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美少女モンクにTS転生した俺はとにかく殴る!たまに蹴る!〜底辺の脳筋ジョブと言われたが筋肉を極め知識チートで無双する〜  作者: 大木げん
第三部 美少女モンクと四天王

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第94話 尻尾の生えた宝箱

 隠し部屋にぽつんと置いてある宝箱を見て、シーラが叫び声を上げた!


「ルイお姉ちゃんみて! じゅうじんの国の宝箱は、宝箱にまで『しっぽ』がはえているよ!」


 なにぃ!?


 ほ、本当だ!?

 真っ白なシュッとした尻尾が生えてる!


 あれ!? 俺の記憶だと、たしかこの部屋の宝箱は人喰い宝箱で、しかも開けた途端に部屋の入り口からモンスターがワラワラ出てきて挟み撃ちにされたはずなんだけどな。


「みんな! この宝箱は罠だ! 入り口からモンスターが襲ってきて、挟み撃ちにしてくるだろうからそのつもりで警戒を!」


「「はい!」」

「応!」

「「ぷえ〜!」」


 俺は担当する事になる、人喰いしっぽ宝箱を殴る!


 ボゴン!!


「ギニャ〜!」


 人喰いしっぽ宝箱が鳴いた!?


 俺が宝箱を殴るとふたがガバリと開き、ギザギザの歯と長い舌で絡め取っていた白い毛玉を吐き出した!


 ぺっ!!

 

「助かったにゃ! でも物凄く痛かったですにゃ!」


 にゃ!?

 にゃ、だと!?


 人喰い宝箱からしっぽが消えていた。

 

 という事は……あの尻尾の持ち主は宝箱ではなく、この目の前の猫獣人で間違いないか。いや、とりあえず今は部屋の入り口から現れたモンスター達との挟み撃ちの状態を何とかするのが先か!?


 人喰い宝箱はとにかくHPが高いから、後ろの敵を皆が殲滅するまで俺が引き付けておく必要がある。とにかく殴りながら、猫獣人に言う。


「君、大丈夫か? 自分で回復できるか?」


「手持ちのアイテムは全て使い切ってなくなったので無理ですにゃ」


「シーラ、この子にヒールを!」

 

「はーい! ヒールザ! 猫さん大丈夫??」


「ありがとうですにゃ! あちしも加勢しますにゃ!」

 

 シーラから回復の光が猫獣人に飛んできたから、ひとまず安心か? その後も引き続き宝箱を殴っていると、後ろの敵を殲滅し終えたエリー達もこちらの攻撃に加わり、宝箱は光るエフェクトと共に消えていった。


『炎のリング』を手に入れた!


 よし! お目当てだった確定ドロップの『炎のリング』もちゃんと手に入ったぞ!




 戦闘が終了したので、皆で体力を全回復させておく。


 さて、宝箱に擬態している人喰い宝箱に喰われながらも生き延びていた、この猫獣人の事情を聞こうか。皆の視線が猫耳に集まると、注目されているのを感じ取った彼女が語りだした。


「救けてくれて、本当にありがとうございますにゃ。皆さんは命の恩人ですにゃ! あちしは白猫族のミーニャ=マニーカですにゃ。恩人の皆さんの名前を教えて欲しいですにゃ」


 ミーニャか。真っ白でふさふさしたミディアムショートの髪に青い瞳が印象的で、表情がくるくる変わる可愛い子だな。髪から生えている猫耳が特に可愛い。

 

「俺はルイ。このパーティーのリーダーだよ」


「私はエリーです」


「イーリアスだ」


「シーラです! 白猫さん、わたしとお友だちになってください!」


「「ぷえ〜」」


「チョコザのチョコとザックだよ。ミーニャはなんで宝箱に入っていたの?」


「それは……話せば長くなりますにゃ。聞くもにゃみだ語るもにゃみだの物語……あちし達の白猫族は伝統的に力を重んじる一族なんですにゃ。得る職業(ジョブ)も戦士系ばかりのところ、なぜかあちしだけは盗賊(シーフ)になっちゃいましたにゃ」


 ほう、ミーニャは盗賊(シーフ)か。


「そんなわけで、あちしは一族の皆から蔑まれて、一匹狼として生きてきましたにゃ。ところが三日前に族長が自分のバカ孫のタイガのパーティーのダンジョンデビューにあちしを護衛兼案内人として雇ってきたのですにゃ」


 猫なのに一匹狼なのか。

 

「このタイガがくそガキでして、シーフのあちしの事を舐めくさって、ちっとも言うことを聞かないんですにゃ。あちしは族長に逆らうわけにはいかないので、面倒をみてやっているというのに……」


「それでも奥の方までなんとか無事にやって来れたんですが、あちしが見つけた隠し部屋にタイガが興奮して、せっかく罠だとあちしが見破った怪しい宝箱を、止めたのに勝手に開けやがったんですにゃ。そうしたらやっぱり罠で、人喰い宝箱が襲ってくるわ、入り口からモンスターが湧いてくるわで……」


 相当なバカ孫だなタイガって奴は。

 

「あちしが身を挺して一番厄介な人喰い宝箱と相対してやっていたら、タイガが後ろからあちしに蹴りを入れやがって、宝箱に丸呑みされてしまいましたにゃ。死に物狂いで暴れ回っても蓋は開かず『亀の甲羅』の防御力アップの効果と、回復アイテムでなんとか生き延びていたところを救けてもらったんですにゃ」


「そのタイガって奴は宝箱が閉じれば罠がリセットされるのを知っていたのか? ミーニャも馬鹿のお守りで苦労しているんだな」


「族長には恩があるから言うことを聞いていましたが、もう嫌になってしまいましたにゃ」


 ミーニャがペタリとたたんだ耳のついた頭をふるふると振ってげんなりとしている。


「あ、それと、あちしの名前はミーニャではなくミィニャですにゃ」


「……? ミーニャ? ミィニャ?」


「ミィ、イ、ニャ」


「ミーニャ?」


 ふるふると猫耳・・・頭を振るミーニャ。


「なにが違うか分からないから、ステータスを見せてもらってもいい?」


「命の恩人だし良いですにゃよ」


 ミーニャが開示したステータスを皆で見ると……


 

名前∶ミイナ=マニーカ

性別∶女

年齢∶18歳

職業∶シーフ

レベル∶88

運∶101 



 ミイ()かよ!

 

 もう愛称だと思ってミーニャで良くない??

 いや、それよりも!?


 運がカンスト超え!?

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