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緑豊かな灼熱へ

 伝説の都市とされていた遺跡を発見したグループは、遺跡内部の最も厳重に保護してあった部屋から驚くほど保存状態の良い地図を発見した。


 しかも驚くべきことに、その地図は現在の地理を正確に記していたのだ。


 すでに何者かが遺跡に立ち入り地図を置いたのではないかと疑われたが、状況としてあり得ないため、グループのリーダーであった当時の准教授はこの地図を封印することに決めた。


 オーパーツと呼ばれる出るはずのない場違いな遺品は、長い遺跡発掘作業の中で時々出くわすこともあるが、多くは信用されないニセ物とされ、発見者はでっち上げの烙印を押されて正統派から追い出される憂き目にあうのだ。


 そもそも、この遺跡自体が大発見なのだから場違いな地図1枚ですべてをニセ物扱いされては台無しだ。

 グループ全員が地図など無かったものとすることを約束した。


 遺跡の発見は世界中に知れ渡り、准教授とグループは大きな賞賛を浴びた。



 数年が過ぎた。



 遺跡研究の第一人者として、今や教授となった彼が地図を思い出したのは、資料整理の途中でケースの1番下に押しこんであったものを見つけた時だ。


 こうして見るとつくづく不思議だ。

 だが彼は、地図を見て息をのんだ。


 去年、海底火山の噴火によって新しくできた島まで載っている。

 この地図は一体何なのだ!?


 定年退官した教授の部屋の後片付けをしていた学生の1人が、資料ケースの一番下に古い地図を見つけた。

 

 年代物に見えるが、最新のデータを元に作られているらしく、ここ数年で広がった砂漠や干上がった湖さえ精密に描かれている。


 きっと教授が個人的に作ったものだろう。

 だけど、こんなに地球環境がボロボロなのはかわいそうだ。


 学生は地図に水と緑豊かな風景を書き込んでから、まとめて燃やすゴミの束に詰めこんだ。

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