46話 班(内)対抗戦
誤字・脱字・矛盾点があったら教えてください!
その後、俺,咲良さん,ヒスリー,カリナの4人で班対抗戦―――簡単に言えば4人1班。計12の班でのトーナメント―――をしたが、俺たちが余りにも強すぎたため、クラスの人に引かれる結果になった。
そして、その結果を見た先生の、「どうせならエキューラ班の4人でトーナメントでもやったらどうですか?」という一言がきっかけで一気にクラスの士気が復活。代わりに俺らの士気が下がるのだった。
そして、なかば強引にする事になったトーナメントで俺は、ひとつ悩んでいた。
その悩みは簡単だ。
「はぁ…。女の子に魔法を撃つのは抵抗があるんだよな〜…」
この世界は非現実的であっても、現実なのだ。相手はちゃんと生きている。俺も人間であるため、女子を傷つける行為には抵抗がある。
そして、俺の力が圧倒的であるという理由で、本来は罪人が刑務所内で行う労働の際に付ける、対象のステータスを10分の1にするという腕輪を装着しなきゃいけない事になった。
そして、ひとつ先生は忘れていることがある。
「咲良さんもヒスリーも、めっちゃ強いんだよな〜…。」
印象が強い人がいても、さらに印象が強い人の前ではその人は無力なのだ。
俺はLv4位のステータス。対してあっちは偉大なる勇者様。勝てるかい!!
カリナはどのくらい強いのだろうか…。分からないのが怖いな。でも、多分大丈夫だろう。カリナは三度の飯より魔法の勉強って人だ。下級魔法の応用を使いこなす程度だろう。
まぁ、なるようになれだ。一応作戦を考えてきたし、どうにかなるだろう。
……まぁ、これを作戦と言うか分からないけどな。
「それじゃあ、第1試合。エキューラさん,サラさん」
くじ引きの結果、俺の相手は咲良さんになった。
試合のルールは簡単。25m×25mのステージから相手を場外に出す。もしくは降参させる。この2つのいずれかを達成した場合が勝利条件だ。
俺たちを場外から見守るのは数十人のクラスの連中。少しだけ緊張するな。
「キューラ。今日という今日は勝たせてもらうわよ?」
「結構自信あるんだね。なにか作戦があるの?」
「作戦?そんなの無いわよ」
「あ、無いんだ…。」
「キューラは今、ステータスが10分の1になっている。こんな状況で私に勝てるわけないじゃない!作戦なんていらないわ!」
あ〜、これは咲良さん忘れてるな?あの魔法のこと。咲良さんもお世話になってるはずなのに。
「それでは、試合開始!」
開始の合図と同時に、俺を囲うように数えきれない量のロックバレットが出現した。
そのロックバレットは、俺目掛けて一直線に飛んでくる―――その前に俺は超加速を使用し、油断している咲良さんの目の前に移動した。
「え!?なんでまこ……キューラがここに?!」
「はい、握手握手」
動揺している咲良さんの手を取ると、さらに咲良さんは慌て始める。
「えっと、キューラ?今は試合中だから、そういうのはこれが終わったら―――」
「エアロバリア」
「―――へ?えぇ!?待って離して!せっかく期待したのにこんな展開は絶対嫌!」
手を振りほどこうとぶんぶん手を上下に振る咲良さん。ふっふっふ。離すわけなかろうなのだ!
「それじゃ、対戦ありがとね。咲良さん」
そう言い終わったその瞬間、エアロバリアの暴風に弾かれた咲良は場外まで吹き飛び、涙を流しながら「なんでこうなるの…。」と呟いた。
そして迎えた最終決戦。当然というか、ヒスリーが相手だった。
まぁ、無詠唱型VS詠唱型じゃあどう考えても詠唱型が不利だろう。
俺と咲良さんの試合は見られてたから、恐らく同じでは通用しない。じゃあどうするか。まぁ、それは試合でのお楽しみということで。
俺は一応if you're alive内で最強のプレイヤーだったんだ。それ故に対人戦は数えきれないほどやってきたし、その数と同じくらいの戦い方を見てきた。今回もきっとなんとかなるさ!
