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格闘タイプのお姉さんが護衛と引き換えに私の体を要求して来るんだけど!? ~意外とウブな芋ジャー女ドラゴンに溺愛されるキケンな二人暮らし~  作者: 枕頭皮
第1話 わたし、貴女を守ります。だからえっちさせてください ~血影衆殺手 疾風 登場~
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1-2

 美人の愛梨ちゃんにじろじろ見られて、美夢さんは明らかに緊張している。さっきの距離感バグはどうしたんだと。


「パッキパキの部外者ってことね。まあこの際それは良いか。香織ちゃんを守ってくれてありがとうね。ボールが当たった所、服脱いで見せてちょうだい」


 愛梨ちゃんの指示通り、美夢さんがジャージのファスナーを下ろして背中をはだける。下にキャミソールなんか着てなくて、血色の良い背中が直に顔を出したため私は少しギョッとした。

「お、お願いします」


 照れながら愛梨ちゃんに背中を差し出す美夢さん。洒落っ気がないと言うか……服とかあんまり興味ない人なんだろうな。あ、でもブラは普通に大人のブラだ。豊かで形の良い胸をピンクのレースが縁取って、とっても綺麗。見てると、思わず我が身と引き比べてしまう。


(わ、私なんて未だにスポブラで事足りるのに……これが成人女性のステータスってやつなの? 羨ましすぎる……!)


 などと私が歯噛みしていると、愛梨ちゃんの方は怪我の見立てを終えたようだ。


「アザになってるけど、軽い打ち身で済んでるわ。骨とかは心配ないと思うけど、痛みが引かないようなら専門の病院に行くこと。とりあえず湿布しておしまいね」


「ありがとうございます……ひゃっ、ちべたい……」


 冷たい湿布を貼られてビクッとする美夢さん。こういう仕草はなんだか子どもみたいにも見える。不思議な人だ。


「それにしても、あなたかなり鍛えてるわね。体自体は細いけど、薄い皮下脂肪の奥に鋼のような筋肉が詰まってるのがわかる。野球ボールぐらいじゃビクともしないのも納得だわ」


 愛梨ちゃんが感心したように言うけど、そんなに? 胸に気を取られてたからか、私の目にはそんなにムキムキには見えなかった。目を凝らして確認しようしたけど、その前に美夢さんはジャージを着直してしまった。


「あはは……ストレートに褒められるとなんだかくすぐったいですね。前居た所じゃ、これでもまだ修業が足りんー!みたいに怒られて。上には上が居ますよ」


「これの更に上があるの? そのマッスルミュージアム、一度拝んでみたいものね。どこのジムに通ってたの?」


「いえ、ジムとかではなくて」


「マジ? 自己流でこれだけ仕上げたの? 凄いわねぇ。もっと本格的にビルドして、大会とか出ましょうよ。あなたなら世界だって狙えるかもしれないわよ?」


「えっ、あの、ちがくて……大会とかその、俗世のアレは駄目でぇ……」


 いけない、愛梨ちゃんがヒートアップしつつある。美夢さん困ってるし、このままじゃ聞きたいことも聞けない。私は口を挟むことにした。


「……あのさ、そろそろ教えてもらってもいい? あなた一体何者なの? 私を知ってるみたいだけど、それはどうして?」


 諸事情あって、私が知らなくても一方的に私を知っている人というのはそう珍しくない。まだお礼も言っていないけど、私としては探りを入れないと気が済まない。


「……誰かの差し金?」


 助けてくれた人を疑いたくなんてないけど、これだけは確認せずには居られないのだ。私が恐る恐る尋ねると、美夢さんは不思議そうに小首を傾げた。そのまま少し思案したようだったが、やがて彼女は診察椅子を離れ、ベッドに腰掛けている私の目の前に跪いた。


「香織さんが何に怯えているのかはわかりませんが、わたしはそんなだいそれた者ではありません。香織さんとは縁もゆかりもない……フフッ、先程言われたようにパッキパキの部外者です」


 優しい目が、安心していいよと訴えて来る。そんな気がして、私は余計に戸惑ってしまう。


《つづく》

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