アルドの過去二
NOside
光が僕等を包む
次に目を開けると見えたのは
幼い頃のアルドだった
同盟国のみんなもちゃんといるな
アルドの楽しそうな声が聞こえる
「お母さん。次はあっちに行こう!」
「いいわよ!」
とても楽しそうだった
場面が一転する
次に広がっていたのは火の海だった
「お母さん!なんでいないの?お母さん!」
「アルド!逃げるぞ!」
あ…………アオだ。え…?アオに肉体が…ある…?
「え?なんで?お母さんは?」
「それは後回し!行くぞ!」
「わかった…。」
逃げようとすると一人の兵士があらわれて行く手を塞ぐ
「まだここに天使族がいるぞ!殺せ殺せ!」
「っアルド!危ない!」
パーンッ
銃声が鳴り響く
「いっ…!!アルド!アルドだけでも逃げるんだ!」
………アオが撃たれた………
「やだよ!ねぇアオ!おきてよぉ!ポロポロ」
「まだ生きてんのかよ。死ね。」
再び兵士が銃をアルドに向ける
「アオ。ごめんね。【彼の魂を我が身に宿せ】」
アオの体が消える
自分にもう一つ魂が宿った気がする
「………これでもう思い残すことはない。
【リミッター解除
暴走化】
周りが真っ暗になる
次に広がっていたのは周りが
血の海になっていたシーンだった
「これはひどいな…」
「私が一番強かったのに…。」
「一人称が私だ…」
確かに…。今のアルドの一人称は俺だ。
ソラも口を開き
「一人称が変わるほどのトラウマ…。」と言った。
再びアルドの声がした。
「私が護るべきだったのに!
何も……護れなかった……ポロポロ」
「辛いだろうなこれは…」
「こんな……弱肉強食の世界……
こんな世界なんていらない………必要なんてない………
………………俺が全部全部全部全部全部変えてやる」
ここで一人称が俺になるのか…。
またシーンが変わる
クリスタル王国の城の屋上に立っているのだろう
目に光がない状態でアルドが独り言をいう
「上手く笑えないなぁ……でも仕方ないよな?
感情なんてないしそもそも痛みも感覚もない。
………感情がないのは役に立つがな。
人間や人を殺すときに無駄な感情を抱かないしな。
………それでも………皆が笑顔で暮らせるなら
たとえ偽りの笑みだったとしても
皆が幸せならそれでいい………………よな………?
……誰かに俺に感情や痛覚が無いのを気づかれないように
迷惑をかけないように…。心配されないように…。
俺が1番強いんだから………俺が守らないと…………
たとえ俺が死んでしまったとしても護らなきゃ………」
同盟国の皆は言葉を失っていた
「なんで毎回毎回1人で抱え込もうとするんだよ……」
レイは総統補佐で一番アルドの近くにいたからつらい
自分が気付けなかったことと
助けてあげられなかったことの自分への怒り
それがひしひしと伝わってくる。
場面がまた一転する
「俺は上手く隠せてないのかな?いつもレイにバレる。
もっと上手く演じなきゃ」
総統室のバルコニーからアルドが一人で
呟いているのが見える
レイがアルドの方に行く
俺らは止めなかった
「アルド!」
「っは!?な……なんでレイが………ここに…?」
「今までの話全部聞いてたよ。」
それを聞いてアルドが顔を青くする
「アルドは一人で抱え込みすぎ。
もっと私達を頼ってよ?(((頼ることなんかできるわけ無い!」
「そうやって…またレイも死んじゃうんだよ!
アオと同じように!
俺が頼っていた人はみんな死んでく!
レイには…同盟国の皆は…死んでほしくないんだよ!」
「一人じゃできないことだってあるでしょ!
そうやってアルドが全てを抱え込もうとして!
心が壊れかけているってわかってないの!?」
「わかってるよ!でもおれは………俺はっ………
みんなを守りたいだけなんだよ………」
レイ「ならアルド。私にもアルドを守らせて?
アルドが私達を守ってくれるんなら………
私達もアルドのこと守るから。」
「………………わかった。ならレイ。
信じるからな。」
そうアルドがいうとともに私達は総統室に戻っていた
そしてアルドが目を覚ました
「あれ?なんで俺総統室でねてるんだ?」
どうやら私達がアルドの過去を見ていた記憶はないようだ
「アルド(((が寝ていたからソファーに運んだだけだよ!」
「あれ………俺部屋で寝てなかったっけ?」
「「「総統室で寝てた」」」
「そうだっけ?」
「それとさ〜スドベア王国から宣戦布告きてたよ〜」
「「「それを先に言え!」」」