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格闘タイプのお姉さんが護衛と引き換えに私の体を要求して来るんだけど!? ~意外とウブな芋ジャー女ドラゴンに溺愛されるキケンな二人暮らし~  作者: 枕頭皮
第1話 わたし、貴女を守ります。だからえっちさせてください ~血影衆殺手 疾風 登場~
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「できればもう二度と来ないで欲しいのですが……あくまでも香織さんを諦めないというのであれば、お相手しましょう。そのためにわたしはここに居るのですから」


「ははは! 我らを相手に勇ましい仁も居たものだ。貴公、名は?」


「美夢。林美夢」


「我は旋風(せんぷう)。血影衆随一の殺手、旋風と覚えて貰おう。貴公の倒したこやつは疾風(はやて)という。では林美夢、また会おう!」


 黒衣の男……旋風はそう言い残して窓から飛び出し、瞬く間に私たちの視界から消える。私が圧倒されて何も言えずにいると、突然美夢さんが私の肩にしなだれかかって来た。


「だぁ~! き、緊張しました。あの人、絶対強いじゃないですか。バキバキの強者ですよ。帰ってくれて助かりました……」


「ええっ!? いつでも来いみたいなオーラ出してたじゃん。そんなに余裕なかったの!?」


「ありませんよ〜! いくら少林寺で鍛えたからって、実戦は初めてなんですから!」


「ちょちょちょ待って待って、初めてだったの!? 如何にも場数踏んでますよみたいな顔してたのに!?」


 信じられない。初めての実戦、それも本当の殺し合いで、私のために命を張ってくれたなんて。美夢さん……この人の覚悟はどこから来るんだろう。


「どうして、私なんかにそこまで……」


 私がそう聞こうとした時だった。窓の外が俄に騒がしくなり、人の集まって来る気配がした。旋風の言った通り、誰かが物音を聞きつけたのだ。


「香織さん、ひとまずここを離れませんか? 警察の方に来られると、そのぉ……わたしは……」


 言葉を濁す美夢さん。確かに、端から見れば美夢さんは丸っきり部外者で、どう見ても怪しい。保健室がめちゃくちゃで窓まで割れてるこの事態について、厳しく問い詰められるのは目に見えている。ひょっとしたら拘留されてしまうかも。私的にも、流石にそれは気が引けるかな。


「わかった。私の部屋に行こう。寮だから誰も居ないし、窓から入れば寮母さんにも見つからないから。警察の事情聴取とかは……愛梨ちゃんに任せる!」


「えっ、いいんですかそれは。起き抜けにそれは可哀想では」


 大丈夫大丈夫。愛梨ちゃん荒事には慣れてるから何とかしてくれるって。いつしかいびきをかき始めた愛梨ちゃんをベッドに寝かせ、私たちはさっさと保健室を後にした。


~~~


 集まって来る野次馬や先生たちの間をすり抜けて、私たちは寮へとたどり着いた。私の部屋は二階なので、一度私だけ帰宅し、窓を開けて下から美夢さんを迎え入れる。思った通り、美夢さんは壁を駆け上って難なく入って来てくれた。


「ふう……ああ~疲れた。何なのよ今日はもう」


 放課後になってから色々ありすぎて、私はベッドに倒れ込んだ。美夢さんはちゃぶ台の前にちょこんと正座し、そわそわと辺りを見回している。


「……ちょっと、あんまり人の部屋をじろじろ見ないでよ」


「えっ、あっ、す……すいません。香織さんがいつも過ごしてる部屋だと思うと、そのぉ……色々気になってしまって。えへへ……」


 えへへじゃない。普通にキモい。やっぱりこの人変質者なのかな……そう思えて来て文句のひとつも言いたくなったけど、私はその言葉を飲み込んだ。今言うべきはそれじゃないよね。


「さっきは、ありがとう」


 ベッドから起き上がり、改めて言う。


「ボールから守ってくれて。殺し屋を追い払ってくれて。本当にありがとう。これでも一応、感謝してるんだからね」


《つづく》

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