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外の世界

 今、目の前にトビラを開くボタンがある。


 これは押してはいけないボタンだ。


 もし押してしまえば、たくさんの人たちに迷惑をかけるばかりか、自分自身も大変なことになる。


 そんなことは承知しているけど、押したくて仕方ない。


 そもそもこの感情は今に始まったものじゃない。


 物心ついた頃からずっと戦ってきた。


 禁止されればされるほど、やりたくなる気持ちは理解できるだろう。


 それをずっと押し留めていなければならないのが、いかに狂おしいことかも理解してもらえると思う。


 しかも日を追うごとに、どこからか「押せ」「押してしまえ」と声が聞こえ、よりいっそう押す誘惑にうち勝つことが苦しくなってくる。


 もう、だんだん押さないでいられる自信がなくなってきた。


 あといつまで、この誘惑に耐えられるのだろう。



 分かってる。


 分かってる。



 これを押してしまえばたくさんの人たちに迷惑をかけ、自分自身大変なことになるんだ。


 だけど、押したい。


 いずれ押すに決まってる。

 それが早いか遅いかの違いでしかない。


 だったらいつ押しても変わらないんじゃないか?


 いや、そんなことはない。そんなことはないかもしれない。


 そんなことは……。




 「元気な女の子ですよ~!」


 ついにボタンを押してしまい外に出ると、お母さんに抱きかかえられた。


 とても喜んでくれる笑顔を見ると、悩んでたことがウソのように消えていく。


 なんだ、人間は誰でも生きていくだけでたくさんの人たちに迷惑をかけるし、生まれた以上たくさんの責任を負わなければならないだけなんだ。


 だけど、しばらくは泣くことしかできないから甘えさせてね。

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