、何かの変化があるかどうかはこれから検証していくしか無いな。


 


 山頂の祭壇から下山しマーダ神殿まで戻って来た俺たちは、大神官に別れをつげてマーダ神殿の外に出た。さて、長い階段を降りようかと思ったところで、エリーが突然マーダ神殿の脇へと歩いて行って、誰かに話しかけた。

 

「あなたはひょっとして、伝説の吟遊詩人オルフェウス様ではないですか?」

 

 しかし、エリーの前には誰もいない……ぞ?


 ふとエリーの手を握ってみると、突然目の前にいかにもモテそうな吟遊詩人然とした男性が現れた。


「やあ、ついに私の姿を見ることができる者が現れたね。私と同じ『歌神』の称号を得た吟遊詩人には私の姿が認識できるようだ。私の唯一の心残りだった失伝してしまった『えいゆうの歌』を、同じ称号を持つ者のよしみで受け継いでくれないか?」


『えいゆうの歌』だと!? 『ファンサ5』には無かったが、前作『ファンサ4』に出てくる歌で、ぶっこわれ過ぎてて、その一作のみで消えた歌じゃないか!?

 

「オルフェウス様に認めていただけるとは光栄です。『えいゆうの歌』是非とも(わたくし)吟遊詩人エリーに伝授してください」


「それは良かった。ではエリー、早速始めよう。私の後に続いて歌ってくれたまえ」


 ら〜ら〜ら〜♪


 ら〜ら〜ら〜♪


 ラ〜ラ〜ラ〜♪


 ラ〜ラ〜ラ〜♪


  


「ふぅ、エリーよありがとう。願わくば次の世代へとこの歌を引き継いでいってもらいたい。頼んだよ」


 そう言う残すと、オルフェウスの姿はすうっと薄くなっていき、やがてかき消えた。


 胸に手を当てて黙祷していたエリーが顔をあげると、仲間たちに今あった出来事を伝えた。


「偉人の霊がエリーの事を待ち望んでいたのだろうな」


 と、イーリアスが感想を述べると、エリーがこくりと頷く。

 

「オルフェウス様の為にも世界を守って、この『えいゆうの歌』を歌い継がなければいけませんね」

 

 エリーが『えいゆうの歌』を覚えた!


 なんだかエリーの聖女っぽさに磨きがかかった気がするよ。



 


 勇者パーティーとの封印城ワイダーンでの待ち合わせまでにはまだ余裕があったので、最終防具を手に入れる為に新たなダンジョンにもぐり、ゲットしてきた。


 更に旧ジョアーク帝国に行って、竜騎士ケインと『ドラゴンオーブの六番』と『ワイバーンの槍』の交換も済ませた。


 シーラに早速使用してもらい知性が150上がったので、ますますシーラの魔法無双が加速しそうだ。

  

 待ち合わせの日となったので、アラーユ大陸の西端から更に西へ海を進んだ先にある島へと行く。


 Y字型をしたその島にある城こそ伝説の武器が封印された封印城ワイダーンだ。


 飛空艇グローリー号が封印城ワイダーンの正門前の上空で待機しているのが見えた。待たせてしまったかな。


「「おーい!」」


 勇者アイスとゴライア(ばかふたり)が嬉しそうに手を振っている。


 ミューズ号も隣に寄せる。


「悪いな、待たせちゃったか?」


「「いや、今来たところ」」


 ラブコメか!


 ローザとステラが渋い顔をしているぞ、嘘つけ!

 

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