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9話 新しい羞恥プレイ

誤字・脱字があったら教えてください!

「すみません、これしかないんです!これで勘弁してください!」

翌朝、報酬を貰いにギルドに入ったらいきなり謝罪され、お金が入っていると予想される皮袋を渡してきた。

周りの冒険者さん達が何事だとこちらを見ている。え、なにこれ?どんな羞恥プレイ?

「えっと、とりあえず顔を上げて説明をお願いしたいんですけど……」

「すみません、ちょっと取り乱しました。何から話したらいいでしょうか…」

知らんがな。

「えっと、まず、そちらは今回の報酬である、大金貨20枚となります」

「だ、大金貨20枚!?」

大金貨1枚で百万円で、20枚だから…二千万円!?

わぁ、見てみて~。さっきまで俺の体は健康そのものだったのに、今では手足が震え、手汗も酷くて喉も渇いてきたよ〜。と、とりあえず鞄にしまおう。

「まず、ベルドの鑑定結果ですけど、特に利用できる部位はありませんでしたが、ベルド自体に巨額の懸賞金がかけられてまして、それが大金貨10枚です」

へぇ、あの脳筋が。

「次にデスベアーですけど、デスベアーの強力な毒は希少な薬に改良でき、牙や爪は強力な武器、防具を作ることが可能になり、何より皮が全く傷んでないことですね」

「皮が傷んでないと何かあるんですか?」

「皮は高級なインテリアとして貴族から人気が高いんですが、そもそもデスベアー自体とても強く、遠距離から魔法をいっぱい使って倒す魔物なんです。それ故に皮が傷み売り物にならなくなるというのがほとんどなんですが、エキューラさんから貰ったデスベアーは首からしか傷を確認できませんでした。それで報酬がほぼ倍になり大金貨10枚になりました」

ひぇ〜、すご。鉄の剣が大金貨10枚に変わったよ。最新の錬金術だね。

「そういえば、ベルドの配下のあの魔物100体はどうなったんですか?」

「ベルドの部下は1体1体とても強く、武器は全員ミスリル製のものを使っていたため100体合計で大金貨1枚程の報酬があるんですけど、ギルドに大金貨は20枚までしかなく、すみませんが残り1枚はお渡し可能になり次第渡すということでよろしくお願いします!」

また頭を下げられた。こういう仕事の人は頭を下げ慣れているのだろう。偏見だけどね。

「分かりました、ではその際に受け取らせてもらいますね」

「えっと、怒らないんですか?」

「後で受け取れるんですよね?なら大丈夫ですけど」

「よ、よかった~。てっきり殴られるのかと…」

「さすがにそんなことしませんよ。って、まさか前にこういう事があって殴られたとか?」

「はい…とある人に依頼達成の報酬で銀貨を渡す時、銀貨が切れていたんです。銀貨が切れてしまった事と、後日渡すことを伝えたところ、今欲しいから早くしろと殴られたという事が起きたらしくて…」

まぁ、冒険者はみんな気が荒そうだもんなー。

「まぁ、とりあえず今日は依頼も受ける事にしますよ。大会の準備運動も兼ねて」

「分かりました、あちらの掲示板に何十枚も紙が貼ってありますよね?そこからやりたい依頼を選択して、紙をここまで持ってきてください。お待ちしてますよ」

早速掲示板を見てみる。えっと?ゴブリン10体討伐か。簡単だし、最初の依頼はこれでいいだろう。

その討伐依頼の紙を剥がして受付へ持っていく。

「ゴブリン10体の討伐ですね、頑張ってください。魔物の討伐をしたら、その魔物の素材を持ってきてください。ゴブリンの場合は特に利用できる部位はないですが、なんでもいいのでゴブリンの一部を持ってきてくださいね。それが討伐した証明となりますので」

「はい、分かりました。行ってきます!」

ギルドを出て、国の外へと向かう。


門へ向かってる途中、何か気になる店を見つけた。

「なになに?《メルトのスキルの書の店》?」

なんとなく気になり中に入る。

「いらっしゃい。あたしの名はメルト。覚えといて損は無いさね」

黒いローブに黒い帽子をかぶっている、いかにも魔法使いのような、偉そうなおばあさ……女性が出迎えてくれた。

「あの、メルトさん。スキルの書ってなんですか?」

「そんなのも知らないのかい?はぁ、しょうがないねぇ。スキルの書って言うのは、読むことでスキルを習得出来るようになる不思議な巻物のことさ。迷宮でたまにしか落ちてないから買うには相当の金が必要となり、売ればちょっとした家が立つくらいの金が貰えるものさ」

なるほど、要するになんかすごい巻物ってことか。

礼を言い、店で扱っているスキルの書を見る。

さっきの説明の通り、大量のお金が必要となるらしい。最低でも大金貨2枚だ。

「ん?なんだろこれ?」

見回っていると、1つのスキルの書に目が止まる。

(鑑定の書?なんだろこれ…って高!大金貨20枚!?)

