親方と焼酎
おう、どうした。ずいぶん深刻な顔してんじゃねえか。
なに? 幸せがいつくるかだって?
そんな不幸のどん底みてえな顔してるおめえなんかのとこにくるか。
それともまさかおめえ、そこに座ったまま幸せがくるのを待ってる気か?
一体いつまで待つつもりだよ? 来ないなら迎えに行ってやればいいだろ。
幸せってヤツはなあ、ホントはそこらじゅうにいて、どこに行けばいいか迷ってんだ。
だったら自分から迎えにいかなくてどうする? 迎えに行ったヤツのところへ行くんだよ。
きたくっても行く道のわからねえヤツに、待ってて早くこいってのは酷じゃねえか。
ほら、そんなしけたツラしてっからこねえんだよ。
ツラは関係ない?
なに言ってやがる。幸せってなあ、幸せなもんなんだぞ。
そいつが、自分の居場所探してんだ。
幸せの居場所ってどこだと思う?
幸せな場所だよ。
幸せは幸せな場所が居場所なんだ。
だったら居場所探してる幸せが、しけたツラのやつをみて、自分の居場所だって思うか?
どう考えても自分の場所じゃねえ。顔見ただけでスルーだ。
町でばったり出会った幸せの居場所になるには、自分の居場所はここだって思わせなきゃならねえんだ。
一度居場所になっちまうとな、少し幸せになれる。
すると面白いもんで、少しの幸せがもう少し大きな幸せを近寄せてくるんだ。
そうやってどんどん幸せを呼ぶうちに、でっかく幸せになっちまうってわけだ。
だけど気をつけな。
幸せってもんはあんまり大事にしすぎて閉じ込めちまうとストレスがたまって出て行こうとするんだ。
それを押しとどめようとするともっとストレスがたまって、ついには爆発しちまう。
ようするに、せっかく居着いた幸せを全部取り逃がしちまうことになるって話だ。
だったらどうするかっていったら、ある程度たまったら、ちょっとずつ外へ出してやって、まわりのやつらも幸せにしてやるんだよ。
そうすると、幸せはあっちこっちを巡って、てめえのところへ戻ってくる。
鮭の遡上みてえなもんだ。結局はふるさとへ戻ってくんだよ。
しかも外の世界を知ってより大きく成長してるって寸法だ。
だから、幸せになりてえってんなら、明日っからやることは簡単だ。
幸せはおめえから迎えに行け。待ってても道に迷ってきてくれねえ。
そして幸せの居場所になってやれ。幸せは幸せなところが好きなんだ。
幸せを成長させてやれ。独り占めするな。
そのためには人との出会いを大事にしろ。
いつも笑顔でいろ。
まわりの人を大切にしろ。
なに? そんなこと昔っから言われてるだと?
当たりめえだ!
どんだけ長い間かけて先人たちがあみ出してきた方法だと思ってんだ。
先祖の尊い知恵だろうが!
だが、実際にやってみろ。できねえヤツが多いんだ。
保証してやる。この話を当たり前ってバカにしてるうちは幸せになれねえが、大事に心がけていれば必ず幸せになれるんだ。
するかしないかはおめえ次第だがな。
何もせず不平不満ならべてたって一生幸せになんてなれるもんか。
幸せを呼ぶには、幸せでいるしかねえんだからよ。
おれもやってる。おめえも一緒にやろうぜ。




