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コノミ

 人の顔は千差万別である。

 ほんのわずかなサイズや配置の差で、まったく違った印象を与えてしまう。

 その与えられたものによって、生涯にわたる悲喜こもごもを引き起こす原因にもなる。

 つまらない差を生むのならば、なくしてしまえばいいと大いなる神は思い立った。


 すると顔をなくした人々は、髪の毛の長さや量でたがいを区別するようになった。

 神が人々から髪の毛をなくすと、次に腕の形や長さで比べ、それを失うと次は足の形や長さを……。

 人々は何かを失うたびに、他人と比べられる何かを見つけては区別と差別をくり返した。

 ついに神は、人々が誰とも何とも比べられないように、目も鼻も口も手足もホクロさえもない、ただの肉塊にしてしまった。


 人々はその大きさを比べあった……。


 古代の中国の神話に、目も鼻も口も手足もない、ただの肉塊だけの『渾沌こんとん』という大変賢い神がいたという。

 あまりに賢いので、他の神々がこの神が目や耳などの器官や手足を持ったら、さらに素晴らしい神になるだろうと考え、足りないものをすべて与えた。

 すると渾沌はみるみる衰弱して死んでしまったという。


 比べることが好きな人々が、自分の姿を見たとすれば……。

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