レイの過去2
アルドside
次に景色が切り替わると…………………
そこはついさっき俺が総統を殺した場所…総統室だった。
多分レイの父親であろう人が玉座に座っている。
母親の方は父親の隣に座っている。
レイの兄弟らしき人も父親の近くにいた。
ただ、レイだけは地面に正座させられている。
レイは服もボロボロ、髪の毛もボサボサだった。
そんな中で父親らしき人物が口を開く。
「お前は知力もない、能力もない。
そんなやつはこの城にいる価値もない。出ていけ。」
それだけ言われるとレイは何も持たずにあるき出した。
そしてしばらくして城からでた後、レイは羽を出して
街の方向に向かって飛んでいった。
また視点が切り替わり、今度は街の中での景色になった。
レイはふらふらと歩いており、
街の人から可哀想に、などの声が聞こえてくる。
だけど誰もレイを助けようとはしない。
お金がかかったり、自分に不利益だからだ。
可哀想とは思いはするものの、行動はしない。
それが悪魔たちにとっての普通。
だからレイはただただ助けてくれる人を求めて
ひたすらに行く宛もなく歩いていた。
ここのシーンってことは……………もうすぐだな。
レイが悪魔の足に躓いて転ぶ。
そしてまた立ち上がった時は気づかなかったのだろう。
前にいた人にぶつかってしまった。
「おいガキ!どこ見て歩いてんだ!!」
まあ、当然のようにレイは答えない。
「おい!聞いてんのか!!!」
それでもレイは答えない。喋ることができないから。
そんなレイの反応に男が怒ったのかレイを殴ろうとした。
パシッ
と音がして、誰かがその男の拳を受け止める。
「何すんだてめぇ!!」
「うるさいな……。
子供に手を挙げるなんてどうかしてると思うよ。」
それが誰かと言うと……数年前の俺だった。
クリスタル王国とアリスメラ王国の皆がこちらを向く。
…………………気まずい。
まあでも俺の方を向くのも無理はない。
なぜならレイと俺とでは俺のほうが年下である。
なのにこの時はレイがまだ幼く小さいのに
俺は大人くらいの身長だったからだ。
まあ身長を高くして大人っぽくしただけなのだが。
こどもというだけで絡まれたりするからな………。
そして記憶の中の俺が男を殴って吹っ飛ばした後
レイに向かって手を伸ばしこういった。
「君、大丈夫か?……服もボロボロだが…………」
その問いかけにレイはうなずいた。
……どう見ても大丈夫ではないだろうに。
まあ、俺がそんな子を見逃すはずもないので。
「君の親は?」
「……………」
首を横にふる。
「住む場所は?」
「……………」
首を横にふる。
質問をしたが、親もいなくて住む場所もないそうだ。
だから俺は
「住む場所がないなら俺のところにきなよ」
助けたんだ。
そして視界が切り替わる。
ここはたしか、、、俺が仮拠点にしてたところだな。
久しぶりに見たこともあり懐かしさを感じる。
そこでは俺がレイに言葉を教えたり、
レイの能力は無効化であり、その能力で
能力を見つける【鑑定】を無効化したから
能力がないと思われたことなどを話していた。
だんだんとレイは喋れるようになり、
自分の意志で能力を使うことを覚えて使っていた。
いつの間にか魔法も使えるようになっていた。
レイにも感情が戻り、たまにだが笑うようにもなった。
ちなみに俺は家に戻った瞬間魔法を解いたので
大人の姿から子供の姿(レイより身長低い)になったので
めちゃくちゃレイに驚かれた。
目を見開いていたからとても印象的だったな………………。
そしてもう一度視点が切り替わる。