40話 当たりとはずれ
猫がきゃっと(cat)鳴いた。
ちょっとダジャレを言ってみたかっただけです。
誤字・脱字があったら教えてください!
「あぁ、そういえば。俺とりんはここをしばらく空けるぞ。至急ルード帝国に戻って来てくれとのことだ」
いきなり委員長がそう言う。
ここは学校の中庭。今は昼休みで、俺,サラさん,りん,委員長でご飯を食べている。
「なんで急に戻らなきゃならなくなったんだ?」
俺がそう聞くと、ため息をつきながら委員長が答えてくれた。
「どうやら、クラスのヤツらが自分たちが勇者なんだと調子に乗ってるらしくてな」
「それで、私と委員長はしっかりやっているぞってことを教えるために戻ってきて欲しいってさ」
委員長の言葉に、りんが被せてくる。
「ふーん。大変そうだな」
そう感想を口にすると、りんがこう提案してきた
「ねぇ。キューラも着いてきてくれない?」
「え、なんで?」
「ふむ。それは名案だな」
「ねぇ。せめてなんでかを教えてくれない?」
「だって、クラスの人達は訓練をサボって遊び回ってるんだよ?そんな人がこの人たちは頑張ってるぞって言われて、じゃあ頑張ろうってなると思う?」
まぁ、そうなるわけはないだろうな。
「加えていえば、ヤツらは周りに威張り散らしている連中だ。もしかしたら31人全員で襲いかかってくるかもしれないな」
う〜ん、そうなるか〜?……なるか〜。
「そうなったら、さすがに俺たちだけでは対処はできないだろうからな。護衛が欲しいんだ」
なるほど…。少しだけ納得した。
「じ、じゃあ私も着いてく!」
しばらく黙っていたサラさんがそう言った。
「いや、ルードに行ったら連れ戻されちゃうでしょ…」
「そ、そうだけどさ」
「なんだ?俺と離れたくなかったか?」
そう笑いながら言うと、突然飛んできたアイスバレットが俺の頬を掠めていった。
「ん?何か言った?」
「なんでもありません……」
「よろしい」
多分、俺は一生サラさんには勝てないな。そう悟った今日この頃の俺なのでした。
あれから1週間後。俺と委員長とりんは、馬車に乗ってルード帝国に向かっている。サラさんはさすがに置いてきた。まぁ、その代わりにお土産を要求されたがな。
ちなみにルード帝国はフレカ村を超えた場所にあり、馬車では2日ほどかかるらしい。
5日ほど前にファイズを出発し、現在ようやくフレカ村についた。ここらからあと2日も馬車に乗ったままなのかと思うと少し嫌になってくるな。
「なぁ。今日はこの村に泊まっていかないか?」
そう委員長が提案する。
「いいよ〜!もちろん賛成!」
「キューラはどうだ?」
「う〜ん、ぶっちゃけ嫌だな」
「えぇ!?なんで!?」
「だって―――」
俺は馬車を降り、御者にお金を渡し、辺りを見渡す。すると、何人もの人が俺たち。いや、俺を見ていた。
「「「おかえり!エキューラ!!」」」
気付けば俺は村の人達に囲まれていた。
「これ持っていって!」と言われて果物を何個か渡され、「昼食にこれを食いな」と言われてパンを渡されたり、「試作したんだが、持っていかないか?」と言われて俺そっくりの木製の像を―――ってなにこれ!?
「キ、キューラ。凄い人気なんだね」
「ほう、これは凄いな。何をしたんだ?」
「ふふ、気になりますか?勇者様方」
委員長がふと口にした言葉にそう反応したのは、いつの間にか近くにいた村長のリアンさんだった。
「貴方は?」
「私はフレカ村の村長の、リアンと言う者です。以後お見知りおきを」
「村長さんか。それで、キューラは何をしたんだ?」
「ふっふっふ。それはですね―――」
それからしばらくの間、リアンさんが俺の事をずーっと話していた。
「―――ということです。分かりましたか?」
「なるほど。要するに、この村の発展にとても貢献したため、みんなが感謝をしている。ということですか?」
「はい。そのとおりです!」
「それにしても、キューラは凄いね。ドラゴンを倒したり、賢者に求婚されたり」
「りん。たとえ賢者でも当たりとはずれがあるんだよ。うちの勇者がいい人ばかりじゃないように」
「えっと、キューラ?その求婚された賢者様ははずれの人なの?」
「当たり前だ!」
「じゃあ当たりの賢者様って?」
「ウィルク校長先生」
「あぁ、それは当たりだ」
「分かってくれたか。りんよ」
「そりゃそうよ。あの人って、男の願望を具現化したような人なのよ?」
あぁ、それはあるわ。
優しいし、可愛いらしいし、スタイル良いし。
「あ、そういえばリアンさん。今日はここに泊まっていっていいですか?」
「もちろんですよエキューラさん。どうぞどうぞ」
許可を頂いたので、俺たちは元賢者の家の中に入り、その日をそこで過ごした。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
ちょっと短めですけど、キリがいいのでここで終わろうかなと思ったんで終わらせていただこう。




