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7話 GETだぜ!

ベルドの死体にビックリした門番がどこかに走って行ってしまった。

(どうしようかな〜。待ってた方がいいのだろうか?)

結局しばらく待つことにした。それから少しすると、なんか大量の兵士さん達が鬼のような形相で走ってきた。何事だ?って思ってたら取り囲まれてしまった。

「お前は何者だ〜!」

「その後ろの化け物はなんだ〜!」

「もしや、お前は魔人ではないだろうな~!」

「え、待って?どういう状況?私魔人じゃないよ~?」

全く、この国の兵士さんたちは〜。日本の警察を見習って欲しいものだ。

「では、身分を証明できるものはあるのか?」

「あ〜はい。え〜っと。あ……」

俺は身分を照明するものを持ってなかった。当たり前だよね!だってちょっと前にこの世界に来たばかりだもん!

「では、冒険者ギルドに行って貴様のステータスを見せてもらうとしよう。暴れようと思うなよ?我が国にはあのフィックさんがいるからな!」

「へ〜、そうなんですね」

えぇ!あのフィックさんが!?ってやろうかなって思ったけどやめた。飽きたからだ。



冒険者ギルドに着き、中に入ると冒険者さん達からまぁ見られること見られること。特殊な性癖をお持ちの方は大喜びするような光景だった。

そりゃそうだ。たくさんの兵士さんに若い女性が連行されていて冒険者ギルドに入ってきた。すごい、字面だけ見たらどんな状況かが全く想像できない。

「誰かあのステータスの水晶玉を持ってきてくれ!」

程なくして来た男性の職員さんに事情を説明する。ギルドの受付は美人な女性がやるものって相場が決まってるんだよ!なんで男なんだよーー!!

その後先程の職員さんが変な水晶玉を持ってきた。

軽く説明を受ける。まぁようするに触れるとステータスと職業が見えるらしい。

「それでは水晶に触れてください」

職員さんに促され、水晶玉に触れる。

(そういえばステータスを見るのはあの白い部屋以来だな〜)

さてさて、俺の成長具合を見てみようかね〜。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エキューラ

Lv32

HP135/135

MP189/189

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ふむ、結構レベルが上がってるな。スキルまでは見えないようで何よりだ。エキューラ化を見られた時にはきっとこの職員さんは大声でなんじゃこりゃ!!と言うだろう。あれ、ちょっと見たいかも?

「あれ?」

疑問に思うことがあったのか、職員さんは何度もステータスを見ている。あの〜、一応個人情報なんですけど……

「なんでだ?」

「何かあったんですか?」

いい加減気になるので聞いてみることにした。

「えっと、とりあえず分かったことはこの方は魔人ではないようです」

ふふん、それ見た事か!

ニヤニヤしながら兵士さんを見る。

「ですが、同時に分からないことも出来まして……」

ん?何か問題でもあった?

「本来なら名前の横に職業が書かれるはずなのですが、それがないんです。」

あぁ〜、そういえばクラスのみんなが俺○○だ〜って盛り上がってる中、なんのこと言ってんだ?ってずっと考えてたんだよな〜。

あれ?ってことはもしかして……

「この方は魔人でもなければなんでもない。つまり、無職なのでは無いかと」

無職……無職か〜。まぁ、俺はなんでもいいんだけどさ〜。だって無職でもそれなりに強いし?ベルドって名前の脳筋も倒してるし?

「はぁ!無職!?ではあの化け物を倒したのは誰なんだ小娘!!」

「えっと、私が倒したのですけど……」

「嘘をつくな!」

うわぁ、決めつけてるよこの人。絶対この人自分の子供に宿題やれってうるさい人だ。関係ないけど、なんかそんな気がする。

「あの、ここには嘘発見器みたいなのはないんですか?」

「えっと、そんなすごいのはまだ発見されてなくて…」

職員さんも困っている。どうしよ。

「おーい、邪魔するぞ〜」

誰かがギルドの扉を開けて中に入ってくる。肌は少し焦げていて、髪は短い。第一印象は野蛮って感じかな?

「おーおー、なんでこんなに兵士がいるんだ?喧嘩でもしてんのか?よし、混ぜろ!」

どうやら野蛮な性格らしい。

「ご苦労さまです。フィックさん」

「おう、そっちもご苦労さん。それで、お前らの囲んでるその嬢ちゃんは誰だ?」

「えっと、初めまして。エキューラです。呼びづらかったらキューラで結構です。よろしくお願いします」

「おう、よろしくな。エキューラ。俺はこのギルドのトップのAランク冒険者、賢者のフィック様だ!崇め奉れー!!」

うるせぇよ。と思ったが口には出さない。それが社会で生きる秘訣だ。

「ハッハッハ!!確かに、エキューラの言う通りだな!」

え、どうしたの?頭打った?えっと、この近くに病院ってあるだろうか?

