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美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜  作者: 大木げん
第四部 美少女モンクと大魔王

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第114話 操影のマクドジード

「ファファファ、我が名は『操影』のマクドジード。またの名は『ゴーストキング』マクドジードである。我が友、死霊魔王ゴルゴンダの刻みし残り香を追って、ようやく追いついたぞ! 貴様らあちこちと移動し過ぎだ!」 

  

 ミーニャの口から出てきたのは、ミーニャが口が裂けても言わないようなセリフだった。『にゃ』じゃないし。


 ミーニャの表情も、普段の明るい性格がにじみ出たにこにこ顔から、性悪な顔つきへと変化している! 悪い事するぞっ、て顔に書いてあるかのようなふてぶてしい泥棒猫の顔だ。

 

 いや、まて。

 

『ゴーストキング』といえば、ゲーム『ファンサ5』では、ラストダンジョンである広大なデスジード城のエリアボスのはずだ。わざわざ自分から出撃してきたのか!?


「ファファニャファファナァナぁ! む、こやつめ、まだわずかながら意識が残っておるのか。我の高笑いを遮るとは小癪なやつよ。だが死影衆一の隠密性能をもつ我の奇襲を受けて、乗っ取り操作から逃れたものはおらん! せいぜいあがいてみよ!」


 乗っ取りだと!?

 ゴーストとしての特性を、こういう形で使ってくるとは!?


「ファファなぁなぁ! うむ、全て把握したぞ! 火遁(かとん)の術!」


 ミーニャの身体を乗っ取ったゴーストキング、マクドジードが……えーい長い! ミーニャジードで良いや! ミーニャジードが放ったスキル『なげる』による火遁の術は、ミーニャが普段放つ忍術の炎の倍の熱量があった。


 忍術は魔法ダメージと同じく、知性と精神のステータス値を参照してダメージが増減する。マクドジードはゲーム同様、魔道士系ステータスの持ち主ということで、マクドジードの分まで上乗せされているのだろう。


「まかせて!」

「ルイ! まかせろ!」


 星降る指輪で素早さが二倍になっているシーラが、即座に水魔法を唱えて火遁の術と相殺し、イーリアスが素早く状況を判断して、HPを吸収する暗黒剣スキル『暗の剣』を放った!


 ザシュ!


 不意を突かれたミーニャジードが避けるが、切っ先がわずかにかすった! それでもスキルは発動する!

 

「おのれ! 貴様、様子が変わっておるがイーリアスだな!? ミスドジードが取り逃がしたと言っておったが、確かに中々の暗黒パワーの操作能力よ。だが暗黒騎士(ダークナイト)でなくなった今のお前では、暗黒パワーにも秀でる我にはたいして暗黒剣は効かぬぞ」


 暗の剣ならミーニャにほとんどダメージを与えずに制圧できるかと思ったが駄目だったか。

 

「うむうむ、どんどん馴染んできたわい、そりゃそりゃ!」


 ミーニャジードの高速連撃!

 破邪の剣(はっつぁん)の効果で速いだけでなく、一撃一撃がとんでもなく重い!


 ズガガガガ!


 俺とイーリアスでかろうじて受け止める!


「おい、破邪の剣(はっつぁん)! お前だけでもこっちに戻って来い!」


『とんでもない力で握りしめられて、逃げられんのや!』


 力までアップしているのか!?

 

「なんか無性に左腕が疼くわい。まずはその立派な鎧からじゃ」 


 !!

 その厨二フレーズは!?


 ミーニャジードが、一瞬にしてイーリアスと交錯したと思った瞬間、イーリアスの平氏の鎧が消えた!


「なっ!?」


「お宝ゲットじゃわい。まだまだ左腕が疼くわい! そりゃそりゃ!」


 次々にイーリアスに襲いかかり、『平氏装備』をはぎ取っていくミーニャジード!


「ななな!? ミーニャ! やめんか!」


 イーリアスの制止する声もむなしく、イーリアスの平氏装備は、一つ、また一つと盗まれミーニャのインベントリへと消えていく。


 多少のけがは我慢してもらう事にして、俺とイーリアスが必死にミーニャジードを制圧しようとするが、ミーニャジードの緩急を付けたアクロバティックな動きに翻弄(ほんろう)されるばかりだ。


 ついにイーリアスは平氏装備を全て奪われ、さらしと下着のみの姿になってしまった。

  

『うひょ〜!! ()()()の馬鹿力や!!』


 (たけ)破邪の剣(はっつぁん)の本能が爆発した! ミーニャジードの手から飛び出し、俺達の元へと帰って来る。それでこそはっつぁんだ! 


「む! 剣が! ……剣の一本位別に良い、また盗めば良いだけだからのぉ」

 

「ザック!」


「ぷぇ〜!」


 ザックが俺の呼びかけに応えて、すぐにイーリアスと立ち位置を入れ替わる。さすがは、俺の相棒! みなまで言わずとも、心が通じているのが嬉しい。


「イーリアス! そのままじゃまずい! 今のうちにサブ装備に着替えてくれ!」


「承知! すまんが頼む! ミーニャめぇ〜!」


 スンスンと匂いを嗅ぐ仕草をするミーニャジード。

 

「次のお宝は、どれにしようかにぁ」


 獲物を狙い定める猫の目の瞳孔がすぼまる。物色しつつも、ミーニャジードの高速斬撃は止まらない!


 ヒュバッ!

 

 ドォーン!

 

 更に動きのパターンを読ませまいと、ゴーストキングの使える魔法まで織り交ぜてきた!

 

 くるくると翻弄しながら動き回るミーニャジードには、中々こちらの攻撃が当たらない!


 あっ!? チョコとエリーの一瞬の隙をついて、金の髪飾りが盗まれてしまった!

 

 ミーニャ!

 敵に回すとなんて厄介な奴なんだ!


『おいルイ』


 はっつぁんから念話が来た!

 いきなりびっくりさせるなよ!


 どうやら俺だけにヒソヒソ話のようだ。


『たぶんミーニャの奴は本能で、売ると高額になるアイテムから優先的に狙って盗んどるで』


 そうみたいだな。


『もうじきシーラの白金の髪飾りを狙ってくるやろう。そこを取り押さえるんや。儂がモードチェンジで投網(とあみ)になってかぶさるさかい、動きが鈍った瞬間にカウンターを叩き込むんや』


 カウンタースキルは一撃の威力が高くなるからなぁ。ミーニャは防御力が高くないから、ひょっとしたら俺のパワーでカウンタースキルを叩き込むと、ミーニャが一撃死してしまうかもしれない……ん、そうか!


 一か八か、残悔独歩拳(ざんかいどくほけん)を使うか!?


 はっつぁん、エリーにも同時に魔法を封じる『つきの歌』を歌うように伝えてくれ。このタイミングなら歌も効くかもしれない。


『了解や!』




 ミーニャジードがシーラに襲いかかって来た!


 今だ!


 破邪の剣(はっつぁん)が投網になり覆い被さる!


 俺が残悔独歩拳を使おうとした瞬間!


 エリーと何かが繋がった!

 脳裏に完成したビジョンが浮かぶ!

  

「「アルティメットユナイトスキル、|月化天罰《月○○○○○○○○○○》発動!」」



 

 

いったいどんなスキルがくるんだ!?


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「ルイとエリーの新スキルはなにっ!?」


と思っていただけましたら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


何卒よろしくお願いいたします。

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