51話 あと5分…
しばらく投稿してなくてごめんなさいm(_ _)m
シリアス展開があるので苦手な方は後書きに簡単に今回の話をまとめるのでそれを見てください!
あと、誤字・脱字があったら教えてください!
次の日の朝
「起きて誠。起きてってば!」
誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた気がした。
「うぅん…。あと5分…」
「もう、仕方ないな〜。あと5分だけだよ?」
〜20分後〜
「誠いい加減に起きて!」
「あと5分だけぇ」
「もうこのくだり5回目だからね?!さすがにもう許さないよ!」
「ちっ」
「そこ!舌打ちしない!」
仏の顔も三度までならぬ、りんの顔は5回までということだろう。
あれ?俺今結構上手いこと言った?
……言ってないな。うん。
仕方なく体を起こしてリビングへと向かう。
あのじいさんはまだ起きてないのか、リビングに姿は無かった。
どうでもいい事だと割り切って、テーブルを見る。
そこにはもう朝食は作られており、目玉焼きやベーコン、卵かけご飯に卵焼き。更にはスクランブルエッグというとても健康になれそうなご飯が用意されていた。
(……これもう嫌がらせだよな)
文句を言ったら朝食が抜きになる気がしたので黙って椅子に腰をかける。
「そういえばりん。記憶は戻ったのか?」
「うん。お陰様でバッチリよ」
「じゃあ俺の事をどこまで知ってる?」
「私の幼馴染で、○○市○区△△△の✕丁目。電話番号○○○ー□□――――」
「―――分かったもういい記憶が戻ったのは確認できた」
いやなんでそこまで詳しいんですかね?!しかも全部合ってるし!
「ま、まぁその話は置いておこう。それで誰に、なんで記憶が改ざんされたか分かるか?」
「…うん。少し長くなってもいいなら」
「あ、できれば咲良さんがいなくなったあとから話せるか?」
「うん。分かった…」
そうしてりんはぽつりぽつりと話を始めた。
『誠がいないということと、咲良さんが国王様に呼び出されてから戻らなかった。その2つのことがあって私たちの不安はどんどん強くなっていった』
『月が沈み、日が昇っても咲良さんはとうとう姿を見せなかった。その日の朝、私たちは国王様に直訴したの』
「咲良さんが帰って来ないのは何故ですか!国王様に呼び出されてから姿を見せてないってことは、国王様は何があったか知ってるんですよね!!」
『その問いに、国王様は表情を変えずに言った』
「あの娘はスキルの1つも持っていなかったのだ。そんなのでは足を引っ張るだけであろう?だから出て行ってもらった。それだけだ」
『あの時の私たちの気持ちを表す言葉を私は知らなかった。数ある感情が渦巻くなか、一つだけ確かに分かる感情があった』
『怒りだった』
『その日の夜、みんなで会議をした。内容はいつこの城を脱走するかだった』
『使えないからという理由で人を追放するような王の国に居たくなかったからだ』
『会議の結果、咲良さんが遠くに行かないうちに早く行こう。ということで明日の夜に行動を起こすことが決まった』
『翌日の朝、私たち全員は国王に呼び出された』
『ちょうどいいから文句を言ってやろう。そう思いつつ国王の居る所に向かう』
『謁見の間の扉を開けた私たちは、国王の第一声に困惑した』
「サラのことはすまなかった!」
『私たちが部屋に入るやいなや、謝罪をしてきた』
(なんで?なんで急に謝ってきたの?)
『そんなことを考えていた私たちに、国王が言葉を紡ぐ』
「今回の件は本当にすまないと思っている。全力でサラを見つけ、連れ戻すと誓う。だからどうか許してくれないか…」
『その時の私たちは安心していた。悪い国王じゃなかったんだ。って』
『でも、今になってあの時の私たちはおかしかったんだって気付いた』
『そして、多分その時から記憶の改ざんを受けていた』
『だって―――』
「―――その時に、私たちは誠の名前が出なかったんだもの…」
「……なるほどな」
俺のことは探すとは言っていないのに安心してしまったってことか。
「でも、咲良さんを探すのと同時に俺も探していたって考えなかったのか?」
「……うん。少なくとも私は咲良さんの名前しか出てこなかった…」
「なら、その時にはもう記憶が改ざんされてたのかもな」
初日に俺がいないって騒いでたんだ。一日二日時間が空いたからって忘れるわけないもんな。
「それに、国王様の態度もかなり変わっていた…」
「……なら、その国王が魔王軍幹部のルルクとか言うやつ。もしくは魔王本人かもな」
前に帝国で会った時に感じた違和感。咲良さんの話での国王と、俺が会った国王の性格の違いの理由が分かった。
「りんの話を聞く限り、俺たちが召喚された翌日の朝と、その次の日の朝までの間に国王の身に何かがあったみたいだな」
「うん。そうね」
「まぁ、それが分かったところでって話だけどな」
俺はパンッと手を叩く。
「暗い話はもう終わりだ。ご飯が冷めない内に早く食べようぜ」
「……うん、そうだね。朝ご飯は私が誠の健康を考えて作ったんだよ?」
「え、これ嫌がらせとかじゃなかったの?」
そう言い終わってから俺は後悔をした。
「……へぇ。そんなこと言うんだ…。」
「……待てりん。これは言葉の綾というやつだ。落ち着け深呼吸だ」
りんは静かに席を立ち、俺の元へと歩いてきた。
「じゃあもう作らないわよ!馬鹿誠!!」
瞬間。りんの右ストレートが俺の顔面に突き刺さり、俺はもう一度(強制的に)寝る事に成功した。
みでくれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
〜今回の話のまとめ〜
『記憶が戻ったりんから帝国で何があったのかを聞く。
その話を聞く限り、りん達クラスメイトに記憶の改ざんを使ったのは国王が1番怪しい事が判明。
更にはその国王は何者かが国王になりすましている可能性があることも分かった』
ギュッとまとめるとこんなところですかね。
これからも応援をよろしくお願いします!




