新たなる脅威
地球の支配計画が進められてから、私は、先遣隊長としてずっとこの星を監視している。
さいわいこの星に暮らしているのは我が種族と見分けのつかない原住民のため、怪しまれることなく潜入し、疑われることなく調査を続けることができた。
我々は、地球全土にくまなく散らばって調査を続けており、私の調査報告を受け取った本星の精鋭部隊が一気に制圧する予定だ。
すでに任務のほとんど終え、私は部隊がやってくるまでのあいだ状況に変化はないか、原住民が気づいていないか、この星で得たしもべを従えながら毎日定時の見回りをすることにしている。
ある夕暮れのことだ。
交差点の向うから何者かの話し声が聞こえてきた。
「間違いなく怪しまれていないだろうな」
「大丈夫だ。この星の住民は我々と見分けがつかない」
「このまま原住民のふりを続け、いずれこの星を我々のものとするのだ」
「種族の繁栄のために!」
どうやら我ら以外にもこの星を狙っている連中がいるようだ。だがしかし、ここはすでに我らが先に目を付けている星だ。
あとから来た連中に好き勝手などさせるものか。
「今の話は聞かせてもらった! この星はわたさんぞ!」
「しまった! すでに潜入している奴らがいたのか」
「本星に至急連絡だ! このままでは分が悪い」
この星の原住民に擬装した二人組は、私の姿を見ると一目散に逃げていった。
だが、この緊迫した場面をしもべは笑って見ている。
まったく、何も知らない者は呑気でいい。
その時、頭上から何者かの視線を感じた。
何ということだ!
奴らまでこの星に潜入していたのか。
至急本部に連絡しなければならない。
計画は一時保留だ。
「あ、佐藤さんちのミケの子どもだ、もう一人でお散歩できるようになったのね」
塀の上からは、敵意を隠そうとしない奴が私を見下ろしていた。