「ほう?それに目をつけるとは、なかなか見る目があるね~。そいつは鑑定の書と言って、スキル:鑑定を習得できるのさ。効果は魔物のステータス、素材を知ることができ、更には自分よりLvが下の人間のステータスを知ることができ、あらゆる物の情報を知ることができる強力なスキルさ」

え、なにそれ欲しい…。いや、ここで全財産投げるのはちょっと抵抗がある…。

「すみません、少しだけ安くできませんか?」

「ほう?あたしに値切り交渉かい?まぁ、条件次第なら聞き入れようじゃないか」

「条件…。例えばどんなのですか?」

「そうさね〜。じゃあ、あたしの部屋の掃除でもして貰おうかね?そしたら18枚に負けてあげよう」

「掃除ですか…分かりました。やらせてもらいます。それでその部屋はどこですか?」

「こっちさ。ついてきな」

メルトさんについて行き、お店の二階へ上がってすぐのドアの前で止まる。

「ここさ。終わったら下にいるから呼びな。ちゃんとやるんだよ?適当に終わらせたらこの話は無しさね」

そう言い残し、メルトさんはお店へ戻って行った。

「よし、やるか!さて、まずは部屋の中はどんな感じかな?」

部屋のドアを開ける。

「お、ぉぉぅ……」

部屋の中は脱ぎっぱなしの服に靴下に下着、床には無数のゴミ。メルトさんは料理が好きなのか、幸いキッチンは特に何も見当たらなかった。

「こ、これが汚部屋と言うやつか…」

だが!俺には魔法がある!こんなのちちょいのちょいだ!

あのくそウザイ本に風魔法がなかったため、旅の途中で風魔法を覚えるために風魔法が乗っている本を家から持ってきていた。ちなみに風魔法は中級魔法らしいので、覚えるのには一苦労だ。そしてまだ風魔法を習得していない。だから、

「よし、読むか!」

鞄から本を取りだし早速読む。極限まで集中すればなんとかなるかもしれない。

「風魔法は風で敵を切り裂く、自信を浮かし浮遊を可能にする、対象の足元に風を巻き起こし遠くへ飛ばすなどができる…か。覚えるのは最後のだけで良さそうだな」

まず魔力を風に変え、風でやりたい事のイメージを浮かべ、一気に放つ……よし!

床に落ちてるゴミをまとめ、風ですくい上げるイメージをし、魔力を放つ。

ふおぉぉ、と音を立て、風が渦のように回転し、ゴミを風の中央にまとめることに成功。そのまま風でゴミをゴミ袋に入れようとして気づく。

「そういえばゴミ袋ないじゃん!う〜ん、もう思い切って鞄の中に入れようかな?」

鞄を開け、風の渦の下に置き、ゴミを全部収納する。これで床を歩くことが可能になった。

次は服か…。っていうか、何この量…。軽く30着はありそうだぞ?

さてどうしよう。とりあえず洗おうかな。

服などを全部部屋の端に寄せて、土魔法で巨大な桶のようなものを作り、そこに服などを全部入れる。更にその中に水をいっぱい入れる。蓋をつくって桶に蓋をして中に風魔法を使って洗濯機のように水洗いをする。洗剤はないがそこは許してもらおう。

しばらく水洗いをして、終わったら蓋を少しだけずらして水をキッチンの流しに捨てる。

さて、ここからは大変だ。

火魔法と風魔法を使い、温風で乾かして1着1着丁寧にたたむ。

よし、大体終わったかな?

メルトさんに終わった事の報告をするため1階へ向かう。

「メルトさ〜ん、終わりました〜。」

「ふん、やっと終わったのかい。どれ、見てやろうじゃないか」

メルトさんと一緒にさっきの部屋へ戻る。

「ふむ、床のゴミは無くなっているね~。どこにやったんだい?」

「この不思議な鞄に全部入れて、後で捨てる予定です」

「ほう?珍しいものを持っているね〜。」

「ありがとうございます」

「それに、服もちゃんと丁寧にたたまれている。まぁ、及第点さ。約束通り18枚に負けてやるさ」

「ありがとうございます!あ、これ料金です」

その場でメルトさんに大金貨18枚を渡す。

「まいどあり」

1階に戻り、鑑定の書を受け取り、早速開く。ざっと中を見て、読み終わると同時に巻物が消えた。これで覚えれたのかな?えっと、

「ステータスオープン」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エキューラ(時任誠)

Lv32

HP135/135

MP107/189

スキル:初級火,水,土魔法,中級風魔法,鑑定

ユニークスキル:黒炎刀,探知,超加速,竜の息吹

パッシブスキル:スキル効果持続時間超増加,経験値量増加,筋力増加,アイテムドロップ率増加,エキューラ化

称号:異世界を渡る者

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あ、ちゃんとある。

「それではもう行きますね。鑑定の書、ありがとうございました!」

「ふん、早く行きな。あたしだって忙しいのさ」

お店をでて、すっかり忘れてたゴブリン退治へ向かう。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

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