「大丈夫だ!頭など打ってないし、この近くに病院はない!!」

おい!前者はともかく後者はダメだろ!って、え?・・・もしもーし、聞こえてますか〜?聞こえてたら自分の好きな女性のタイプを教えてくださーい。

「そうだな〜。背丈は低く、胸は普通くらいのとにかく尽くしてくれるタイプの女がタイプだ!」

「へぇ〜、そうなんですね。いいと思いますよ。私の胸を見ながらでなければもっといいです」

「ハッハッハ、すまんな!それにしても、俺のスキルを理解しても取り乱さないのか?」

「そうですね。知られても大丈夫なので」

「今まで俺のスキルを知ったやつの大抵が気味悪がって離れてくのにな〜。そうじゃないヤツは、よっぽどのバカぐらいなもんだったがな。エキューラみたいなやつは初めてだ。結婚しよう!」

「お断りさせていただきます」

微笑みながら軽く頭を下げる。

「ハッハッハ、それは残念だ!それで、この状況はなんなのだ?兵士が女の子一人を囲んでギルドの受付にいるとは、全く訳が分からん!!」

「簡単に言うと、兵士さんたちが私を魔人と勘違いして連行されているって感じです。その際、この国にはフィックがいるから暴れても無駄だぞと脅されました」

「ふむ、嘘はついていないようだな」

「分かるんですか?」

「勿論だ!俺のユニークスキル:読心は何かと便利だからな!」

へぇ〜。じゃあ、さっきの件に役立つかも?

「あぁ、そこで死んでるデカブツの事か?」

「はい。ちょっと説明するのめんどくさいので心を読んでくれませんか?」

「いいだろう!・・・ふむ、おい、そこの兵士よ」

「はい、なんでしょうか?」

「エキューラが言ったことは正しいようだぞ?そこのデカブツを倒したのは紛れもないエキューラだ。ついでに、ソイツの名はベルドというらしいぞ?」

「べ、ベルドですか!?あの魔王軍幹部の一人の!?」

へぇ〜、あの脳筋そんな偉いポジションにいたんだなー。あんなバカなのに

「ついでにいえば、エキューラはベルド率いる二千ほどの魔物も倒しているらしい。それで、これがこの国の英雄さんに対する扱いか?」

「も、申し訳ございません!エキューラさん!」

手のひらくるっくるだなーおい!!

「そして、エキューラはもうひとつ凄いことをしてるようだぞ?」

そう言いながらどこかに行くフィックさん。

「これを見てみろ」

やがて、一枚の紙を持ってきて見せてくる。あれ?確かこいつは……

「デスベアー?何でこんなのを持ってくるのですか?」

ギルドの職員さんが尋ねる。

「見せてやったらどうだ?エキューラ。その鞄の中の、もう一体のデカブツを」

(デカブツっていうと、こいつだけだよな?)

鞄を開け、出したい物をイメージする。

ドサッ!と大きな音を立て、デスベアーの死体が姿を現す。

「デ、デスベアー!?」

「しかも見てみろ!死体の損傷がほとんどないぞ!どうやったんだ!?」

「これはエキューラさんが倒したのですか!?」

「えっと、はい。その通りですけど…」

「ハッハッハ!エキューラは意外と戦闘狂なのだな?まさかデスベアーに接近戦を挑むとは!しかも何やら不思議なスキルを持っているようだ。こんなスキルは見た事ないぞ。もしやエキューラはユニークスキル持ちなのか?」

「は、はい。そうです」

「ほう?エキューラはどこから来たんだ?おれは気になって仕方ないぞ?」

お、チャンスだ!今こそ役目を果たすとき!

「私は、ここから少し遠くのフレカ村という所から来ました。よかったら来てください!とってもいいところですよ?」

「ハッハッハ!そうか!それでは、早速行ってみるとするか」

よっしゃー!フィック、GETだぜ!

「ほう?俺をGETしてくれるのか、そいつは嬉しいな~?」

「今のはなしでお願いします」

「ふ、残念だ」

「あ、それと、フレカ村に着いたら領主の人に、私の紹介で来たって言ってくださいね。よろしくお願いします!」

「おう!わかった!」

そう言って、ギルドを去っていった。

「それで、この二体。買い取ってくれますよね?」

一体はAランク冒険者3人がかりでやっと倒せるとても強いクマ。

一体は魔王軍幹部。

いや〜、楽しみですな〜?

ニヤニヤしながら顔を真っ青にしている職員さんを見る。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

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