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カウントダウン

 太陽の光は生き物にとって、なくてはならない重要なエネルギーだ。


 光を浴びる気持ち良さや骨を強くするビタミンDの生成。そして高い殺菌効果。

 植物の成長に光は欠かせず、無限のエネルギー確保にも大きな期待を寄せている。


 しかし、紫外線が強過ぎたり浴び過ぎると皮膚ガンの原因になり、免疫機能を低下させ、遺伝子を傷つけることもある。


 紫外線に対する注意は必要だ。


 紫外線はオゾン層と呼ばれる大気の層で吸収されて生き物は守られているが、わずかでも減少すると、より有害なB波と呼ばれる光の量が飛躍的に増える。

 さらに減少するようなことになれば、最悪のC波までも地上に到達する可能性があるのだ。


 現在、人類が文明化の名のもとに発展を続けた結果、オゾン層は破壊され、徐々に強い紫外線が地上に射し始めている。




 そんな時、ひょんなことからタイムマシンが完成した。


 タイムマシンといっても自由に時間を行き来できるものではなく、特定の範囲の時間を遡らせることしかできない限定的な装置だ。


 しかし、ある学者が画期的な使い方を発表した。


「オゾン層の高さに無数のタイムマシンを設置して、時間を遡らせればオゾン層が復活するのではないか」


 確かに、これなら安全で確実だ!


 世界各国は一致団結してタイムマシンの設置に協力し、今まさに起動ボタンが押される瞬間を、全人類が固唾を飲んで見守っていた。



 10、9、8、7……


 3、2、1……ON!



 見た目には何の変化もない。


 しかし、間違いなくオゾン層は過去のものを呼び出し、現在の地上に降り注ぐ紫外線の量を減少させた。


 こうして人類は、いや、世界中の生き物は強まりつつあった紫外線の恐怖から逃れることができたのだ。




 約6500万年前に絶滅した恐竜たちは、その直前、それまでにないほど多種多様な種類が産まれた。


 体に日影ができるほど頭骨を伸ばしたもの。


 頭頂部の骨を異常に厚くして脳を保護したもの。


 長かった首を短くして体表面積を少なくしたもの。


 産んだ卵の殻が異常に分厚くなったのは、中のヒナを守るためか。


 裸子植物中心だった植物層は、日の光を反射する花びらをもつ被子植物中心に替わり、体を覆う羽毛を獲得したものは鳥の祖先となった。


 また、それまで恐竜におびえて生きてきた、夜行性の小さな哺乳類がいっきに昼の世界に進出したのは、多産と世代交替の速さによって新しい環境に適応する子供が産まれやすかったのではないか。



 ……紫外線が強過ぎたり浴び過ぎると、遺伝子を傷つけることがある。

 それは、まったく新しい種族が生まれる可能性があるとも言える……。


 現在、恐竜絶滅の原因は巨大隕石の衝突によるものと言われている。




 タイムマシンが、ただ時間を遡らせるものだったのか、それとも、時間を入れ替えるものだったのか……。


 本当のことはどうあれ、将来、人類が地球に誕生するための秒読みは6500万年前から始まっていたのだ。

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