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Cグループ

 ボクはマウスを使った実験のレポートに頭を悩ませている。

 実験内容は難しいものじゃない。

 レバーを引くとエサが出てくる装置がついたケージでマウスを飼い、使い方を覚えたら3つのグループに分けて観察すること。


 Aはこれまでどおりレバーを引けば毎回エサが出るグループ。

 Bは10回引くとエサが出るグループ。

 Cは引く回数によってランダムにエサが出るグループ。

 結果は予想どおりで、

 Aグループはエサが欲しい時にレバーを引くだけ。

 Bグループは最初は何度も引くけれど、回数を覚えてからは欲しくなった時だけ引くようになる。

 Cグループはいつエサが出てくるか分からないため、1日のほとんどをレバーを引き続けるようになる。


 当然といえば当然の話で、だから逆にどう書いていいのか分からない。期限はあと2日だというのに、まだ1行も書けてないんだ。ああ、もう今日はバイト休みたいよ。だけど、生活費苦しいからな……。

 バイト先は相変わらず忙しく、それに音が騒がしくて、ちょっとした時間にレポートの内容を考えようとしても、とても集中していられない。

 はあ~、どうしようかな……。

「ほら、ボーッとしてないでホール回ってきて」

 チーフに言われて見回っていると、1人のお客さんが喜びの声をあげた。それを聞いたとたん、ボクはテーマを思いついた。

 そうか! 答えは目の前にあったんだ!!だからみんな、こんなに一生懸命になれるんだな。ボクは思いついたテーマを早くまとめたくて家に帰りたい気持ちと、思いつきが単なる仮説でない確証を得たい気持ちとの板挟みになりながらバイトを終え、一目散に帰宅した。


 レポートの結果は、まあまあだった。それでも、他の学生とは違う視点からとらえたことを評価されたから、良しとしよう。

 ――お客さんたちのお陰だな。ありがとうございます。声には出さず、そっとお礼したお客さんの1人が、また喜びの声をあげた。

 チンジャラジャラジャラ……。

 いつ銀色の玉が出てくるか分からないために、お客さんは1日のほとんどをパチンコ台の前ですごしてくれる。

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