「それでは決勝戦です。エキューラさん、ヒスリーさん。頑張ってくださいね」
「今日は絶対に勝つからね?キューラ」
「どこかの誰かさんみたいに油断してくれたら嬉しいんけどね」
あ、なんか後ろから視線を感じた。すっごい背中から冷や汗がダラダラ出てくる。
「それでは、試合開始!」
開始と同時に俺は自分を囲う厚いアイスウォールを展開する。
さて、ここからはスピード勝負だ。さぁ、勝負だ!ヒスリー!
〜〜ヒスリー〜〜
開始の合図と同時にキューラはアイスウォールを展開した。アイスウォールの役目は主に発動した人を守るため。でも、私は知っている。
アイスウォールは、自分の姿を隠すという使い道があるということを。
キューラのことだから、多分あの中でなにかをやっているはずだ。
つまり、私が今やることはあのアイスウォールを壊すことだ。
そこまで考え、私はアイスウォールを溶かすためにファイアーボールを連射する。
何発も撃ち込んで、ようやく溶けてきているのが分かるくらいだった。この壁は見た目以上に分厚いようだ。この様子だと、あと何発撃ち込めばいいか分かったものじゃない。
それから30秒後。ある程度溶けてきた頃に私はロックバレットを放つ。
すると、派手な音を立てながらアイスウォールにでかい穴を開けた。キューラは上手いこと避けたのか、その姿はなかった。
「なら、もう一発!」
もう一度、今度はさっきより大きいロックバレットを撃ち込もうとすると、壁のから声が聞こえた。
「間に合った〜!」
どうやら時間切れだったらしい。でも、まだ試合は終わってない!
「おりゃァ!」
構えていたロックバレットをキューラに放つ。
それがキューラに当たる直前、不思議なことが起きた。
ロックバレットが消滅したのだ。
そして、アイスウォールの残骸だろうか、氷の板のようなものを構えているキューラが残された。
「どう……なってるの?」
私がそう口に出すと、楽しげにキューラは答えてくれて。
「これはねぇ。少し昔に私の創った切り札の魔法陣だよ。吸魔の陣とでも呼ぼうかな」
「吸魔の陣?」
「うん。文字通り、魔力を吸収する陣。でも、ひとつ面白い効果があってね〜。」
そして、彼女は再び手に持っている氷の板をこちらに向ける。
よく目をこらすと、そこには魔法陣のようなものが描かれてあった。
凄いなぁ。と思って眺めていると、その魔法陣から魔法が飛び出してきた。
「危なっ!」
すんでのところで避けれた。あと少し遅かったら直撃していただろう。
「こうやって、吸収した魔法を撃ち出すことが出来るんだよ」
つまり、私は魔法を使ったら逆にそれを利用されるし、キューラ自身は魔法を使える。
(打つ手無しか…)
もうあまりMP無いし、こんな状況で勝てるわけない。
「私の負けね。降参するわ」
そして、試合が終了した。
〜〜エキューラ〜〜
(あ、危ねぇー!!良かったー!!)
先程のこの吸魔の陣の説明で、意図的に省いた箇所がある。それは――。
「――これ、1回限りなんだよなぁ…。」
例えて言うなら、使い捨てカイロのようなものだ。
1回だけ便利に使えて、使い終わったら捨てるという感じだ。
しかもこれ、1つ作るのに結構時間がかかるため、実戦向きでは無いのだ。
まぁ、事前に何個も作るなら話は別だが、それが許されるわけない。
何度も使えると、上手いこと勘違いしてくれたようだな。よかったよかった!
その後、それが欲しい!と言った咲良さんに使い終わった吸魔の陣を投げ渡し、「これで無敵ね!」と調子に乗られたので、結構小さめのロックバレットを額に当てたのはまた別の話。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
しばらく春休みを満きt――ゲフンゲフン。
しばらく忙しくなるので、投稿をしなくなっちゃいます
すまん(´・Д・)」




