仲間を助けろ!
アルドside
……………こいつは___レイだ。
にしても洗脳でもされているのか?
……………いや、それ以外考えられないな。
少なくとも今までで
レイがいきなり攻撃してくることなんてなかったはず。
だとすれば洗脳の線が濃いだろう。
さっきから呼びかけても反応しないしな。
なんとかして洗脳を解いてもとに戻したいが……………
そろそろ耐火の効果がなくなってしまう。
ここで耐火の効果がなくなると冷気をまとっていたとしても
暑いしどんどん体力も削られていくだろう。
…………………………悔しいがここは一旦引くのが正解かな。
「お前ら!一旦撤退するぞ!」
「「「「了解!」」」」
シュンッ
国に戻ったもののしばらくは沈黙が空気を支配していた。
それを破ったのはリリスだった。
「………レイが洗脳されるなんて…」
たしかにレイの洗脳に対する耐性は強い。
だが、レイの耐性など
洗脳技術を積み上げてきた悪魔たちにとっては
痛くも痒くもないのだろう。
そうでなければレイがあんなに簡単に洗脳される訳が無い。
「躊躇ってる暇はない。
火炎耐性の御守り取ったらすぐに戻るぞ。」
「「「「了解」」」」
御守り取ってテレポート
シュンッ
「………さっきよりはましになったかな。」
「それはそうだろライト。
マシにならなかったら御守り取る意味ない。」
「それはそう。」
「さっきのところまで急いでもど(((ドゴォォォンッ !?」
「お前ら下がれっ!」
「………まさかそっちから出向いてくるとはな、レイ。」
「……………」
「反応はなし、と………………おまえら、頼んだぞ。」
「「「「了解」」」」
アルドside終了
ライトside
やばい。これはやばい。アルドがレイの洗脳を解けるまで
僕等がアルドのことを守らないといけないのだが………
ドゴォォォォンッ
あの攻撃食らったら死ぬな(白目)
長剣地面に叩きつけただけで地面凹んでるんだけど。
一応アルドの周りには何重にも結界を張っているが
あんな攻撃を食らったらすぐにでも割れてしまうだろう。
僕も結界を張りながら戦っているが意味はなさない。
防戦一方だ。まあでも時間が稼げればそれでいい。
この戦いは決して殺すためじゃないんだから。
……………アルド。頼んだよ。君にかかってるんだから。
ライトside終了
アルドside
「ッ……………」
なかなか洗脳が解けない。大分複雑にかけられている。
これは解除にも時間がかかるな………………
おねがいだ………………できるだけ時間を稼いでくれ………
魔力もさっきからゴリゴリ削られていく。
そろそろ魔力が尽きそうだ………
その時、パリンッと何かが割れるような音がしてレイが倒れた
そのレイをライトが受け止める。
おそらくだが無事に洗脳を解除できたのだろう。
洗脳魔法の痕跡も確認できないしな。
俺は力が抜けてその場に座り込む。
にしても本当にギリギリだったな。
あともう少しで魔力がなくなるところだった。
「とりあえず国に戻ろうか。」
「【テレポート】」
シュンッ
「あー.......疲れた」
「本当にな………みんなお疲れ様!」
「とりあえず今日は解散しようか。」
ライト達が帰ってしばらくしてレイが目を覚ました。
特に異常はなさそうだ。良かった良かった。
「レイ、おはよう。」
「……………………」
「…………レイ…………………?」
おかしいな。レイが反応しない。
洗脳は完全に解けているはずなんだがな。
もう一度話しかけようとした時にレイが衝撃の言葉を放った。
「……すみません。どちら様ですか?」
「え」
しばらく質問をしてみたがどうやら記憶喪失みたいだった。
とりあえずライト達やサクラたちを呼ぼう。
ライト達を呼んだあと俺は記憶喪失の原因を探るため
総統室にこもることにした。
しばらく時間がたったものの、それに関する
資料は見つからなかった。
仕方ないので書物庫に向かうことにした。
総統室を出ようと扉を開けるとライト達がいた。
「どうしたんだ?俺に用でもあるのか?」
ライトが気まずそうに話す。
「……レイ、僕らのことは、…覚えてた」
その発言に俺の理解が追いつかない。
「つまり…どういうことだ?」
「………アルドのことだけ覚えてないってこと。」