表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/54

54話 キューラのバイト先

誤字・脱字があったら教えてください!

とりあえず朝のお返しということで倒れているりんの頭を膝に乗せ、神様が授けてくれたスキルを確認する。


「ステータス・オープン」


えーっと、新しいスキルは〜っと。

ん、これか?

え?でもこれ使い方によっては結構危険なやつじゃ…。

え〜〜??


「ん…。ん?ん?!誠?!何やってるの!?」

「見れば分かるだろ?朝のお返しだよ。ちょっと今考え事してるから落ち着いてくれ」


戸惑っているりんの頬を親指と人差し指で挟む。

膝でりんがむーむー唸っているが俺は無視し、改めてスキルの効果を見る。


(これって俺が持ってていいものなのか…?もっと誰かいただろ…)


はぁ。とため息をつき、ステータスを閉じる。





「さて、りんさんや。早く学校に戻りますぞ」

「つーん」

「いや、つーん。と言われましても」

「女の子の顔で遊ぶ男の子となんて一緒に居たくありませんよ〜だ」

「いや、ごめんって。ちょっとしたイタズラだから」


まぁ、何年もの仲だ。こういう時の対処法くらい俺は持っている。


「そういえば、ファイズにはスイーツがとても美味しいと評判のお店があるんだが、知ってるか?」


この言葉にりんがピクっとしたのを俺は見逃さない。


「そこにはショートケーキだけでなく、勇者様。つまり先代の転移者直伝のスイーツがあるらしいんだ」


りんがこちらをチラッと見始める。


「しかも、その直伝のスイーツというのはモンブランやシュークリーム。パンケーキなんてのもあるらしいぞ?」

「・・・連れてって」

「ん?なんだって?」

「そこに連れてって。1回奢りで許してあげる」


心の中でガッツポーズをし、ふたつ返事で了承した。




土の家を解体し、移動を開始してから約6時間。ようやくファイズに到着し寮に入る。時刻は既に夜の8時を回っていたためお腹がかなり空いている。

この寮は夜ご飯が出るのだが、決められた時間しか食べれない。しかもその時間というのが夜の7時から30分間。


「お腹空いた〜…」


ご飯を食べれないというのはこんなにも苦しいことなんだな…。元の世界に戻ったら1000円くらい募金しよ…。

あ、そうだ。この時間ならまだあのメイド喫茶開いてるし。

そこで俺は重要なことに気付いた。


「あの店の名前ってなんだ…?」





しばらく歩いたのち、俺はメイド喫茶に来ていた。


「お久しぶりで〜す」

「っ!?エキューラさんお帰りなさい!!早くこの服を着て―――」

「いえ、今日は働きにじゃなくてご飯を食べに来たんですけど…」


すると、店長が泣きそうな顔をして俺を見つめてくる。

…そんなこと男からされても嬉しくないんだよな〜…。


「明日からちゃんと来ますから心配しないでいいですって」

「本当ですか!?信じますよ!」

「信じていいですから。それより厨房借りていいですか?」

「あ、はい。しばらくお客さん来てないですし厨房はピカピカですよ」


うわなにそれ悲しっ!

早速エプロンを着て、簡単にオムライスを作る。

この店では客と一緒に作るというイベント(参加費銀貨1枚)があるため絶対に作れなきゃいけないため、他の店員さんは練習の為に大抵昼ごはんはここでオムライスを作って食べている。

そのため、店員の分だけで1日で卵が2パックくらい無くなっているはずなのだが、今日は1パック分しか捨てられていないようだ。


「私の他の店員さんはあまり来てないんですか?」

「はい。エキューラさんが休みの日は自分たちの休みの日でもあるという認識らしく、4人ほどしか今日は来ていないですね」


まぁ、俺がいないと客が来ないっていうのは前に学んだ事だしな…。

いや、俺が休みの日は自分たちの休みの日ってなんだそれ…。客が来ないからということか?


「…よし出来た。我ながら美味しそうだ」


オムレツの上にケチャップ(のようなもの)をかけ、食べ始める。

俺は、オムライスを食べつつ、神が言っていたことについて考えていた。


(俺の分身を殺したのは悪いやつじゃない…か。どういう事なんだろうな…)


今から確認しに行くのも一つの手だが、危険すぎる。

まぁ、その事は頭の隅に置いておこう。何も今確かめなきゃいけないわけじゃないしな

今はこの、『ご主人様へのLove100%オムライス』もどきを食べよう。





翌日。俺は約束通りにメイド喫茶にバイトに来ていた。


「「「おはようございます!女神様!!」」」

「あ〜、うん。おはよう」


何回女神様と呼ぶのをやめてと言っただろうか。俺はいつしか呼び方を変えさせることを諦めていた。

…いやいや待て待て。


「な、なんでいるの?今まで来たことなかったし、ここで働いてるって言ってないんだけど…?」

「いいえ、女神様。我々は既に女神様がここで働いてなさっていると存じておりました。ですが…」

「ですが?」

「この店に入る勇気が無かったんです!!」

「………」


…そっすか。


「そして今日!ついに入ることが出来たんですっ!」


…あ、はい。そっすね。

うん。まぁ、ひとつ言えることがあるとするなら―――


「―――自慢することじゃないね。うん」


こいつらを今日は無視すると誓い、仕事に戻る。


余談だが、店長がたくさんの常連客ができて泣いて喜んでいた。

俺は喜んでないけどな!!


あ。店の名前聞くの忘れた。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