レイの過去1
リリスside
さっきアルドから敵国の総統を殺したと連絡が入った。
ようやく戦争が終わった。アルドがあんなに時間かかるなんてな。
まあ勝ったことに変わりはないから問題はないんだけど。
すぐさまスピーカーで敵国の総統が死に、戦争が終わったことを告げた。
クリスタル王国の国民と幹部から歓声が上がった。
戦争が終わる瞬間の歓声が大好きなんだよなー。
自分たちで掴んだ勝利って感じがするから。
そういえばさっきインカムでアルドから
少し話したいことがあるからアリスメラ王国の人を
含めて全員会議室に集まって欲しいと連絡が来た。
多分レイに関してのことだろうね。
……………………とりあえず会議室に向かいますか。
リリスside終了
アルドside
俺が会議室に着くとアリスメラ王国の人達を含めて
全員が会議室に集合していた。………………行動が早いな。
まあ、とりあえず話しますか。
「戦争終わってすぐなのに召集かけてすまないな。
今回集まってもらったのはレイの記憶を戻す方法がわかったからだ。」
「おー。ようやくか。」
「早速試したいんだがレイの記憶に入る必要があってな。
あとそんなかで戦闘になりそうだから準備ができたら教えてくれ。」
「つまり記憶戻すために戦闘になるってこと?」
「まあ簡潔に言えばそうだな。」
「じゃあ各自準備できたら集合で、、、」
そう言ってみんなが出ていく。
俺はもう準備ができているのでただ待つ。
ようやくレイの記憶を戻せる。
にしてもこの水晶綺麗だな。
魔力もこもっているみたいだしこれは魔石だろうな。
そんなことを考えていると準備が終わったのだろう。
レイを連れてリリスたちがやってきた。
「準備はいいか?」
「大丈夫」
「じゃあ当てるか。」
俺がレイに水晶を当てると
パリンッと音がして水晶が砕け散ったと同時に
中から魔力のこもった光が出てきた。
その光がなんだろうと思いながら少し近寄ると
突然眩い光を放ち出し、その光が困惑していた俺らを包んだ。
しばらくして光が収まり、目を開けると、
暗黒城が目の前に広がっていた。
その光景が見えた瞬間に、ここからスタートするんだなと思った。
俺は一度だけだがレイの記憶を見たことがあるからな。
他のみんなは驚いて固まっている。…………………まあ無理もないか。
だって俺が言うまでレイの種族が悪魔だってことすら知らなかったんだから。
不意に景色が切り替わって暗黒場内。
そこでは幼いレイが誰かに怒られている姿だった。
「なんでこんなこともできないの!?」
「…………………………」
「聞いてるの!?」
バチンッ
レイが頬を叩かれた。それでもレイはなにも言わない。
「こんな出来損ないが私達の種族に生まれるなんてっ……!」
「能力もない!体力もない!知力もない!」
「………………」
「お前なんて産まなければよかった!!」
そしてその後も何度か殴り、そいつは離れていった。
レイから流れた血が、服を、床を汚していく。
……そしてまた、景色が切り替わった。