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デジャヴ

作者: 富士山 紗来

文章の練習でたまたま書いたものです。

閲覧ありがとうございます。

立ちこぎしてきた自転車を止めて、鍵を閉めたタイミングでボランティアの方に声を掛けようとしたけれど、彼は下を向いてスマホを眺めてピアノの曲を聞いていたので会釈だけして駅に向かった。会釈したのは嘘だが、確実に彼はピアノの曲をスピーカーにしながら見ていた。なんの曲なのだろうか。聞いたことがなかったが、最初聞いた時その音は彼の持つスマホからではなくどこかのピアノ教室から聞こえてくるものでは無いかと予想していた。が、的が外れた。


ICカードを取り出して自動改札機へ触れない程度にピッとかざす。ひとつ分、間を開けて座り込むと、コンタクトが少し乾いたのか目がしょぼしょぼといたくなった。持ってきた目薬をつけようか。でも昨日、買ってきたばかりのその目薬を試し付けしてみたら、パッケージには「清涼感7」と書いてあって指したあとはしばらくの間、目を開けられなかった。どうしよう、迷った。頭の中で自問自答をして、結局目を閉じて直すことにした。


数秒間、涙を感じながら目を閉じる。周囲の音が1層鮮明に聞こえてきて、色んな妄想が頭の中で踊る。そんな中、ふと3つの足音が聞こえた。いや2つか。まぁどちらでも一緒だと思うからそこまでは追求しないが。その3人組は自分の後ろを中心に座って、深いため息を漏らした。少々年老いた女性方の声が聞こえてきて、ふと思った。


(この声、聞いたことある!)


3つの声。お茶を出してくれる家の事や、それが毎回出してくれる時と出してくれない時があってその話している人が声を落としながら落ち込んでいる様子など、どこか前に聞いたことのある事柄だった。その後電車が来るまで、お寺の話やそれに乗っかって話を聞く脇のふたりの話などを聞きながら、私も陰ながら盛り上がっていた。


(2020/09/30 08:57:46)

日常の中のデジャヴってふとした瞬間に、意外とあるもんやと思いません?(東京出身)

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