沈む寺
日本各地で寺が沈むという事件が起きていた。
国宝の寺も沈んでしまい、政府は原因究明委員会を設置した。
地盤調査がなされたが、沈んだ寺の地盤は強固だと証明された。
建築基準も確認したが問題はなく、原因は全くわからない。
歴史を遡って糸口を見つけようとしたが、残念ながら同様の事象はなかった。が、沈んだ寺に共通点が見つかった。高利貸しや一揆勢の殺傷をしたという史実だ。
そんなことがわかったところで寺が沈む事実とは関係がない。委員会は頭を抱えた。
現地調査をしてきた者が愚痴った。
「腐った性根の寺っていうのは今も変わらずで。どの寺も僧侶の権力争いやお布施の使い込みがひどく、檀家たちは罰が当たったと言ってます」
罰で済ませられたら苦労はせんと委員会が溜息に包まれたとき、別の現地調査員が新発見だ!と息を切らせてやってきた。
「どの寺の屋根にも変な細い紐が一本ついてました! 途中でちぎれた痕跡があって。紐の成分を調べたところ、蜘蛛の糸でできていて……」
了
課題である410字前後にようやく到達です!
でも410って改めて少ないですね(;^_^A
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